小島一郎 北へ、北から

下北郡大間町 1961年 個人蔵 © Hiroko Kojima
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会 期
20140803日 -  20141225
開催時間
10時00分 - 18時00分
10時00分~17時00分(9・10月)
10時00分~16時30分(11・12月)
※入館は閉館の30分前まで
休み
水(8/13は開館)
入場料
有料
一般800円(700円)、高・大学生400円(300円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金 
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
IZU PHOTO MUSEUM
情報提供者/投稿者
開催場所
IZU PHOTO MUSEUM
住所
〒411-0931 静岡県
長泉町東野クレマチスの丘347-1
最寄り駅
三島
電話番号
055-989-8780

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

― 故郷青森と東京のはざまで―

小島一郎(1924-64)の没後50年となる展覧会を開催いたします。青森市で玩具と写真材料を扱う商店の長男として生まれ育った小島は、父親の影響で写真を学び、写真雑誌などで作品の発表を始めます。津軽や下北の日常的な風景を題材としながらも、当時の主流だったリアリズム写真と一線を画した造形感覚と詩情あふれる作品は早くから注目されました。

1958年、報道写真の先駆者・名取洋之助の強い後押しによって東京で最初の写真展「津軽」を開催し、写真家として順調なスタートを切りました。
1961年、プロの写真家を目指して上京、二度目の個展「凍ばれる」を開催しましたが、郷土を題材として世に出た小島にとって異なる環境での撮影は困難を極めました。東京での後ろ盾であった名取の死も重なり青森に帰郷した小島は、北海道での撮影に再起を賭けるものの、度重なる過酷な撮影から体調を崩し、39歳の若さで急逝しました。

本展では小島が写真の編集と作品紹介用に制作した「トランプ」と呼ばれる名刺サイズの写真の展示をはじめ、東京で開催された個展「津軽」と「凍ばれる」の一部再現を行い、青森と東京のはざまで揺れ動いた小島の心情と名取の影響下にあった制作過程に焦点を当てながら小島が抱え込んだ「北」の意味を問いかけます。2009年の青森県立美術館での回顧展で再評価された小島一郎の新たな側面をご紹介します。

小島一郎の「トランプ」

小島一郎は名刺サイズに引き伸した写真の束をよく持ち歩いていました。写真仲間に批評を求めたり、編集の検討をするためだったようです。小島の胸ポケットから出てくる小さなプリントを仲間たちは親しみを込めて「トランプ」と呼んでいたといいます。コンタクトプリントよりも大きいため、カットが判別しやすく覆い焼きも可能なサイズでした。また、ネガの整理や編集者などへプレゼンテーションのために「トランプ」を台紙に貼付けたアルバムを制作していました。

個展「津軽」と「凍ばれる」からさらなる「凍ばれる」地へ

「岩波写真文庫」の調査のため青森を訪れた名取は、小島の作品を「この作者は異常性格だ」と高く評価したようです。名取の強い後押しにより、1958年に東京・銀座の小西六フォトギャラリーで小島の初めての個展「津軽」が開催されます。土門拳が牽引するリアリズム写真旋風が吹く中での出来事でした。「津軽」は写真を一点一点で見せるのではなく、読む写真としての「組写真」を提唱していた名取の影響を垣間見させる120点ほどのパネル展示でした。名取は展示の方法やセレクションについて積極的に助言を行っただけでなく、展示設営の際に足を運び、言葉も寄せています。若くして才能を認められた小島は、この3年後東京での活動に踏み切ります。

1961年、小島は家族とともに上京、「下北の荒海」でカメラ芸術新人賞を受賞すると、翌年に2 回目の個展「凍ばれる」を富士フォトサロンで開催。中間調の出ないミニコピーフィルムを用いるなど複雑化した技法と造形的要素を強めた下北の写真が眼を惹きま
す。東京での個展はいずれも故郷・青森で撮影されたもので、東京を主題としたものは『カメラ毎日』に発表された「東京の夕日」だけでした。
大きな後ろ盾であった名取の死もあって、東京での活動に行き詰まった小島は青森に帰郷、北の大地・北海道の撮影に挑みます。
この時北海道で撮影したネガは見つかっていません。度重なる過酷な撮影で体調を崩していた小島は「最近シャッターを切れなくなった」、「想像していた以上に北海道は広かった」と友人に語っていたといいます。

関連イベント

【トーク・イベント】 「小島一郎をめぐって―北を編む」
 2009年に青森県立美術館で開催された「小島一郎北を撮る」展で提示された問題系を引き継ぎながら、
 小島一郎にとっての「北」の意味を問う。
 出演者:大島洋(写真家)、北島敬三(写真家)、倉石信乃(明治大学教授)、高橋しげみ(青森県立美術館学芸主査)、
      小原真史(当館研究員)
 日時:9月28日(日) 午後2:30-4:00
 会場:クレマチスの丘ホール(美術館隣接特別会場)
 参加無料(当日有効のIZU PHOTO MUSEUM 入館券が必要です。)、定員100名。
 お電話でお申し込みください。Tel. 055-989-8780

【ギャラリートーク】
 学芸員が展覧会解説を行います。
 日時 :8月30日(土)/10月25日(土)/11月15日(土)/12月20日(土) ※各回午後2:15-( 約30分)

 無料、申し込み不要(当日有効の入館券が必要です。
 美術館受付カウンターの前にお集まりください)。

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