田名網敬一個展 新作アニメーションとドローイング

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会 期
20120707日 -  20120805
開催時間
11時00分 - 19時00分
日曜 11:00-18:00
休み
月曜
クリエイター在廊

7月7日
この情報のお問合せ
NANZUKA
Tel 03--3400-0075
情報提供者/投稿者
開催場所
NANZUKA
住所
〒150-0002 東京都
渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
最寄り駅
渋谷
電話番号
03-3400-0075

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

Nanzukaは、田名網敬一のアニメーションとドローイングによる個展を開催いたします。本展は「Red Colored Bridge(赤い太鼓橋)」と名付けられた新作のデジタルアニメーションと田名網の創作活動の原点とも呼べる膨大な数のドローイングからなる二部構成となる予定です。

田名網敬一は、1936年東京に生まれ、武蔵野美術大学を卒業。1960年代初めより、グラフィックデザイナーとして、イラストレーターとして、そしてアーティストとして、メディアやジャンルに捕われず、むしろその境界を横断して精力的な創作活動を続けてきた唯一無二のアーティストです。田名網は、在学中の1958年に日宣美(日本宣伝美術会Japan Advertising Artists Club)特賞を受賞し、卒業後の60年代半ば以降はサイケデリックカルチャーやポップアートの洗礼を受け、映像作品からシルクスクリーン作品、ペインティングから立体作品と幅広い創作活動を続けて参りました。特に、60年代後半のアンディ・ウォーホルとの出会いに触発され、現在に至るまで「アートとデザイン」、「アートと商品」、「日常と美の関係」といった今日の現代美術が抱える主要な問題に対して実験的な挑戦を試み続けています。

田名網の映像作品の歴史は古く、1965年に開催された草月アニメーションフェスティバル65’に、最初のカラーアニメーション「仮面のマリオネットたち」(35mm)を発表して以後、50本以上のアニメーションや実験映画を製作発表しています。田名網の映像への感心は、「動く絵」の商業化を開拓し続けた手塚治虫への尊敬の念と、アンディ・ウォーホルやジョナス・メカスといった同時代の前衛アーティストたちの動向に影響を受けています。時間を造形する、メディアを横断する、可能な限り多くのオーディエンスにアプローチするといった映像作品の新しい可能性は、田名網の抱いたアーティスト像に最も馴染みやすいメディアであったと言えます。田名網が輩出した教え子に、束芋の存在がいることも、田名網が「芸術としての映像」に重点を置いていることの表れと言えるでしょう。

今回発表する新作のデジタルアニメーション「Red Colored Bridge」は、「この世とあの世を渡すクロスポイントとしての橋」についての田名網の様々な考察を表した映像作品です。「橋が内包する深遠で神秘的な世界は、私に複雑怪奇な謎を投げ掛ける。俗なるものと聖なるものの境界であり、今の世界と死の世界を分けるのが橋だとすれば、その一方で出会いの場所と言うこともできる。橋の向こうから幽かに響く歌声は誰が歌っているのだろう。その姿を見極めたい。橋の下にひっそりと広がる無限の暗闇、底知れぬほどの謎を秘めた神秘的異空間への興味は尽きる事がない」と解説しているように、田名網にとって赤い橋は、近年の田名網にとってそのイマジネーションの大きな原動力となっています。例えば、ここには田名網が幼少期に経験した戦争を連想するモチーフが幾多に込められています。光を放つ奇怪な生き物は、擬人化した爆弾と爆発の光。縦に伸びるビーム光は、アメリカの爆撃機を探す日本軍の放つサーチライト。画面中に登場する骸骨姿のモンスターたちは、戦争で傷ついた人々であり、同時に恐れを知らぬ私たち自身の姿でもあります。金魚をモチーフにしたキャラクターも多数登場します。これは田名網の脳裏に深く刻まれている原風景 - 祖父が飼っていた金魚の鱗にアメリカの落とした爆弾の光が乱反射する光景 -と深く関係しています。まるで動物的な生命を宿したかのように描かれている松は、田名網が44歳の時に胸膜炎を患い死にかけた時に見た幻覚に由来しています。

田名網の生み出す独自のキャラクターやモチーフは、田名網が日課として半世紀に渡って描き続けているドローイングにその原点があります。本展では、1980年代から現在に至迄田名網が描き続けてきた膨大な数のドローイングを可能な限り展示します。田名網が個人的に描き残した日記的なドローイングブックから、アニメーションの絵コンテ、実験的な線画、近年のペインティングに登場するキャラクターの原画まで多岐にわたります。田名網は、「ドローイングすることは至福の時間」だと語っていますが、今も1日8時間きっちりとスタジオで創作活動をこなす田名網にとってドローイングは食事と同様に、生活の糧なのです。

「私にとってドローイングすることは食べることと同じことかもしれない。色鮮やかな食卓をながめながら、空腹が満たされてゆく時のなんともいえない満足感と幸福感、ちっぽけな悩みなど一瞬にして消し飛んでしまう。筆から放たれた線描は、私の意志とは関係なく空間を自由自在に飛翔し、想像外の展開をみせるのである。目の前に散乱した多彩なドローイングをみていると、御馳走のならんだ食卓をみているような幸せな気分になる」。

7月7日、18:00-20:00、アーティストを囲んでオープニングレセプションを開催いたします。皆様のご来場を心より、お待ち申し上げております。

 

~ドローイングする至福の時間 / 田名網敬一~

私は20年くらいの長い期間、自分自身の「夢と記憶」を執拗に記録したことがあった。

1万枚近く描き散らした残骸は、埃にまみれたまま、今も仕事場の倉庫の片隅にうず高く積まれている。いつのまにかそんな記録作業にも飽きてしまい、放置したままの「夢と記憶」の痕跡を再検証することもなく、日々が過ぎていった。今頃になって気がついたのだが、その時点では無意味とおもえた記録のドローイングは、私のストレス解消や精神の開放にすごく役立っていたように思うのだ。描くことによって精神的ストレスが軽減するなんて考えもしなかったのである。いつも決まった時間、自宅の小部屋に籠って自由に絵筆を動かしていたことが、私の日常生活全般に大きく影響していたし、日々の創作の重要な起爆剤になっていたのである。

現在の私にとっても、ドローイングすることは至福の時間である。日常の仕事においては、ほとんどの場合、いくつもの制約があったり、テーマにそって進めなければならないなど、描く楽しみがどんどん遠ざかってゆくような気がする。私にとってドローイングすることは食べることと同じことかもしれない。色鮮やかな食卓をながめながら、空腹が満たされてゆく時のなんともいえない満足感と幸福感、ちっぽけな悩みなど一瞬にして消し飛んでしまう。

筆から放たれた線描は、私の意志とは関係なく空間を自由自在に飛翔し、想像外の展開をみせるのである。目の前に散乱した多彩なドローイングをみていると、御馳走のならんだ食卓をみているような幸せな気分になる。

関連情報

オープニングレセプション:7月7日(土)18:00-20:00

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