舟越 桂  私の中のスフィンクス

《荒れ野で見る夢》2013年 個人蔵 Courtesy of Nishimura Gallery (C) Funakoshi Katsura
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会 期
20150627日 -  20150830
開催時間
10時00分 - 18時00分
※金・土曜日は夜間開館(午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで
休み
月 ※ただし7月20日(月・祝)は開館、翌21日(火)休館
入場料
有料
一般1,300(1,100)円、大学生900(700)円、高校生・65歳以上650(550)円、中学生以下無料
※( )内は、前売および20名以上の団体割引料金(高校生・65歳以上は前売なし)
※障がいのある方とその介護の方1名は各当日料金の半額(65歳以上を除く)
※割引を受けられる方は、証明できるものを持参のうえ、会期中に美術館窓口で入場券をお買い求めください。
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
兵庫県立美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
兵庫県立美術館
住所
〒651-0073 兵庫県
神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 [HAT神戸内]
最寄り駅
岩屋
電話番号
078-262-1011

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

舟越桂(1951 年盛岡市生まれ)は、今日の日本を代表する具象彫刻家であり、その彫刻は内外で高い評価を得てきました。
大理石の玉眼を使った木彫半身像は、繊細な表情を捉え、静謐で瞑想的な雰囲気を湛えています。それは、なによりもまず、ボディ全体を表現の根幹とする西洋的な規範から距離を置く独自の彫刻の構築でした。このような肖像性に突出した舟越の彫刻ですが、1990 年代の半ば頃から、ヤヌスや双頭、山をダブル・イメージさせる体など、異形の姿が頻繁に現れます。舟越は、そこに豊かな意味を込め、表現の拡充を図りつつ、顔と半身の関係性、全体の統一性といった造形的な課題に取り組んできたのです。
さらに、2004 年の裸体像によって、顔に焦点が当たる従来の表現と、ボディを表現の核とする西洋的な規範の両方を統合する方向に進みはじめました。それを集約的に行ったのが、翌年からの〈スフィンクス・シリーズ〉です。半人半獣の姿であるスフィンクスをモチーフにした同シリーズ以降、その異形性についてもより大きく展開され、より豊かな世界を開示しつつあります。まさに舟越の円熟を示すものといえるでしょう。
本展覧会では、以上の流れを踏まえた上で、〈スフィンクス・シリーズ〉をひとつの核とし、それ以前からの異形の流れを追い、さらに、最新作も加えて、舟越が追究してきた造形の核心とその魅力に迫ります。

1:1980 年~ 1993年
舟越桂の彫刻は、肖像性が高い胸像に代表されます。とくにその肖像性は、大理石の玉眼を使った頭部に集約されます。両眼を少し外に向けることで、鑑賞者と目が合うことはありません。それによって、彫刻があたかも遠くを見つめているような効果が生まれるのです。
まだ玉眼が入っていない《「会議」のための習作》(1980 年)を導入部とし、上に述べた舟越桂のスタイルが確立された時期の彫刻として、《ルディーの走る理由》(1982 年)などを展示します。
本展覧会では、2 期、3期との連続性を考えて、比較的モデルの個性が強く出ていない、一般性の高い人物を扱った彫刻を選んでいます。この期では、9 点出品予定。

2:1996 年~ 2003年
第1 期にあたる1992 年の彫刻《遅い振り子》にすでにその片鱗が見られるように、第2 期になると、舟越桂の作品には、胴体に大きな特徴が現れてきます。胴体を山に見立てたり、ひとつの胴体に二つの頭部を取り付けたり、様々な変形が施されるのです。
このことによって、頭部と胴体はより一体感が生まれるとともに、様々な造形的可能性が開かれます。こうした異形性は、次の第3 期においてより本格化することになります。
この期の作品としては、9 点の出品予定。

3:2003 年~現在
第2 期と第3 期の境にあたる2003 年制作の《夜は夜に》は、動物の耳をした、動物と人物の混交で、2005 年から始まる〈スフィンクス・シリーズ〉を予感させます。このシリーズに代表されるように、第3期は、異形性が強まり、そうした異形の姿によって人間という存在は何かと問いかけが高まっているのでしょう。
同時に、2003 年からは裸体が主となります。裸体表現は、ボディを具象彫刻の基本ととらえる西洋の彫刻観を示しています。そうした西洋的な彫刻と、これまでの頭部に集約されてきた自身の表現とをどのように統合させていくかという大きな課題に舟越は取り組んでいるのです。まさに彼の芸術の円熟期といえるでしょう。
この期には、新作を含む12 点の出品を予定しています。

4:素描・版画
素描は、大きく2つに分けることができます。まず、彫刻制作のための、彫刻の大きさに近いサイズのワーキング・ドローイングです。もうひとつは、様々なアイデアを具体化するための素描で、とくに異形性がよく表されたものを出品します。なお、スケッチ・ブック、挿画として描いた素描、二重性を主題にした素描なども含まれています。
作者自身が重要な表現と考えている版画も、数点出品する予定です。

関連イベント

以下の会場に巡回します。
群馬県立館林美術館 2015年9月19日(土)~ 12月6日(日)
三重県立美術館 2016年2月9日(火)~ 4月10日(日)
新潟市美術館 2016年4月23日(土)~ 6月26日(日)

■記念講演会
 講師:舟越 桂
 6月27日(土) 午後2時~(約90分)
 ミュージアムホールにて 聴講無料(定員250 名・要観覧券、整理券)
 ※当日午前11 時からホワイエにて整理券を配布予定

■映画上映会「≒(ニアイコール) 舟越桂」
 8月9日(日)午後2時~(126分)
 ミュージアムホールにて 入場無料(定員250名、要観覧券) 
 制作:2004年 監督:藤井 謙

■おやこ解説会 
 7月11日(土) 午後1時15 分~(約30 分)
 レクチャールームにて 聴講無料(定員100 名)
 対象:小学生とその家族

■こどものイベント「スフィンクスに会いに行く日」
 8月16日(日) 午後2時~4時
 アトリエ2・展覧会会場にて 参加費100 円(定員30 名)
 対象:小・中学生とその保護者(※高校生以上は別途観覧料が必要)
 お申込み:7/16(木)午前10 時から電話にて受付。先着順
 お問い合わせ:こどものイベント係 TEL 078-262-0908

■学芸員によるギャラリー・トーク
 7月11日(土)、7月 25日(土)、8月 8日(土)
 午後4 時~(約60 分)
 会場入口に集合 聴講無料・要観覧券
 ミュージアム・ボランティアによる解説会
 会期中毎週日曜日 午前11 時~(約15 分)
 レクチャールームにて 聴講無料(定員100 名)

主催・協賛・後援

主催:兵庫県立美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
後援:公益財団法人 伊藤文化財団、兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会
協賛:ライオン、清水建設、大日本印刷、損保ジャパン日本興亜
企画協力:西村画廊
協力:ホテルオークラ神戸

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