水野健一郎展 「MICROFICTION 2014」

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会 期
20140110日 -  20140216
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
月 - 木
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unseal contemporary
03-5641-6631
情報提供者/投稿者
開催場所

詳細

展覧会内容

水野健一郎は、自分の原風景であるとみずから語るテレビアニメのイメージにこだわり、それをさまざな手法とメディアで反復しながら再構成している作家です。作家が原風景を再構成するのは、それが自分にとってどういう意味を持っていたのかを探り当てようとする試みですが、水野の場合はそれにとどまらず、再構成によって、二次元的な物語的風景、あるいは図像が持っている潜在的な可能性をどう引き出すかという実験的なこころみでもあります。ただこの作家にとって実験とは、ただ実験のための実験(方法のための方法)というものではなく、どこかで自分のカタルシスや解放感と接続する可能性を探るためのものであり、切実さを持ってます。
水野の作品が、一見すると無機的で抽象的な印象を与えながら、私たち内部の感情や情動に触れてきて、ある親しみを感じさせるのはそのためです。現在、アニメに触発され制作している作家たちが多いわけですが、これは稀なことで、この作家の
資質に加え、制作することの「切実さ」から生み出されているものだと感じます。

今回の展示は、時間のファクターを取り込んだ新作アニメーション制作へのプロセスを開示する作品群(ペインティング、ドローイング、アイデアスケッチなど)で構成されますが、二次元平面とアニメーションが交錯して生み出される可能性を、ちょうど作家の脳内を覗き込むような感覚で体験していただけるでしょう。
どうかご期待ください。

[ステーツメント]
私の作品は「自身の原風景であるテレビアニメの世界観を脳内で再構築し様々な手法でアウトプットしたもの」と説明されてます。その「世界観」を明確にするために、かつては既存のアニメをモチーフにしたこともありました(1999年~2005年)。
しかしそれは「引用」と紙一重であり、別の意味(誤解)を生んでしまいます。私の目的は無意識にすり込まれた「影響」の作品化です。そのためにまずはモチーフとなるアニメを自分で作ることにしました。物語のアイデアは1999年頃から書きためてます。その中から2012年にネーム(漫画のラフな下書き)として視覚化させた『NININ』(ニニン/出会い系三部作第三弾)をアニメ化することを目指します。今回の個展は、その物語の世界を想像し断片的に切り取った作品を展示します。言わば『NININ』というアニメーションの存在を仮定したプレ創作展です。仮定の先に想定される完成への過程を拡張し、パーソナル・リアリティーへと近づけるのです!

※物語について

雑念を排除するために物語を作ります。それは雑念そのものと向き合う行為でもあります。私の場合雑念とは主に生き辛さから来るネガティヴなもの(怠惰、不安、恐怖、嫉妬)なのですが、それを物語に変換することにより苦悩を客観視することができます。物語はいったんネームにし、最終的にはアニメ化します。しかしここではアニメーションとしての作品は重要ではなく、目的ではあってもそれは副産物に過ぎないという意識のもとで作業を進めます。これは純粋で切実な自分をあぶり出すためには今のところ最も有効な手段なのです。

水野健一郎

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オープニングパーティ 初日18:00~20:00

平均:0.0 
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