窓の外、恋の旅。 -風景と表現

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会 期
20140927日 -  20141130
開催時間
10時00分 - 17時00分
入場は16時30分まで
休み
月曜日(ただし月曜日が祝日の場合は翌火曜日)
入場料
有料
一般500(400)円、大高生300(240)円、中学生以下無料
※同時開催「芦屋の歴史と文化財」展の観覧料も含む
※( )内は20名以上の団体料金
※高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方ならびにその介護の方は各当日料金の半額になります。
〇観覧料無料の日:11月15日(土)、16日(日)「関西文化の日」
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
芦屋市立美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
芦屋市立美術博物館
住所
〒659-0052 兵庫県
芦屋市伊勢町12-25
最寄り駅
芦屋
電話番号
0797-38-5432

詳細

展覧会内容

古来より、いつの時代も人々は、花見や紅葉狩りなどで季節を楽しみ、名勝地や景勝地の風景を愛で、海や川、空の色合いの美しさや山並みの雄大さといった自然美や都市の情景など、生活の中にある風景を享受しながら、四季折々の風景を楽しむことで日々の暮らしに彩りを添えてきました。
そのような居心地のよい風景は、天災や人災などで一瞬にしてなくなってしまうことがあります。故郷や思い出の景色、ありふれた日常の風景は、失って初めて大切さを知ることになるかもしれません。
 本展では、「風景」をテーマに、絵画、映像作品、写真作品とあわせ、文学の一つである詩を展示します。芦屋ゆかりの画家である小出楢重や吉原治良、村上三郎や写真家のハナヤ勘兵衛らの作品とともに、国内外で活躍する下道基行(美術家/写真家)、林勇気(映像作家)、ヤマガミユキヒロ(美術家)ら若手作家3名と、日本を代表する詩人の谷川俊太郎の作品を展示します。絵画や映像、写真の作品とあわせて文学の一つである詩を展示し、美術と詩の関係をさぐりながら、近現代の風景表現の流れを見ていきます。そして、我々をとりまく環境と改めて向き合いながら、かけがえのない存在である風景の力を感じていただきたいと思います。

絵画、写真、映像、そして詩。-新作を中心に

本展では、絵画や写真、映像、詩による作品約40点を展示します。
日本の近代洋画を代表する小出楢重の自然を捉えた風景画、具体美術協会(具体)のリーダーであった吉原治良のシュールレアリスム的イメージの風景画、昭和・平成を通して活躍したハナヤ勘兵衛の叙情的な風景写真、具体メンバーの村上三郎による、“額縁のフレームを松の木からぶら下げ、日常の風景をトリミングして鑑賞する”コンセプチュアルな作品などを展示します。
現代美術では、“日曜画家であった祖父が描いた作品を探す旅で出会った作品を取り巻く人々とその風景を作品にした”下道基行、“現実世界の物質を写真におさめ、それらを切り取りパソコン上で合成したアニメーション映像として新たな風景を作る”林勇気、“ランドマークのある風景を細密に描いた上に同所で撮影した映像を重ねるキャンバス・プロジェクションのスタイルで制作する”ヤマガミユキヒロら若手作家が作り出す作品を展示します。
 さらに、あわせて、絵本やエッセイ、翻訳、脚本、作詞など幅広く作品を発表し、近年では詩の可能性を広げる新たな試みを行っている日本を代表する詩人の谷川俊太郎の詩を展示します。
 当館の所蔵作品とともに、本展のために新しく制作された作品や書き下ろしの詩、新たに構成された作品などから風景表現の世界を紹介し、風景と人間の関係性を見ていきます。

キーワードは「恋」。
 ありふれた事柄も恋をするときらきらと輝きが増し楽しい日々、そんな経験をしたことがあるでしょう。目に触れるもの全てが素敵に見えてくる、そんな魔法の鍵の一つである「恋」。歩きなれた道や見慣れた風景も、視点が変わることで様々な事柄に気づき、多くの感動に出会えることがあります。また、「恋」には、植物や土地、季節、過去の時など、彼方に存在する対象を慕う心の意味も持っています。
 彼らが生み出した風景の中を歩くことで、みなさんが今まで出会った、これから出会うかもしれない風景へと思いを馳せていただきたいと思います。また、本展が心の風景を追想することができる一つの窓として、また、これから出会う新たな風景への旅の一歩としていただければと考えます。

出展作家
下道基行 (1978年-)
岡山生まれ。美術家/写真家。武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。写真や文章を表現手段に、モノ/コトの残り方/消え方や、目の前に広がる風景の在り方に興味を持ち、旅やフィールドワークをベースに、展示や出版等で表現を続けている。

