そこにある、時間―ドイツ銀行コレクションの現代写真

曹斐(ツァオ フェイ)「自分の未来は夢にあらず02」 2006年/120 x 150 cm/Cプリント© Cao Fei / Deutsche Bank Collection
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会 期
20150912日 -  20160111
開催時間
11時00分 - 17時00分
祝日を除 く水曜は20時00分まで/入館は閉館時刻の30分前 まで
休み
月曜日 (祝日にあたる9月21日 、10月12日 、11月23日 、1月11日は開館 )、9月24日、10月13日 、11月24日、年末年始 (12月28日-1月4日 )
入場料
有料
一般1,100円、大高生700円、小中生500円/原美術館 メンバーは無料、学期中の土曜日は小中高生の入館無料/20名以上の団体は1人100 円引
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
原美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
原美術館
住所
〒140-0001 東京都
品川区北品川4-7-25
最寄り駅
品川
電話番号
03-3445-0651

詳細

展覧会内容

紙の作品のコレクションとしては最高峰とされる、ドイツ銀行の現代美術コレクション約60,000点より、1970年代から最近にいたる写真芸術の魅力を、アジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパのアーティスト約40組60点の秀作で紹介いたします。本展は、「《時間》を切り取ってメディアに定着させる」という写真の性質を活かしたさまざまな表現を鑑賞することで、芸術表現としての《写真》の魅力を再確認していただく試みです。また、世界各国のアーティストたちが共通言語としての現代美術にいかに取り組んでいるのか、という点も本展の見どころです。ベルント&ヒラ ベッヒャー、アンドレアス グルスキー、ゲルハルト リヒターなど国際的に知られるドイツの作家たち。曹斐(ツァオ フェイ)、ヂョン ヨンドゥ、劉錚(リウ ジェン)など近年注目を集めるアジアの作家たち。
さらに、アフリカ・アラブ・東欧など、それぞれの文化的・社会的背景のもとで模索する作家たち。彼らの表現から、加速化するグローバリゼーションの流れの中にある現代の写真表現を展観する試みとなります。

本展の特徴の一つは、《写真 》の本質および芸術的 メディアとしての可能性を《時間 》という視点から検証 するところにあります。 現在の時間と過去の時間は おそらく未来の時間の中に現在し 未来の時間はまた過去の時間の中に含まれる。 あらゆる時間が永遠に現在するとすれば あらゆる時間は償うことのできぬもの。 T. S. エリオット『四つの四重奏 』(1935)第一部 「バートン・ノートン」より (引用元 :岩崎宗治=訳、岩波文庫、2011 年 ) 展覧会の英語タイトル「Time Present」は、上に引用 した T. S. エリオット(1888-1965、米→英 、1948 年 ノーベル文学賞 )の詩句から採 ったものです。上の引用で「Time Present」は「現在の時間 」と訳 されていま すが、引用箇所からもわかるとおり、エリオットは過去 ・現在 ・未来を区別 しない独特の時間概念を志向 し ており、それは哲学者アンリ ベルクソン(1859-1941、仏、1927 年ノーベル文学賞 )が「純粋持続 」と捉え た時間概念に通 じるものがあります。一般的 に私 たちの日常 の生活や社会活動は、《時計 》と《暦 》という 数値に還元 される時間とともにありますが、私たちの生にとって、《時間 》はもっと多様で複雑なものです。そ れゆえ哲学や芸術では、エリオットやベルクソンだけではなく、昔からさまざまな《時間 》を考察 してきました し、文化人類学や民俗学では、共同体 (集団 )における文化としての《時間 》も研究 されています。 一方、写真はそのメカニズム的特徴から言 って(アナログ・デジタルを問わず)、《時間 》を切 り取 ってイメ ージに定着するメディアです。写真が《撮影 》というアクションで切 り取る時間 といえば、シャッターを押す短 い《瞬間 》がただちに連想 されます。そして撮影 した《そのとき》と、出来上 がった写真 を見ている《いま、こ のとき》は、前者が《過去 》であり後者が《現在 》という絶対的な《時間差 》があります。写真を自 らの表現手 段 として使 うアーティストは、そのような写真 の性質を活 かして、さまざまな《時間 》のイメージを作品 として 提示 しています。同時に、そうした写真作品を見ることによって、すなわち、それぞれの表現の中にある《時 間 》を感 じ取ることによって、私たちは《時間 》を省察するとともに、芸術的 メディアとしての《写真 》の魅力を 再確認できることにもなるでしょう。
この世に《写真 》が誕生 して 200 年足 らず、この間に写真は生活と社会の隅々にまで浸透 しました。さら にこの 20 年足 らずの間にデジタル化が進行 し、写真は一層身近になっただけでなく、それなしの生活 も社 会 も想像できないほどになっていると言えます。私たちにとって《写真 》とは何なのか、それを再考するうえで も本展はよい刺激となることでしょう。

本展は、作品のメディアを《写真》に限定している一方で、出品アーティストの一覧を眺めるとかなりグローバルであることが特徴です。現代美術の領域でも、特に2000年以降、グローバリゼーションの流れは急速に進行した感があります。国際現代美術展としては世界最大級の規模で、100年以上の歴史を持つヴェニスビエンナーレも参加国数は増え続けています。本展出品のアーティスト約40組はアジア・アフリカ・アメリカ・ヨーロッパと多岐にわたっており、多様な文化的・社会的背景のもとで共通言語としての現代美術にどのように取り組んでいるのか、その点も本展の見所であるといえます。また、本展は、英語題名「Time Present - Photography from the Deutsche Bank Collection」として、アジア各国の美術館を会場とする国際巡回展です。2014年秋にシンガポール美術館で開催されたのを皮切りに、インド・ムンバイの国立近代美術館(2015年春)を経て、日本では東京・原美術館のみの開催となります。

