ラビラント・キューティカ
会期: 2015-06-20 - 2015-07-26
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
漫画・アニメーション
イラストレーション
ミクストメディア
アクリル画
平面
現代アート
開催内容
■西ノ田 個展 『ラビラント・キューティカ』
会期: 6月20日(土)~7月26日(日)
開廊時間: 木曜~日曜 12時~19時
休廊日: 毎週 月・火・水曜
※時間外のご来廊に関しては代表者携帯電話までお問い合わせください。
会場: 創治朗 Sojiro -Contemporary Art Gallery-
664-0851 伊丹市中央6丁目1‐33 中本ビル2F
阪急伊丹駅より徒歩6分・JR伊丹駅より徒歩9分
tel:072-773-3910
080-1430-7911 (代表:田村孝次)
mail: gallerysojiro@gmail.com
web: http://gallerysojiro.wix.com/sojiro
【趣旨】
西ノ田 (Nishinoda b.1988) は京都市立芸術大学油画専攻科での在学時代にキャラクターイラストレーションの潮流を反映した絵画制作を研究し、卒業後はソーシャルゲームのキャラクターデザインやライトノベル装幀画等を職業として手掛けています。
絵画作家としては2013年より創治朗と活動を共にし、神戸アートマルシェ2013、ULTRA006・007 への出展、個展『Palm Rabbit』を開催しました。
今回の個展は初個展である2014年秋の『Palm Rabbit』とその後のアートフェア、グループ展での経験と評価を経て、作品づくりの中でアップデートされた要素を総括します。
西ノ田の出発点はイラストレーターであり、彼が手掛ける職業上でのイラストレーション分野には商業製品の素材となることから来る条件的制約と、画風においても全体の平均値のようなものが存在しています。
西ノ田の作品の美術的価値は、そのようなイラストレーションにおける平均値の枠組みから逸脱してしまう余剰的性質の方にこそ、作家の本質が多く反映されているという点です。
絵画制作において西ノ田がとる方法は、線描ドローイングが画面全体に展開することから始まり、モチーフの中心的位置となる少女キャラの姿もその<線の流れ>の中から浮かび上がってきます。
線そのものが生命力を発揮して背景描写の下地となる交錯した線の集合を描き出し、その分割面への着彩作業を経て、幾何構成/色面構成の方法に近いかたちで背景を成す紋様が造形され、そこに細部のディテールが加えられることで仕上がっていきます。
この方法には大いに即興的な面があり、設定・ディテールの優先度合いが大きいイラストレーションとは逆行するもので、ここにも西ノ田の<逸脱>がうかがわれます。
また素材面では、<デジタル=PC上でのデータ描画> を従来の <アナログ=生の画材> に対して特殊なものとしては捉えず、自身にとって最も自然に扱える技法としてデジタル作画を主に用いており、
その上でデジタル画を高精細にキャンバスプリントしたものへの手作業による追加制作や完全アナログの作品も交えての展示で、デジタル/アナログという、分断と対立で語られることが多い二元論をゆるやかに融和させ、イラストレーションの文法を飛び越えデジタル作画を柔軟に駆使して、いま現在アクチュアルな<絵画>とは何か、その可能性を探ります。
今展の題名 「ラビラント・キューティカ」 は、ほぼ造語に近く、西ノ田の作品に頻出するいくつかのモチーフを含意しています。
“ラビラント” は迷宮を意味する ラビリンス のフランス語発音であり、作品の背景にある紋様状の建物などの描写、そして同時に “ラビット” の音も重ねており、絵の中に出てくるウサギ耳の少女の存在を仄めかします。
“キューティカ” は英語の cute に、その性質を持つものを表す接尾辞 -ica が付加されており、上記2語の組み合わせで、かわいい姿の少女キャラの背景で謎めいた迷宮が渦巻く作品世界を反映しました。
この機会にぜひご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
■西ノ田 プロフィール
1988 京都生まれ
2012 京都市立芸術大学油画専攻科 卒業
[主な展覧会]
2010 「wassyoi #」 (0000Gallery / 京都)
「exhibition – Finai」 (大丸心斎橋店 / 大阪)
「Wassyoi +」 (0000Gallery / 京都)
「カオス*ラウンジ(春)」 (ビリケンギャラリー / 東京)
「西ノ田×ひるき×竹村文宏 未確認飛行三人展」 (京都2012 「カレンダー展」 (ubeful / 京都)
2013 神戸アートマルシェ (神戸メリケンパークオリエンタルホテル)
ウルトラ006 (青山スパイラルガーデン / 東京)
2014 個展 「Palm Rabbit」 (Antenna Media / 京都)
ウルトラ007 (青山スパイラルガーデン / 東京)
2015 「プラレシオ」 (Antenna Media / 京都)