中村至宏 下田ひかり 大槻香奈 3人展 「言葉のうまれる前に」

  • 印刷する
会 期
20131025日 -  20131113
開催時間
12時00分 - 22時00分
最終日17時00分まで
休み
入場料
無料
この情報のお問合せ
gallery near
情報提供者/投稿者
開催場所
cafe dining near
住所
〒606-8227 京都府
京都市左京区田中里ノ前町34-2 珠光ビル百万遍B1F
最寄り駅
元田中
電話番号
075-708-8822

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

絵画、イラストレーション、グラフィックデザイン、映像、音楽などさまざまな表現手法を用い、深遠で広大ながら、無常感、孤独感を感じさせる世界を表現する中村至宏は、イラストレーター、グラフィックデザイナーとしてCD作品や、フライヤー、ポスターなどへのアートワークの提供、音楽ユニット「Calmloop」として音源の発表といった自身の作家活動に加え、イラストレーションやデザインの制作、作品や自主商品を扱うショップ、イベントの企画などを行うレーベル運営、作家のプロデュースまでも手がけ、その多彩な才能による活動の幅は多岐にわたります。

子どもをモチーフとしながら、現代社会の人々が抱えている問題をテーマにペインティングを制作し、日本独自の「イラスト」表現をベースに、可愛いさと恐ろしさが同居する世界を展開する下田ひかりは、書籍の装丁に作品が使われるなど、10代、20代の若年層を中心にネットを通じて国内外にファンを持ちます。2011年4月にニューヨークのFoley Galleryにて開催された個展は好評を博し、日本のみならず、海外でもその知名度を上げております。

少女表現を主なテーマとし、時代性だけでなく人間の持つ真理や死生観に向き合い作品展開を行っている大槻香奈は、国内、海外で数々の展覧会に参加し、日本では年に約1度のペースで個展を開催しております。キャッシュカードなどの券面デザイン、映画の劇中絵、書籍、ポスター、CDジャケットなどにも作品を描き下ろすなど、近年、活動の幅は広がるばかりであります。

本展は「言葉のうまれる前に」と題され、各作家それぞれの作品の中から選出された、大小様々な作品で構成されます。
本展ステイトメントにもあるように、この3名の作家に共通するのは、それぞれが現代に抱く「無常観」であり、そこから生み出される表現において同時代性を垣間見る事ができます。「無常観」とは、仏教において「すべての存在するものは絶えず移り変わっているとする人生観であり世界観」と説き、「無常観に基づく苦」という事実を受け入れ、かつ、前向きに生きていこうとする力、生き方そのものを本当の「幸せ」とする教えであります。
「永遠」を追求し、そこに美を感じ取る西洋の姿勢に対して、日本人の多くは移ろいゆくものにこそ美を感じる傾向を根強く持っているとされており、桜や紅葉を愛で、情緒や風情といった移りゆく季節を大事にする日本人は、この「無常観」を本能的に感じ取っており、古来より培ってきた日本人特有の美意識ではないでしょうか。そういった日本人が持つ美意識の背景からも、3名の作家の「無常観」を携えた絵画表現が多くの人の共感、支持を得ているのもうなずける要因であり、時代を見据える視線、そして、何度も反芻される思索の賜物によって生み出される表現は、確かな技術に裏打ちされ、更なる高みに上りつめていくようであります。

現代を生きる上で、少なからず時代性の影響を受けつつも、その枠に囚われず、「人が生まれてそこに存在していること」そのものを表現することが、3名の作家に見られる近年の姿勢であり、精神性・神秘性を内包した「生命」そのものを追求する表現であると言えるのではないでしょうか。人類が存在する限り永遠不変に繰り返されるであろう生命のサイクルと、その過程で抱く「無常観」。言葉を持たなかった幼き時代の、純粋にそこに存在していた自分自身と、言葉を備えたのちに表現される作品の数々によって浮き彫りとなる、作家自身の過去と現在の境界は、現代が抱える新たな問題の提起として画面に映し出されているようでもあり、この時代を生きる為の大きな気付きを与えてくれるようであります。

                                                              gallery near 延近 謙

■ ARTIST STATEMENT ■ 中村至宏・下田ひかり・ 大槻香奈 3 人展「言葉のうまれる前に」ステイトメント

中村至宏・下田ひかり・大槻香奈は共に80 年代前半生まれの美術作家である。
これらの作家が生み出す絵画表現は、それぞれが抱える「無常観」によって支えられている。
価値観は三者三様でありながら、作品群を通して観れば同時代性が余韻として残るだろう。
戦後・震災後の日本社会の中に生き、それぞれに様々な想いを抱えているが、この三人には共通して、その時代性とは関係のない「人が生まれてそこに存在している事」そのものを、ありのままに描こうとする姿勢が見られる。
それはまるで、言葉を知る前の自分自身に振り返るようでもある。
純度の高い作品群から、時代の空気の中に取り残された「私」の一部分を見つける事が出来るかもしれない。

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。