開催時間 |
11時00分 - 19時00分
最終日は17時00分まで |
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クリエイター在廊 |
有
9月7日、12日 |
入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
Gallery Q
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒104-0061 東京都
中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3F |
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最寄り駅 | 銀座 |
電話番号 | 03-3535-2524 |
2008年4月、田中正の前橋での初個展を見たときの衝撃を、今でもはっきりと覚えている。「風景と記憶」と題されたその古典には、ボールペンの線描に色鉛筆の着彩が施された独特の風景が並んでいた。それまでの廃材をコラージュした抽象画から一転、2年前から始めたスタイルだという。以来、前橋での個展には欠かさず見に行っている。
回を追うごとに彼の幻想は翼を広げ、色彩も豊かになり、絵の中の物語にも豊かな実りが視られるようになった。自然と一体となった巨人たち、地球を思わせる水色の球体、巨大な目、陸や木の上まで上がった舟。田中正の絵にあふれる不思議な世界の数々は、絵を読む楽しさを伝えてくれる。
2011年に第9回熊谷守一大賞展で優秀賞を受賞したことは、彼の絵が地方都市だけのものではないことの証明だったが、この度の第1回アートオリンピアでの金賞受賞は、世界の中でも共感を得られる質を持つことを示して見せた。とはいえ、彼の絵は高い天井の大きな壁に並べて人と競い合うものではない。版画や絵本のように手に取って一人静かに浸る世界である。そうすることで我々もまた田中正の絵画世界に住人になれるだろう。
染谷 滋(元群馬県立館林美術館館長)