松山 賢展 「生きものカード(甲虫)」

  • 印刷する
会 期
20130118日 -  20130303
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
月-木
この情報のお問合せ
unseal contemporary
TEL 03-5641-6631
情報提供者/投稿者
開催場所
unseal contemporary
住所
〒103-0002 東京都
中央区日本橋馬喰町 2-5-17 (1F奥のスペース)
最寄り駅
馬喰町
電話番号
03-5641-6631

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

 かって松山 賢は、作品の制作動機を聞かれたときに「自分が作りたいものを作っている」と答えたことがあります。作家として極めてシンプルな解答です。しかし現代美術の世界にあってこの姿勢を貫くことはさほど簡単なことではありません。ここ日本では、欧米のトレンドをどう追うか、あるいはどう新しさを演出するかがまず問題となるような状況は現在でも大きくは変わっておらず、作家たちが自分の内部の制作動機にどこまでも忠実であることは難しいからからです。

 しかし、松山は制作を始めた時から既にこの縛りから自由な作家でした。この作家の規範は徹底して個人主義的なものであり、自分の「見ることの快楽」に忠実であろうということに置かれていたのです。この徹底性は、たとえば性的欲望の対象としての女性の身体を、立体であれ、絵画であれ、さらにはインスターレションであれ、多様な形式を使いながら執拗に、反復して表現し続けてきていることに現れていて、現在の美術シーンを見ても稀な試みだといわなければならないでしょう。

 ただし、松山の作品は「見ることの快楽」が三重になっていて、シンプルでありながらも必ずしも単線的ではありません。まずはじめに欲望の直接的な発露であるリアルな対象を見ることの快楽がきます。しかしその欲望も対象も不断に移りゆき、はかないものであるために、次にその二次的な代替物としての作品が見ることの快楽の対象として設定されます。考えてみれば、これは洋の東西を問わず美術作品の普遍的なあり方(からくり)に他ならず、その意味で、たとえ扱う素材が今風のポップな女性アイコンであったとしても、松山の作品は極めてオーソドックスであるとも言えます。最後に、この美術のあり方に松山が自覚的、方法的であることがきます。つまりこの作家は「見ることの快楽」のからくりを見る者に体験させることで、あらためて私たちの内部にあるその快楽を指し示そうと試みるのです。

 しかし、人間にとって見ることの快楽は性的欲望に限定されているわけではなく、自然の造形物だったり人工物だったりするわけですが、現に松山も、昆虫や動物、あるいは動物の骨、オモチャなどを対象として取り上げています。また、最近では上にあげた「見ることの快楽の二重性」そのものに焦点をあてたより自覚的な試みにも積極的に挑戦しています。皿に盛られた絵の具をひたすら写実的に描いた近作『絵の具の絵』では「見ることの快楽」を見る者に一つの謎としてコンセプチュアルに問いかけるものです。

 本展では、立っている甲虫と女性をテーマにした新作中心に構成されます。
 どこまでも内部の欲望、快楽に忠実でありながら、その戦略的な問い返しに挑む松山の作品世界をぜひご高覧ください。

                                   Director 森岡 光

[作家ステーツメント]

 幼少の頃に、自分とクワガタが手をつないでいる絵を描いたことがあった。クワガタは自分と同じ大きさで、背中を前に向けて立っていた。背中側の見えている方が、自分にとっては前だ。
 子どもの絵の発達段階において、それぞれの事物が客観的な大きさで描かれない時期がある。自分の関心があるものが大きく描かれ、関心のないものは小さく描かれる。家は自分より小さく描かれ、飼っているイヌや自分は大きく、父親が小さく描かれ、あるいは描かれなかったりする。
 子どものころに描いた絵を思い出し、それを今の描写で描いたらと、描き始めたのが、立っている甲虫のシリーズになる。自分(男の子)は女性に変わり、甲虫には模様が入ったりする。
 今回の個展は、甲虫シリーズの新作、彩色をほどこした鉛筆画の連作5点、S100号(162×162cm)、欲望という名のシリーズのうち甲虫が描かれている油彩画など、8点ほどで構成される。

                                        松山 賢

関連情報

オープニングパーティ 1月18日(金) 18:00~20:00

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。