サイモン・モーレイ「シックス・ホールズ」

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会 期
20101113日 -  20101211
開催時間
13時00分 - 19時00分
休み
休廊: 日・月・祝
クリエイター在廊

12/11
この情報のお問合せ
タグチファインアート 03 5652 3660
情報提供者/投稿者
poster
開催場所
タグチファインアート
住所
〒103-0023 東京都
中央区日本橋本町2-6-13山三ビルB1F
最寄り駅
三越前
電話番号
03-5652-3660

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

サイモン・モーレイは1958年イギリス、イーストボーン生まれ。
1980年にオックスフォード大学マンスフィールドカレッジで近代史を学び、1998年にロンドン大学ゴールドスミスカレッジで芸術学修士を取得。現在はフランスのアリエとイギリスのウインチェスターを拠点に活動。
今年は主に韓国に滞在して制作しています。作品制作のかたわら、グラスメアのワーズワース・トラスト(イギリス)やローマのブリティッシュスクール、プーゲ・レ・オー現代美術センター(フランス)、京畿クリエイションセンター(韓国)など各地のアーティスト・イン・レジデンスにも積極的に参加、キュレーターとして多くの展覧会を企画してきました。また様々な美術雑誌に論文を執筆、さらに美術史の研究書「Writing on the Wall - Word and Image in Modern Art, Thames and Hudson, 2003」を著わすなど、その活動は多岐に及んでいます。

言葉とイメージ

 或る単語や文章を象徴的な字体(字体にはそれぞれ歴史的意味があります)で、キャンバスの上に散りばめて描く「ウイルス」、歴史上の人物の署名を拡大して壁に直接描く「署名ペインティング」、展覧会で使用される作品キャプション(ラベル)を描いた「ラベル・ペインティング」、書籍の表紙あるいはタイトル・ページをキャンバスに描く「ブック・ペインティング」、映画のDVDのジャケットや字幕付きのスチールを描く「DVDペインティング」、実際に使用された絵葉書をキャンバスに描く「ポストカード・ペインティング」、墓石の写真と単語とを組み合わせた作品、詩の一節を人々に発音させ、彼らの口元をクローズアップしてスローモーションで再現したヴィデオ作品、ユートピア・プレスという名で自ら出版する書籍など、モーレイの仕事は常に言葉とイメージとの関係を主題にしています。

シックス・ホールズー6つのお堂

 今回展示する作品は、韓国の中央部にある海印寺(かいいんじ、へインサ)に現存する、あるいはかつて存在したお堂の名称をモチーフにした水彩画です。モーレイは韓国の京畿クリエイションセンター滞在中に身近に見つけた枯れた枝や草花を並べ、アルファベットの文字でお堂の英語名を形作り、それを忠実に原寸大で水彩画で描写して作品としました。
 普段暮らしているヨーロッパから遠く離れた韓国の地で、西欧人としての自分のアイデンティティーを見つめ直したときに、彼がターナー以来の英国の水彩画の伝統を意識したり、モデルを忠実に描く北方ルネッサンスから続くリアリズム絵画の手法を採用したのはとても自然なことでした。
 また、彼の興味を惹き付けたのは、その歴史的な意味よりもむしろ、それらの名称が英訳されたときにもつ詩的な性質です。例えば「大寂光殿」は英訳されると"Hall of Silent Light(ホール・オブ・サイレント・ライト)" ですが、ホールという場所を表す言葉とライトという捉えどころのないものとの結びつきは、西欧人であるモーレイにとても不思議な印象を与えるものでした。

見ることと読むこと

 洋の東西を問わず、文字は初めそれが示すものの形を簡略化した象形文字から始まりました。したがって、それらを見ることと読むことは、ほとんど同時におこなわれる一体化した行為でした。文字の抽象度が増すにつれて、それらは違う行為として分離していきます。
 ハングル文字はアルファベットと同じ抽象度の高い表音文字で、それが読めないモーレイにとっては、単なる直線と曲線のグラフィカルなパターンにしか見えません。本来表意文字である中国語や日本語の漢字やひらがなも異なる文化圏に属するモーレイの
眼には、木切れの様々なパターンのアレンジメントと大差なく写ります。彼はそれらを読むのではなく見るのです。それとは逆に、もともとの植物の形態をとどめる木切れを使い、慣れ親しんだアルファベットで言葉を形作ったときに、それはどう見えるのだろうか。今回の作家の制作の動機はここにあります。

 今回のタグチファインアートでの展示は、昨年の「ヒッチコックの女優たち」に続き、サイモン・モーレイの日本での5度めの個展となります。是非ご高覧下さい。また展覧会最終日12月11日(土)午後5時より、作家を迎えレセプションをおこないます。

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