開催時間 |
12時00分 - 22時00分
最終日17時00分まで |
---|---|
休み |
木
|
入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
Gallery near
|
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒606-8227 京都府
京都市左京区田中里ノ前町34-2 珠光ビル百万遍B1F |
---|---|
最寄り駅 | 元田中 |
電話番号 | 075-708-8822 |
この展覧会は、はじまりとおわりを繰り返す日々とまだ見ぬ未来に想いを馳せるという意味でこのタイトルとしています。
今回の展示作家は、物事を客観的に見つめ、風景のように描くという点において共通しています。静かで強い、絵画としての佇まいをどうぞお楽しみ下さい。
少女表現を主なテーマとし、時代性だけでなく人間の持つ真理や死生観に向き合い作品展開を行っている大槻香奈は、国内、海外で数々の展覧会に参加し、日本では年に約1度のペースで個展を開催しております。キャッシュカードなどの券面デザイン、映画の劇中絵、書籍、ポスター、CDジャケットなどにも作品を描き下ろすなど、近年、活動の幅は広がるばかりであります。
絵画、イラストレーション、グラフィックデザイン、映像、音楽などさまざまな表現手法を用い、深遠で広大ながら、無常感、孤独感を感じさせる世界を表現する中村至宏は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしてCD作品や、フライヤー、ポスターなどへのアートワークの提供、音楽ユニット「Calmloop」として音源の発表といった自身の作家活動に加え、イラストレーションやデザインの制作、作品や自主商品を扱うショップ、イベントの企画などを行うレーベル運営、作家のプロデュースまでも手がけ、その多彩な才能による活動の幅は多岐にわたります。
永井綾は、平面作品を中心に、目に見えるありのままの世界を、独自の視点と繊細な感受性で形にしており、主に動植物、またはそれらを連想させるモチーフを描き出しております。
本展は、今年3月に広島の「galleryG」で開催され、好評を得た3人展「滅んでゆく、朝焼け、いつか」に新作を交えた巡回展となっており、また、あらたにゲスト作家である「弓葉」を迎えて構成されます。物事を客観的に捉え、第三者の視点から風景を描くかのように画面を表出する姿勢は、出展作家全員に共通しており、画面と対峙すると、作家自らも当事者であり得るような表現に感じつつも、もう一人の自分をどこかに置き、画面の中の出来事を、まるで他者であるかのような冷静な視線で見つめ、分析している印象を受けます。同年代の作家3人が表出する世界は、時に退廃的かつ幻想的で、掴み所のないあやふやなものを捉え、非現実的な描写を織り交ぜつつも、そこには作家が現代社会において感じた確実なリアルが内包されております。ある種の畏怖をも感じさせる画面は同時代性を垣間見せるだけでなく、作家それぞれが自らの内面と対峙し、人間真理を追究することで生まれる「純粋な絵画」として新たな側面を見せ始めます。そんな3人の作家の中に一人、高校生である作家「弓葉」を迎えることで、純粋絵画としての佇まいは、より一層色濃いものとなっていきます。内に抱える感情や自身の置かれた状況を様々なモチーフに宿らせ描き出す弓葉は、今回が作家として初の発表の機会ということもあり、最も直感的で素直な表現を表出していると言え、高校生でありながらもその高い画力に加え、画面に表れる説得力を帯びた表現は精彩を放っております。弓葉のような自身の内面を純粋に正直に描く新たな風が加わることで、巡回展ながらも広島での3人展とはまた違った印象を受ける内容となるのではないでしょうか。
はじまりとおわりが繰り返される日々の生活の中で、新たな希望を見出し、そして、未だ見ぬ未来に思いを馳せるという意味を内包させた本展タイトルからも、作家達の繊細な心情が窺い知れます。現代に生きる誰もが感じる無常感や虚無感、焦燥感といったものを同じように感じつつも、それらを客観的に見つめ、自身の表現に置き換える行為は、作家達にとって幾度となく繰り返される自己との対峙の末に辿り着いた達観の境地のようにも思えます。そうして生まれた純粋な絵画達は、本展4名の作家の内面を代弁するかのように、もの静かに、そして力強く我々に語りかけてくるのであります。
クリップした展覧会はありません。