開催時間 |
12時00分 - 22時00分
最終日17:00まで |
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休み |
木
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入場料 |
無料 ※会場はカフェ店内となりますが、1 オーダー制ではございません。ギャラリーのみのご利用もお気軽にご来場ください。 |
この情報のお問合せ |
gallery near 075-708-8822
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒606-8227 京都府
京都市左京区田中里ノ前町34-2 珠光ビル百万遍B1F |
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最寄り駅 | 元田中 |
電話番号 | 075-708-8822 |
2013年5月10日(金)から5月22日(水)までの12日間、gallery nearにて、Ardyce 展「ひらく」を開催いたします。
Ardyceは、自身が所属するクリエイターグループの企画展「Marbland」を、2007年から毎年のペースで開催し、また「GEISAI」などのアートイベントに多数出展するなど、グループ展を中心に作家活動を続けてまいりました。2011年にはイタリア人投資家のアートコレクター、ジャン・ピゴッツィ氏が主催する日本の現代美術を紹介するコレクション展、「Japigozzi コレクション『JAPANCONGO』」(Le Magasin -フランス国立現代アートセンター / フランス・グノーブル )にも出展し、その出展作品など数点が、パブリックコレクションとして収蔵されております。
Ardyceは、主にアクリル絵具を用い、脱力した女性が水中や空中に浮遊しているような作品や、口と目を大きく見開いた顔が画面を埋め尽くすなど、一見奇抜にも見える作風で鑑賞者を惹きつけます。全体的にふくよかにデフォルメされた女性をモチーフに、そのユニークな画面構成、構図により一度見ると忘れない強烈なインパクトを与える表現でありながらも、画面からは優しさやユーモアが滲み、穏やかな印象・安心感を与えると共に、《異形と安らぎ》という相反するものを同時に内包する絶妙な表現に、爽快な違和感を感じます。「Happy Mountains」、「Relax」、「HIKARI」(全て2012年)など、作品タイトルもポジティブなものが多く、画面の表現からだけでなく、それらも穏やかな印象を抱かせる1つの要因として作用しております。情報過多な現代において複雑に入り乱れた社会、感情から自身を解放し、無駄なものを削ぎ落としたシンプルな表現を追求する中で、Ardyceにとっては過剰な描き込みや、複雑なマチエールは必要ではなく、女性のふくよかさから連想される温和さや穏やかさ、丸みを帯びた自然な
フォルムだからこそのシンプルさを重視することで、それらが放つ包容力が、作家自身は元より、見るものの心をも解放し、作品と対峙するしばしの時間、混沌とした社会から距離を保ってくれているようであります。
本展は、2011年から2013年までの作品を中心に、大作から小作品まで「ひらく」をテーマとした作品で構成されます。
《『ひらく』という言葉から着想し、あらゆるしがらみのようなものから〈解放・開放〉された世界を描いています。》と作家のステイトメントにもあるように、Ardyceが現代に対して感じる「本当に私たちは便利で豊かになっているのだろうか?」という疑問を自問することで、本当の豊かさを導き出すきっかけとして、〈解放・開放〉された世界を描き、社会に対しても「本当の豊かさとは何か?」を訴えかけてきます。
インターネットの進化により、我々の生活が便利になればなるほど、弊害も多く生まれ、社会の歪みはより深くなっていくばかりです。強迫的に情報を追うことで精神は揺らぎ、物事を悲観的に捉えてしまうことも多く、自我をコントロールすることが難しくなっているのではないでしょうか。
そんな現代社会が生み出した歪みを揶揄するかのように、Ardyceの表現は、よりシンプルに、解放的に変化し、モチーフにふくよかな女性を描くことで、現代に生きる疲弊した我々を、母親のような無償の愛をもって、包み癒してくれるようでもあります。凄まじいスピードで過ぎていく現代の時間に逆らうかのように、画面の女性はゆるくふわふわと浮遊し、時間や情報に縛られがちな我々を嘲笑しているようにも見えます。むしろ、そのような考えすら問題ではなく、ただ、流れに身を任せ、垂れ流される情報に翻弄されることなく、自分らしく生きることを導いているのかもしれません。
gallery near 延近 謙
ふくよかな女性や丸みのあるものを主に描いています。顔や体の印象から受けた感覚を広げ、自由で解き放たれた世界観をベースに置いています。そぎ落としたシンプルな画面の中に様々なものを想い起こさせる色彩、表現を目指し制作しています。
今回の展覧会では『ひらく』という言葉から着想し、あらゆるしがらみのようなものから〈解放・開放〉された世界を描いています。
私たちは年を経るにつれあらゆる知識がつき、インターネットなどの飛躍的な進化で非常に便利で豊かな社会で暮らしています。
ですがその反対に、いつも何かのフィルターを通してしか生きれないようになっているようにも感じます。私自身、日常や制作を通して度々そのような思いに駆られることがあり「本当に私たちは便利で豊かになっているのだろうか?」という疑問を突きつけられます。
デジタルな世界とは真逆のもっとシンプルでもっと本質的な作品を作ろうと思い立ったのはそのような経緯からです。
混沌とした社会、知識からも解き放たれ、心を開き鑑賞する作品が必要だと感じています。シンプルで開いた世界をどうぞ堪能し楽しんで頂けたらと思います。
Ardyce