開催時間 |
12時00分 - 18時00分
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入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
BAMI Gallery
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒600-8824 京都府
京都市下京区二人司町21番地 |
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最寄り駅 | 河原町 |
電話番号 | 075-754-8154 |
田村博文は1945年生まれの70歳。現在京都府乙訓郡大山崎町在住。1969年京都市立美術大学(現芸大)を卒業後、大手インテリアデザイン事務所にてデザイナーとして勤務し数々の商業施設プロジェクトに参加する。2002年、55歳の時、「もの創りをしたい!」という一心にてサラリーマン生活にピリオドを打ち、もの創りに専心すべく宇治田原町に工房を開設し、アーティストとして作品制作を開始する。
作品のテーマは一貫しており“石”であり、その石を田村博文は“木”で作り出すことを一貫した制作テーマに据えております。宇治田原の山奥のアトリエにて日々、石が川の流れで研磨され形作られていくかの如く、田村博文は木を削り出し続け“木の石”を創り続けてきました。この田村博文の“木の石”作品を、当BAMI galleryでは2009年2011年2012年と3回に亘り紹介し続けてきました。
本来第4回目の個展を2013年開催する筈でしたが、2013年9月16日発生の台風18号(一般には嵐山の増水がニュースの中心)により、それまで制作の全て(材料・道具・これまでの作品それら全て)を投じてきた宇治田原のアトリエが土砂崩れにより一夜にして雲散霧消と化してしまい、制作を一時中断する事を余儀なくされる状況となってしまいました。アトリエを無くし、それまで一貫して追い求めてきた“木の石”という作品テーマが制作上難しくなる中、失意の田村博文は、新たなもの創りの可能性と向き合う事になります。今出来る事、その中で、これまで追い求めてきた作品の魂を探し、現在生活している大山崎町の町営窯にてのセラミック作品の制作やその他素材においての可能性を力強く求めていきます。 2014年、新たな作品の可能性が見え出した頃、田村博文に再度試練が襲いかかります。肺ガンの発症。右肺2/3切除。以降、体調不良が事の他長引き、制作はまたしても中断。しかし、田村博文は決して諦めることなく制作できる身体へとリハビリを続けました。
2015年秋、全ての要件(体力・制作・作品)が揃い、企画が可能という事になり、今回の展覧会を開催させていただく運びとなりました。今展では、田村博文の生涯のテーマ“石”を主軸に据えてご紹介させていただきます。副題として
「それでも また 創りたいんや」
という意志を添えております。これまでとは違う“石”、様々な素材を駆使した“石”を現在の心境と重ね合わせて表現しております。 55歳にしてサラリーマン生活にピリオドを打ち、もの創りの世界に飛び込んだ新人。限られた残りの人生を石というテーマに注ぎ込み、老境に差し掛かった今、様々に押し寄せる苦難を見事跳ね除け、「それでも また 創りたいんや」という闘志ある信念を貫く作家の姿を是非ともこの機会に紹介いただきますようお願い申し上げます。