中比良 真子 展 「Transparent room」

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会 期
20131011日 -  20131023
開催時間
12時00分 - 22時00分
最終日は17時00分まで
休み
※10 月17 日( 木) は定休日のため休廊
入場料
無料
この情報のお問合せ
gallery near
情報提供者/投稿者
開催場所
cafe dining near
住所
〒606-8227 京都府
京都市左京区田中里ノ前町34-2 珠光ビル百万遍B1F
最寄り駅
元田中
電話番号
075-708-8822

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

景色はどこまでも続いている。見えていないだけで、視覚や意識を通り越した遠くまですり抜けて行く。
窓から窓へ通り抜けて行く途中の小さくはかない空間と、その先にあるどこまでも広がっていく風景を描いている。
                                                         中比良 真子

2013年10月11日(金)から10月23日(水)までの12日間、gallery nearにて、中比良 真子 展「Transparent room」を開催いたします。スタンダードな油彩技法ながら、その洗練された美しい描写、また、日常を繊細に切り取る視線は、もはや中比良の代名詞となり、2008年に出展したアートフェア「ART OSAKA」で大絶賛されて以降、年を追うごとにその評価を着実に上げ、全国的に注目を集めてまいりました。作家としてのキャリア10年目を迎える現在に至っても、その独自のスタイルは変わることなく更なる進化を遂げようとしており、約1年ぶりの個展となる本展において発表される新シリーズに期待が集まります。

中比良は、自らの表現をいくつかのシリーズに分けて制作しており、いずれも画面に描き出されるものは、何気ない日常の光景、中比良自身の生活の中で拾い上げたひとコマであります。近年のシリーズでは、2012年1月に当ギャラリーの個展でも展示された、水面に映る景色と実際の風景を反転させた、自らが水のシリーズと呼ぶ、「The world turns over」をはじめ、風景の中から人のみを抜き出し、場面を描いた「over there」、鳥の目線から俯瞰した世界を描いた鳥瞰図「bird eyes」といった白のシリーズ、夜の街の光景を描き、無数に輝く夜景の光を地上の星と捉えた「stars on the ground」、また、それらひとつひとつの光を構成する住居の窓に焦点を当て、窓から漏れる光景を描いた「On the way home」といった黒のシリーズなど、表現しようとするテーマによって画面へ対峙する印象を変えながらも、その眼前に広がる日常と非日常の境界のような世界観に魅き込まれていきます。ひとつひとつのテーマがシリーズとして枝分かれしつつも、全てのシリーズは中比良が紡ぐひとつの物語で繋がっているようでもあり、毎日を過ごす中で、通り過ぎていきがちな些細な出来事(風景・事象・心象)を繋ぎ止めるかのように描き、中比良の関心がそれぞれの作品に色濃く反映していると言えます。

中比良は、普段我々が目にする何気ない光景の中に潜む、見過ごしがちな一瞬の風景を敏感に察知し、写真に収めます。写真から描き起こされる写実的な描写と、意図的に削ぎ落とし、デフォルメして描かれる部分が1つの画面に混在しており、現実と虚像の世界を巧みに組み合わせることにより、写実表現だけにとどまらない独自の表現を確立しております。多くの人が見ているようで見ていない、あるいは見ようとさえしていない日常における風景を、中比良はその繊細な感性により拾い上げ、画面に落とし込む事で、作品と対峙する鑑賞者の意識下に普段から能動的に思考する事を誘導しているようでもあります。表層に見えるものだけが全てではなく、あえて描かない部分を加えることにより、我々に多様な解釈をもたらし、中比良が表現しようとする現実世界の不確かさを更に如実にしていくのであります。

本展は、今回新たに制作されたシリーズで「Transparent room」と題され、全て新作の展示となります。また、gallery “ S ”では、同じく「窓」をテーマとしたシリーズ「On the way home」の展示も同時開催いたします。「On the way home」は、前述したとおり、夜景の光を構成する住居の窓に焦点を当て、窓から漏れる光景を描き、「Transparent room」では、風景の一部である建物の窓から、更にその先に見える窓越しの風景を描いており、両シリーズに通底するのは、窓越しに見た誰かの日常、確かに存在するはずの風景であります。しかし、現在の場所から見えるものは限られており、窓の向こう側に存在する景色は現実なのか虚像なのか、視覚や意識を通り越した先にあるものは不確定でありながらも、曖昧だからこそ託せる希望や温もりがあることを示唆してくれるようであります。中比良はこうした不安定で不確定な現実世界の中にある風景を描くことで、より確かで丁寧な日常を見出し、凄まじいまでの速さで過ぎていく現代社会に生きる我々に、本当の意味での「日常」を取り戻させてくれるようであります。
                                                            gallery near 延近 謙

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