向山裕展「石室・現像」 “Chamber of Stone・Developing”

  • 印刷する
会 期
20101012日 -  20101023
開催時間
10時30分 - 18時30分
休み
休廊: 日
この情報のお問合せ
ギャルリー東京ユマニテ
TEL 03-3562-1305
情報提供者/投稿者
開催場所
ギャルリー東京ユマニテ
住所
〒104-0031 東京都
中央区京橋3-5-3 京栄ビル1F
最寄り駅
京橋
電話番号
03-3562-1305

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

向山裕 (むこやま・ゆたか) は1984 年大阪府生まれ。
宝塚造形芸術大学在学の2005 年、当画廊企画の若手作家を紹介する展覧会”humanite lab” で初個展を開催。
100 号~120 号の巨大なキャンバスに、実際には指先ほどの小さな熱帯魚や、頭と尾に分かれたウナギなどを精密なタッチでリアルに描き、注目を集めました。
その後、韓国での個展やグループショウ、昨年は「高島屋美術水族館」、「美の予感 2010-新たなる平面のカオスへ-」共に高島屋日本橋(東京、他国内巡回)に出品。
その卓越した技術によって描かれた、どこか愛着を感じる作品が多くの反響を呼びました。

向山が近年描くモチーフには、ウナギ、たこ、海ほたるなど海の生物が多く見られます。向山は、まず気になった生物をネットや辞典で調べ、入手可能な生物は実際に 飼って、その生育を共にします。例えば「うみほたる」は、実際にはゴマ粒くらいの大きさですが、顕微鏡で観察し、ついには解剖までして内蔵や体のしくみを詳細に調べ上げ、キャンバスに描いていきます。それらは、図鑑に登場しそうな、作家の意思を殆ど感じさせない写実的な生き物ばかりですが、どこか愛くるしく、ユニークで人間のような親しみや悲哀を持っているかに見えます。
さらに今回の新作「いかめし」はきれいな白磁の器に盛りつけられ、何故か青い畳の上に置かれています。つるつるとした飴色の醤油の匂いが立ち昇ってきそうなイカ飯。向山は描きたいモチーフの質感、触感、そしてそれらを含む全てをよりリアルに描くために、構図の組み合わせまで徹底的に拘り作品を作り込んでいきます。
今回の個展は2年ぶりの新作展となり、100 号の大作のほか油彩約8 点、他に動物の一部分をFRPなどで制作した立体作品数点を展示いたします。昨今注目を集める若手作家の中でも、高度な技術とインパクトのある作品で定評のある向山。期待の展覧会を是非ご高覧ください。

■作家コメント
「既視感の依り代」 平成二十二年 八月二十八日
あ、これはすごいぞ、おもしろい!
という出逢いがあったとき、わくわくする点で違いはないのだが、立ち止まって意識してみると、それが作品的におもしろいのか、そうでないのか、二通りに分けられるようだ。つまりその事柄が結晶質なのか非晶質なのかという物性の違いがあるのだ。
こころの焦点をぼやかして、茫洋と観察すると、心に引っかかる違和感としてかすかにこの違いが感じられる。これは自分の着想について制作を決意する際のキメテであるし、他人の作品を評価する決定的要素であったりもする。
この引っかかり、たいへん感覚的で言語しにくいのだが、一番近いのはたぶん既視感ではないだろうか。生まれるよりもずっと過去の或るときかかわりがあったような、または長年の記憶喪失者が、目に留めて一瞬ふっと立ち止まるような感じ。
「これまで見たことがない」こともおもしろいと感じる大きな要素であるし、こちらは陽性で説明もしやすいのだが、実は結局このかすかな「既視感」の有無が、事柄の結晶としての透明度、作品としての「おもしろさ」を最終的に決定付けている気がする。作品が持つべき肉付きをすべて備えていても、それがなければ「作品のようなもの」になって、作品になろうとしている分だけ不自然な臭みをどうしても発してしまう。この「既視感」、自分の思い出や個人的な属性からかなりの距離を隔てて影響している気がするので、ある程度の普遍性があるのではないかと思っている。
自分はこの感覚に対して一種の信仰心を持っていて、結晶質を見出し、自分との不可知のむすびつきを感じた折に、それに縄を張ったり、或いは周りの土を除いたりといった些細な手を加えて依り代としてたしかな形に整えるような意識で制作している。
(原文より新字・現代仮名遣いに変換)

平均:0.0 
レビューした人:0 人

近くの展覧会

人気の展覧会

<<        >>

クリップした展覧会はありません。