開催時間 |
12時00分 - 19時00分
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休み |
月、火
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クリエイター在廊 |
有
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
Gallery Forgotten Dreams
gfd@pf7.so-net.ne.jp 03-5809-8217 |
イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒135-0021 東京都
江東区白河1-3-21 2F |
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最寄り駅 | 清澄白河 |
電話番号 | 03-5809-8217 |
温かな光に満ちた世界。
笑顔と愛と歌と(そして美味と)が画面から溢れ出してくる。
Yogyami(ヨギャミ)は大阪府に生まれた日本人女性作家である。
だが、その活動は日本という枠に収まるものでは無かった。
学校を卒業した後、イタリア・フィレンツェの修復工房に入り、モザイクを中心とした制作を行なっていた。
さらにその後日本に戻ると、アメリカと日本で活躍する壁画家のアシスタントとして働くこととなる。
そうした経験を通じて、異なる文化・価値観を目の当たりにし吸収していくことにより、独自の感覚・センスが磨かれていった。
その、言わば「修行時代」にはあまり積極的な制作活動は行なっていなかった。
転機となるのが、今回の表紙・DM掲載作品でもある「キラキラCUBE」である。
2011年のシェル美術賞に応募すべく久々に本格的な制作を行なったこの作品がめでたく入選。
引き続き翌2012年のシェル美術賞、FACE2013へと立て続けに作品を制作・応募し、見事に連続して入選を果たすこととなった。
FACEでは、居並ぶ大作の中オーディエンスから高い評価を受けるなど、一気にその存在感を高めている。
彼女の作品のベースはしばらく暮らしたイタリアの街の風景である。
それ程高くない建物が隙間無く建ち並び、細い街路を隔ててそれが折り重なっている。
きっちりと揃えられてはいないのだけれど、小気味良いリズム感と全体的なテイストの統一感によって、街並みとしては美しくまとまりを見せてくれる。
そんなイタリアの街並みをきっちりと描きつつ、そこに加える色彩は現実とは全く異なる鮮やかな色をさまざまに用いぶつけている。
しかし、天性の色彩感覚の鋭さにより、画面からはむしろ品格を感じさせてくれる。決して煩くなったりどぎつくなったりすることは無いのだ。
細かいところまでしっかりと描く作風ながら、油彩一本で勝負していることもその質感を高めている要因の一つである。
そんな作品を観ていると、思わず気分が浮き立ってくる。
夜景の作品でも、街全体が浮かび上がるかのような温かい空気を生み出している。
ほとんどの場合彼女の作品に人物が描かれることはない(特に最近は全く無くなっている)。
しかし、そうした表現により、人物を描かなくとも人のぬくもりを感じさせてくれ、イタリアの人々が生活のモットーとしている ”Amore,Cantare,Mangiare”(愛と歌と食と)そのものの楽しく朗らかな情感が伝わってくる。
しかも彼女の作品は皆周囲が裁ち切られるように切り落とされている。
それは画面の範囲内に収まり完結してしまうこと無く、世界がその外側に繋がっていることを示している。
それによって、画面に描かれている以上のものを表現しようとしているのだ。
爽やかな日差しが降り注ぐ日中は、街の外、一段と低いところにあるひまわり畑とその間を流れる川からゆるやかな風がささやくように街を吹き抜けていく。
ぼんやりと街灯が点り出す夕刻になると、もっと丘の上の方にある教会から鐘の音が穏やかに響き渡り、仕事の終わりを告げ楽しい夕餉へと人々を誘っていく。
そうしたイタリアの人々の暮らしや、彼らの大事にしている日本とはちょっと異なる時間や空気を、実際にそこに行ったことの無い者にでも想像させ「体験」させてくれる。
Yogyami作品の魅力の根幹はそこにある。
作品を壁に飾れば、そこが窓になり空間と時を超えてイタリアへと繋がり、わずかに土の香りのする乾いた風がふわりと吹き抜けていくのを感じることができるだろう。
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