【原美術館とドイツ銀行コレクション:二度目のコラボレーション】
企業が文化活動として行っている美術コレクションの中でも、ドイツ銀行コレクションは質量ともに世界屈指のものと言えます。原美術館では、2006年にも「舞い降りた桜ザハハディドとめぐるドイツ銀行コレクション」と題して、女性として初めてプリツカー賞を受賞した建築家ザハハディドの会場デザインにより、企画展を開催したことがあります。ドイツ銀行のコレクション活動は、偶然ながら原美術館創立と同じ年、1979年から始められました。世界各国に支店網を持つドイツ銀行は、現代美術コレクションにおいてもグローバルな視野で行っており、それは本展の内容にもうかがうことができます。出品作品そのような独特の視点で集められたコレクションの中から選りすぐった秀作ぞろいです。

【出品予定作家一覧】
シリン アリアバディ Shirin Aliabadi (1973~ イラン)
カデル アティア Kader Attia (1970~ フランス)
イト バラーダ Yto Barrada (1971~ フランス)
ベルント&ヒラ ベッヒャー Bernd & Hilla Becher (1931~2007/1943~ ドイツ)
ゾーラ ベンセムラ Zohra Bensemra (1968~ アルジェリア)
ジェラード バーン Gerard Byrne (1969~ アイルランド)
曹斐 (ツァオ フェイ) Cao Fei (1978~ 中国)
スーザン ダージェス Susan Derges (1955~ イギリス)
フィリップ=ロルカ ディコルシア Philip-Lorca diCorcia (1951~ アメリカ)
ハサン&フセイン エソップ Hasan and Husain Essop (1985~ 南アフリカ)
ギュンター フェルク Günter Förg (1952~2013 ドイツ)
ルイジ ジッリ Luigi Ghirri (1943~92 イタリア)
アンドレアス グルスキー Andreas Grusky (1955~ ドイツ)
シヴォーン ハパスカ Siobhàn Hapaska (1963~ 北アイルランド)
マチルド テル ハイネ Mathilde ter Heijne (1969~ フランス)
カンディダ ヘファー Candida Höfer (1944~ ドイツ)
オットマー ヘール Ottmar Hörl (1950~ ドイツ)
ヂョン ヨンドゥ Yeondoo Jung (1969~ 韓国)
イドリス カーン Idris Khan (1978~ イギリス)
ジェフ チェンシェン リャオ Jeff Chien-Hsing Liao (1977~ 台湾)
マルティン リープシャー Martin Liebscher (1964~ ドイツ)
劉錚 (リウ ジェン) Liu Zheng (1969~ 中国)
シャロン ロックハート Sharon Lockhart (1964~ アメリカ)
ボリス ミハイロフ Boris Mikhailov (1938~ ウクライナ)
フリオ セザール モラレス Julio Cézar Morales (1966~ メキシコ)
エイドリアン パチ Adrian Paci (1969~ アルバニア)
コーネリア パーカー Cornelia Parker (1956~ イギリス)
シグマー ポルケ Sigmar Polke (1941~2010 ドイツ)
ゲルハルト リヒター Gerhard Richter (1932~ ドイツ)
クラウス リンケ Klaus Rinke (1939~ ドイツ)
佐藤時啓 Tokihiro Sato (1957~ 日本)
ダヤニータ シン Dayanita Singh (1961~ インド)
トーマスト シュトルート Thomas Struth (1954~ ドイツ)
アネット シュトゥート Anett Stuth (1965~ ドイツ)
杉本博司 Hiroshi Sugimoto (1948~ 日本)
マッシモ ヴィターリ Massimo Vitali (1944~ イタリア)
やなぎみわ Miwa Yanagi (1967~ 日本)
朱加 (チュウ ジァ) Zhu Jia (1963~ 中国)

※作家の記載は姓のアルファベット順で「氏名 ・生没年 ・出身地

【出品作品数】
写真作品 約60点

関連イベント

□映像作品上映(予約不要、先着順)
 原美術館ザ・ホールにて、ドイツ銀行コレクションの中から、曹斐(ツァオ フェイ)、フリオ セザール モラレス、蔡國強(ツァイ グオチャンCai Guo-Chang)の映像作品を上映。合計3作品、約45分間。入館料のみ必要。
 会期中の水曜日(9月23日と12月23日はのぞく)、6:00pm~

□開催記念キュレータートーク(予約制)
 フリードヘルム ヒュッテ[ドイツ銀行グローバルヘッドオブアート]
 聞き手:安田篤生[原美術館]
 日時:9月12日[土]2:00-4:00pm
 場所:原美術館ザ・ホール
 入館料のみ必要。ご予約はe-mailにて、表題に[9/12トーク申込]、本文に氏名、ご連絡先電話番号、人数を明記し、event@haramuseum.or.jpまでお送りください。

□ワークショップ
 出品作家の佐藤時啓(2015年芸術選奨文部科学大臣賞受賞)による、親子で参加できる体験型ワークショップ。10月31日[土]原美術館ザ・ホールにて
 詳しい内容ならびに参加費、申込み方法については原美術館にお問い合わせください

主催・協賛・後援

主催:原美術館、ドイツ銀行
後援:ドイツ連邦共和国大使館

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