谷川俊太郎 (1931年-)
東京生まれ。詩人。1952年、詩集『二十億光年の孤独』でデビュー。鋭い感受性を的確なことばで表現した作品群で、新鮮な衝撃を与えた。翻訳、劇作、絵本、作詞などジャンルを超えて活躍。読売文学賞、日本翻訳文学賞、野間児童文芸賞、萩原朔太郎賞、鮎川信夫賞ほか受賞多数。

林勇気 (1976年-)
京都生まれ。映像作家。1997年より映像作品の制作を始める。1999年から2002年まで、映像作家 大木裕之の作品に参加。国内外の美術展や映画祭に出品。 自身で撮影した膨大な量の写真を、コンピュータに取り込み、切り抜き重ね合わせることでアニメーション作品を作る。宝塚大学造形芸術学部准教授。

ヤマガミユキヒロ (1976年-)
大阪生まれ。美術家。京都精華大学美術学部卒業。都市の景色をビデオなどでスケッチし、絵画や写真、映像など対象に合わせたメディアを用いて表現。絵画と映像を使用したキャンバス・プロジェクションという手法で風景の印象の作品を制作する。

小出楢重 (1887年-1931年)
大阪生まれ。洋画家。1919年二科展で「Nの家族」が樗牛賞受賞。1923年二科会会員となる。翌年、洋画家の鍋井克之らと共に大阪で信濃橋洋画研究所を創立。1926年芦屋に転居、翌年アトリエを構え、裸婦像を中心とする油彩画やガラス絵、挿絵などを手がけた。

ハナヤ勘兵衛 (1903年-1991年)
大阪生まれ。写真家。本名桑田和雄。1929年、芦屋市に写真材料店を開店。翌年、彼の店に集った人々により芦屋カメラクラブが結成された。写真家として活躍するとともに、小型カメラの開発やアマチュア写真の育成に力を注ぐなど、その活動は多岐にわたった。

村上三郎 (1925年-1996年)
兵庫生まれ。美術家。1952年、白髪一雄、金山明らと「0会」を結成、翌年、吉原治良と出会い1955年具体美術協会に参加。ハトロン紙を袋貼りにした屏風を身体でつき破る作品によって新境地を開く。その後、観念的な作風を示す一方、能動的な絵画も制作、国内外で多数作品を発表した。

吉原治良 (1905年-1972年)
大阪生まれ。前衛画家。中学時代より油絵を独習後、洋画家上山二郎に兄事する。藤田嗣治の勧めで出品した第21回二科展で初入選。戦後は二科会再建参加や芦屋市美術協会結成、現代美術懇談会発足など関西の前衛画壇をリードした。1954年具体美術協会を結成、20世紀後半で最も重要な美術運動の一翼を担った。

関連イベント

■街歩き「作者と巡る風景」
 日時:10月25日(土) 13:00~17:00 ※事前申込制
 講師:ヤマガミユキヒロ(美術家)
 訪問先:阪神間の名所(西宮・芦屋などを予定)/定員:20名
 参加費:300円(資料、保険代等)(予定)
 ※申込方法:芦屋市立美術博物館へお電話ください。10月1日(水)より受付開始。定員に達し次第締切。

■ワークショップ「展覧会の風景」
 日時:10月26日(日) 14:00~16:00 ※事前申込制
 講師:中辻悦子(造形作家)
 会場:体験学習室/定員:20名(小学生以上)
 参加費:無料(ただし要観覧券)
 ※申込方法:往復はがきにてお申し込みください。10月15日(水)必着。応募者多数の場合は抽選。
  往復はがきに参加希望者全員の氏名(2名まで連名可。お子さまは年齢・学年も)、代表者の住所・電話番号と希望のイベント名を明記のうえ芦屋市立美術博物館までお送りください。応募者多数の場合は抽選、申し込み締め切り後、応募者全員に返信します。

■アーティスト・トーク
 日時:①11月9日(日)、②11月16日(日)、③11月23日(日・祝) いずれも 14:00~15:30
 講師:①林勇気(映像作家)/②ヤマガミユキヒロ(美術家)/③下道基行(美術家/写真家)
 会場:講義室/定員:90名
 参加費:無料(ただし要観覧券)

■ギャラリートーク
 日時:10月11日(土)、11月1日(土)いずれも 14:00~15:00(予定)
 講師:当館学芸員
 参加費:無料(ただし要観覧券)

■ミュージアムコンサート「ノルウェーの自然をこよなく愛したグリーグの“歌曲とピアノ曲”の調べ」
 日時:11月2日(日)14:00~15:30
 演奏:I LOVE ASHIYA/会 場:講義室/参加費:無料(ただし要観覧券)

主催・協賛・後援

主催:芦屋市立美術博物館
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞、NHK神戸放送局、FM802、
    Kiss FM KOBE、ジュンク堂書店芦屋店
協力:Gallery PARC、京都芸術センター制作支援事業

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