開催時間 |
10時00分 - 18時00分
最終日15時00分まで |
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休み |
月
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入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
相模湖交流センター
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒252-0171 神奈川県
相模原市緑区与瀬259-1 |
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最寄り駅 | 相模湖 |
電話番号 | 042-682-6121 |
変化し続ける複数の作品群、映像作品、さらには撮影に使用した改造カメラ等、新進気鋭の写真家・白井晴幸の多岐にわたる写真へのアプローチを総括して展示する、白井晴幸展「どろん景」を開催いたします。
会場は高尾駅から一駅、緑豊かな相模湖の湖畔に立つ神奈川県立相模湖交流センターアートギャラリー。200 平米ある広い空間を白井晴幸の作品が埋め尽くします。
会期中 12 月 7 日には多摩美術大学・武蔵野美術大学などでも教壇をとる写真史家・大日方欣一氏とのトークイベントを開催。さらに、「うずしお」シリーズでベルリン国際映画祭短編部門に 2 年連続ノミネートされている映像作家・川本直人とのトーク及び上映イベントも開催いたします。
1.「どろん」
改造した大判カメラを撮影に使用し、レンズとフィルムの受光面の間に可動式のスリットを取り付け、それがフィルムの表面を移動しながら露光する装置を取り入れた作品。
露光中に静止していた被写体のみを再現し、運動する被写体を歪ませ、消去させる。撮影された1枚の画像は写真機を介した撮影の成果であるものの、撮された現実が記憶とは異なる再現を果たす。
2.「ASKS NEW THEATER スパイカメラ」
浅草は六区にあった、とある映画館はホモの痴漢、スリ、日雇い労働者や老人のたまり場であり、日活映画を毎週上映している貴重な劇場である。スパイカメラと称した被写体に気づかれぬ装いでカメラを隠し、
撮影に臨んだものである。「ASKS NEW THEATERスパイカメラ」は闇に隠れたアウトサイダーたちのささやかな楽しみをドキュメンタリーしたものである。
3.「図鑑」
図鑑に載った写真は一義的なまなざしで、ある特定の言語にのみ呼応するような「振る舞い」wp持っている。本来、写真はそれを見つめる個々人において解放されている。
「図鑑」は図鑑に載った写真が持つ独特な「振る舞い」を言葉から切り離すことで写真を解体し、再現したものである。
4.「invisible man」
「invisible man」は正体不明ななにかとの遭遇であり、実際に存在した部族をモデルにしながら、場所も時代も超えて、物語を拡張し、事実とはまた別の時間を想像した。
地球の裏側の、失われた部族の史実とは異なった、もう一つの物語を創り出し、想像力でその中へ旅する。「invisible man」とは、彼らが写真をみた者の想像力の中にしか存在しないという意味であり、また、同時に妄想の中を旅する作者自身である。
5.「日/光」
眼は光の下の形を見るために出来ている。何かを見るときには常に光があり物質がある。それぞれの光がそれぞれの物質に干渉することで、ものの見え方が生まれてくる。つまり私たちが記憶に立ち返り一つの風景を思い出すとき、
そなわちそれは光を思い出しているということであるのだろう。
光を吸い込んだ風景の、ふと立ち竦むような瞬きの感動は、この一瞬が記憶となって消え、二度と繰り返すことのない光の痕跡である。
2014年12月7日(日) 観覧自由・予約不要
第一部15:00~16:30 ■写真史家・大日方欣一×白井晴幸 ※トークイベント
第二部17:30~19:00 ■映画作家・川本直人×白井晴幸 ※上映&トークイベント
◆大日方欣一[おびなた・きんいち]
写真史家。東京都生まれ。多摩美術大学映像演劇学科・武蔵野大学映像学科・日本写真芸術専門学校・桑沢デザイン研究所などで非常勤講師。写真関係の執筆・展覧会企画等多数。編書『大辻清司の仕事1946-1999』(モール写真パラダイム・パラダイス研究所、2000)、『大辻清司の写真──出会いとコラボレーション』(光田由里との共編、フィルムアート社、2007)。その他、多木浩二と大島洋の共編『世界の写真家101』(新書館、1997)に執筆者として参加、『日本の写真家101』(新書館、2008)では山田脩二らの解説文を執筆。
◆川本直人[かわもと・なおと]
映画作家。広島瀬戸内海生まれ。多摩美術大学を卒業。海を撮影したフィルムにシネカリクグラフィーを施し、時間の拒絶を試みた『渦潮』(8㎜)、続いて『渦潮』(16㎜)が第62回、第63回ベルリン国際映画祭短編部門に連続入選。その他「小津国際短編映画祭」(イタリア)、「Festival Imago」(キューバ)、「等々力国際映画祭」(東京)等各地で招待上映される。生まれ故郷である瀬戸内海で『瀬戸田映画祭』を毎年開催している。