吉田有紀展「DEATH IN LIFE」

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会 期
20150815日 -  20150912
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
日・月・祝
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
eitoeiko
情報提供者/投稿者
開催場所
eitoeiko
住所
〒162-0805 東京都
新宿区矢来町32-2
最寄り駅
神楽坂
電話番号
03-6873-3830

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

安保法案が可決され、日本は集団的自衛権の解釈から、戦争に自主的に参加する可能性のある国になりました。
将来、どういう形であれ、敵とされる誰かと命をかけなければならない日が来るとして、その被害にあうのが自分なのか、代わりに命を賭して日本という国を守ってくれる誰かなのかはわかりません。大きな痛手を他人に与え、血を流す以外に手段が無い状況で、これだけは勘弁してほしいことを考えるとき、脳裏に浮かぶのはもうすぐ2歳になる一人娘の顔です。子供ができるまでは、誰かの将来とか、地球の未来とか、自分が死んだ先に残る何かを考えることはありませんでした。原子力発電に利便の恩恵を感じ、中東やアフリカで起きる戦争を他人事に見て、自分にはかかってこない火の粉としていました。子供がいなかったら、9.11 も 3.11 もそのようにとらえ、今ほど未来への恐怖は感じなかったことでしょう。
 自分は生まれてきた娘を自分でも驚くくらいとても愛らしく感じています。無邪気で無垢でなにもわからず、ただ頼ってくる存在のある幸せと、背筋が寒くなるような不安。子供を持つ親に同じような気持ちがあると思うと、娘以外の子供も同様の目線で見るようになりました。この小学生が 30 歳くらいになるまでに、大人次第では徴兵や戦争やそういう事が起こらないとも限らない。また敵とされる国の日常にも可愛い子供がいて、未来に不安を抱えながら大人のおこした争いに巻き込まれ傷ついています。
 インターネットが発達し、良い意味でも悪い意味でも自己の存在を世間に晒すことができる世の中ができました。育児ブログや FB など、子供の意思に関係なく親や家族の幸せの証明としてインターネットに顔を出す子供はたくさんいます。これには違和感がありますが、平和で幸せをアピールしたくなる気持ちもわからなくもありません。同時に戦地のまっただ中である中東からは傷つき血まみれになった子供たちの写真がネットに流れています。毎日爆弾が自分の頭の上に降ってくるのではないかと息を潜める日々を送る子供と、平和で毎日安心して暮らすことができる子供。未来を担う一番大事なはずの存在と、現在の利便性や経済効率、面子や利益といったものの理不尽性をテーマにした展示です。

    吉田有紀

これまで無数の円球が描かれる「日本画」を軸に制作をつづけてきた作家による弊廊 3 度目の個展は、R・J・リフトン『ヒロシマを生きるー精神史的考察』(岩波書店・原題 DEATH IN LIFE)をふまえ、自己の体験から社会をみつめた平面作品、立体作品、光るオブジェを中心に発表いたします。

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オープニングレセプション 8/15(土)18時~20 時

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