開催時間 |
11時00分 - 19時00分
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休み |
日・月・祝
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
Gallery MoMo Ryogoku
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒130-0014 東京都
墨田区亀沢1-7-15 |
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最寄り駅 | 両国 |
電話番号 | 03-3621-6813 |
篠原愛は1984 年鹿児島県生まれ、2007 年多摩美術大学卒業、私たちのギャラリーでは昨年に続き2011 年以来4 度目の個展になります。2009 年の第28 回 損保ジャパン美術財団選抜奨励展をはじめ、グループ展に多数参加。近年は、園子温『毛深い闇』の装丁を手がけるなど活躍の場を広げているところです。
作品は人間や動物の腹部などが切り裂かれたイメージから死を連想させたり、グロテスクな印象を持たされたりしましたが、同時にそこには常に甦生するイメージがあり、根源的には生への慈しみと希望を内包させ、死よりも生への強い意志を感じさせる作品を生み出して来ました。
今展覧会の「夏の庭」と題された展示でも自然との共生と癒しの感覚を持ってそれぞれの作品が描かれ、取り分け夏という季節の持つ旺盛な生命力、命をはぐくむ自然の計り知れないエネルギーが描かれた動植物を通じて象徴的に展開されています。
今まで死を合わせて描くことで、篠原は生を強く表現してきましたが、新作の『ヘブンリー・ブルー』では、朝顔や昆虫などの動植物を雌雄の組み合わせで描き、「性」を題材とすることで、今展覧会のテーマである生命を表現しています。この作品では、はだけた着物から平らな胸をのぞかせ、人物を男女ともとれない両性具有的に描写することで、人物を中立的な存在にしています。また、左右の掌の差異、動植物、背景の柵など、それぞれにメタファーを内包しており、作品に対する即断を避けて対話
を求めるものになっています。
今展覧会の作品の多くに、生命の根源的な性を象徴的に描き、作品に奥行きを持たせています。日本のむせかえるような夏を肌で感じつつ、現実的な季節感と作品との共振を堪能していただければ幸いです。丁寧な鉛筆の線で油彩とは違う雰囲気を与えるドローイング5 点と、強いメッセージを感じる油彩7点による展示を予定しています。暑さに負けずご高覧いただけるよう切に願っています。
アーティストコメント
夏という季節に、長年魅力を感じてきた。
一年を通して自然の動植物たちの活動( 草木の生い茂る様、雌雄の繁殖活動、死骸から湧き出るバクテリアの分解速度、など) が最も活性化する時期。
じっとりとまとわりつくような夏の湿気、むせかえるような緑の中に身を置くと、自分と自然との境界線がなくなるような、共同体感覚におちいる。それはとても心地よく、「自分は生かされている」という事実を再認識させられる。
人が人を癒せないとき、自然が人を癒すことがある。
物質的豊かさ、利便性にあふれた現社会でも、人は自然の恩恵なしには生きていけない。
自然賛歌。自然を称え、一体でありたい、という思いが、今回の作品制作の動機となった。
2015 年 篠原 愛
オープニングレセプション: 2015 年8 月22 日(土) 18:00 〜20:00