開催時間 |
11時00分 - 19時00分
土曜日 -17:00 |
---|---|
休み |
日曜日
|
この情報のお問合せ |
Oギャラリーeyes
TEL:06-6316-7703 |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒530-0047 大阪府
大阪市北区西天満4-10-18 石之ビル3階 |
---|---|
最寄り駅 | 淀屋橋駅 |
電話番号 | 06-6316-7703 |
[作家コメント]
直島のガソリンスタンドでの一場面。トラックの窓越しに雪が舞っていて、その日の空は厚く、重く、いかにも雪が降りそうだったのと、以前ガソリンスタンドの社長の息子と昔の直島は雪がよく降り、つららが張ったことについて話していたのが、ふと思いうかんだものだから、すっかりその気になって「初雪だ!」と言ったら、それは風に舞う葦の綿帽子だった。珍しく張り上げた声が冬の空に吸い込まれていったのだった。「そういえば、葦はイネ科の植物だから今頃種をつけるんだったっけかな」とぼんやりと考えながら、満タンになった灯油を荷台に載せ家路についた。
もし、直島が積雪5メートルでガソリンスタンドが跡形も無く雪で埋め尽くされ、一面白銀の世界になり、1年後ふと思い出して、そのできごとを伝えようと思っても、明日には雪はとけてしまうことがわかっていて、月並みな表現しか出てこないと思う。僕にとってはガソリンスタンドでの一瞬で平凡なできごとの方が大切で、同じような平凡なできごとと一緒に思い出しては反芻している。例えば世の中に無数にある平凡な事象を「できごと」とするならば、無数にあるできごとは空間中に充満していて、壁も人も音速で通り抜けることができて、もしかしたらあの時、冬の厚く重い空を支えていたのかもしれない。
なんてことを思ってしまった。