開催時間 |
9時30分 - 17時30分
金曜日は20時00分まで 入館は閉館の30分前まで |
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休み |
月(ただし3月21日、3月28日、5月2日は開館) 3月22日(火)
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入場料 |
有料 一般1600円(1400円)、大学生1200円(1000円)、高校生800円(600円) ※()内は前売り、20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料 ※心身に障害のある方とその付添者1名は無料(入館の際に障害者手帳をご提示ください) |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
03-5777-8600(ハローダイヤル)
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イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒110-0007 東京都
台東区上野公園7-7 |
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最寄り駅 | 上野 |
電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)は、西洋美術史上最も偉大な芸術家のひとりであり、イタリアが誇る大画家です。彼の理想化を拒む平明なリアリズムや、劇的な明暗法によって浮かび出る人物表現は、バロックという新時代の美術を開花させる原動力となりました。彼の画法はイタリアのみならずヨーロッパ中からやってきた画家たちによって熱狂的に継承され、その影響はルーベンスやラ・トゥール、レンブラントなど、17世紀の数多の画家たちに及んでいます。
本展は、イタリアの代表的な美術館が所蔵するカラヴァッジョの名作と、彼の影響を受けた過酷の代表的な継承者たちによる作品を合わせた50数点を展示します。「風俗」「五感」「光」「斬首」といった、カラヴァッジョの芸術を理解するために重要なキーワードに従って章立てを構成し、彼の芸術の革新性と継承者たちによる解釈と変容の過程を顕彰します。また、裁判や暴力沙汰といった彼の生涯をしばしば波立たせた出来事を記録した古文書など、同時代史料も併せて出品し、カラヴァッジョの人生と芸術両面におけるドラマを紹介します。
監修者メッセージ
日伊国交樹立150周年を記念して開催されるカラヴァッジョ展は、イタリアの17世紀を代表する偉大な画家と、彼の最も重要な継承者たち(カラヴァジェスキ)を紹介するものです。本展は、カラヴァッジョが成し遂げた図像や様式における革新の本質を理解すべく、幾つかの重要なテーマごとに構成されています。カラヴァッジョのメッセージが、出自や経験の全く異なる画家たちによってどのように受け継がれたのか、新たな観点から問い直す絶好の機会となるでしょう。カラヴァッジョとカラヴァジェスキの共通点や相違点を明らかにするだけなく、カラヴァッジョの造形の本質が彼らによってどこまで理解されたのか、検証してみたいと思います。
現実の示唆的な表現、光の劇的な効果、図像構想の独創性、そして彼以前には見られなかったきわめて独自の絵画技法がカラヴァッジョの作品全てを特徴づけるものです。同時に、それらが彼の作品の近代性や魅力の本質であり、ここ数十年の間に全世界を席巻している「カラヴァッジョ・ブーム」を作り出しているのです。
ロッセッラ・ヴォドレ
美術史家・前ローマ国立美術館群特別監督局長官
このたび、国立西洋美術館にて 2016 年 3 月 1 日(火)より開催する「日伊国交樹立 150 周年記念 カラヴァッジョ展」(会期:3 月 1 日(火)~6 月 12 日(日))では、世界初公開となるカラヴァッジョの《法悦のマグダラのマリア》の出品が決定いたしました。
《法悦のマグダラのマリア》は、カラヴァッジョが死ぬ間際に携えていたとされる 3 点の絵画のうちの1 点です。本作品は、カラヴァッジョが殺人を犯してローマを逃亡し、近郊の町で身を隠していた 1606年の夏に描かれたもので、その 4 年後の 1610 年、彼がイタリアのポルト・エルコレで不慮の死を遂げた時、彼の荷物に含まれていた「1 枚のマグダラのマリアの絵」であると考えられています。本作品は長いこと行方不明とされていましたが、2014 年に発見され、科学調査を受けて、カラヴァッジョ研究の世界的権威であるミーナ・グレゴーリ氏が本作を“カラヴァッジョの真筆”と認定。世界で初めて、本作品が公開されることとなりました。
本展では、この世界初公開となる《法悦のマグダラのマリア》に加え、日本初公開となる《バッカス》や《女占い師》のほか、《果物籠を持つ少年》《ナルキッソス》《トカゲに噛まれた少年》など、貴重なカラヴァッジョの傑作11点を紹介します。カラヴァッジョ作品11点は、日本でも過去最多、世界でも有数の規模で開催される展覧会となります。
ロベルト・ロンギ美術史財団代表 ミーナ・グレゴーリ氏のコメント:
今回初めて公開されるこの作品は、そこに認められる数々の様式的特質からカラヴァッジョの真筆であることが明らかです。例えば、マグダラのマリアの強烈な表情、彼女のバラ色の肌を作り出すオークルからピンクにかけての淡い繊細な色調、そして肩から胸にかけて広がる金色の長髪。また、力強い手首と青白い手は、色彩と光の見事な変化と指の半分にかかる陰影によってあらわされ、本作のもっとも印象的かつ濃密な部分となっています。彼女の衣服についても、マントの赤がカラヴァッジョが生涯用い続けた色であることと、白いシャツを形作る長く力強いひだは特筆に値します。マグダラのマリアの胸の左部分に落ちる強い陰影の生む明瞭なコントラストも注目に値します。これらの特徴によって、本作の質の高さが証明されるでしょう。本作がカラヴァッジョの真筆であることを確信します。
本展監修者 ロッセッラ・ヴォドレ氏(美術史家・前ローマ国立美術館群特別監督局長官)のコメント:
カラヴァッジョの真筆作品に《法悦のマグダラのマリア》を加えるというミーナ・グレゴーリ氏の意見は、説得力のあるもので、更なる議論や研究に値するものです。本作はこれまで専門家による調査や一般公開の機会がなかったため、そうした考察の対象となることがありませんでした。しかしながら、本作が見せる様式的な質や技法的要素はまさにカラヴァッジョ作品のうちに認められるものであり、それゆえにこの作品を本展覧会にぜひとも出展したいと考えました。本展覧会がこの作品に対するより深い理解と幅広い論議の場となり、また可能であれば研究シンポジウムなどを通じてこの素晴らしい真筆作品への正当なる評価が国際的な批評の場で高められることを願ってやみません。
本展日本側監修者 川瀬佑介(国立西洋美術館研究員)のコメント:
私は 2015 年の 11 月にヨーロッパ某所で初めて実見する機会を得た時、その質の高さと強烈なインパクトに瞠目しました。模写を通じてとてもよく知られた構図でしたが、本作が既知の作品のどれよりも優れていることは間違いなく、グレゴーリ氏の指摘する様式的特徴はカラヴァッジョの真作のそれに合致します。
本作は長い間個人コレクションに秘蔵され、2014 年の発表以降もそれを実見した人はほんの僅かしかいません。今回は、それを全世界に先駆けて日本の美術ファンの皆様にご覧いただくという、類稀な機会となります。カラヴァッジョが殺人を犯してローマを逃げた直後に描かれた、この作品の深い闇から、なにが浮かび上がってくるのか、是非皆さんの眼でご覧いただきたいと思います。
主催:国立西洋美術館、NHK、NHKプロモーション、読売新聞社
後援:外務省、イタリア大使館
協賛:損保ジャパン日本興亜、凸版印刷
協力:アリタリア-イタリア航空、西洋美術振興財団