開催時間 |
10時00分 - 18時00分
金曜日は20時00分まで ※入館は閉館の30分前まで |
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休み |
月曜日
(ただし、1月13日、2月24日は開館)、1月14日(火)、2月25日(火)、年末年始(12月29日~1月3 日) |
入場料 |
有料 一般 1,200円(1,000円)、大学生 500円(400円) ※( )内は20名以上の団体及び夜間割引(金曜午後6時以降) ※高校生以下・18歳未満は無料*。 ※心身に障がいのある方と付添者1名は無料*。 ※ひとり親家庭の世帯員の方は無料*。 * 入館の際に証明できるものをご提示ください。 ※本料金でコレクション展もご覧いただけます |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
075-761-4111
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒606-8344 京都府
京都市左京区岡崎円勝寺町26-1 |
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最寄り駅 | 東山 |
電話番号 | 075-761-4111(代表) |
生誕120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅―
このたび、 京都国立近代美術館は2024年12月17日(火)から2025年3月2日(日)まで 「生誕120年 人間国宝 黒田辰秋―木と漆と螺鈿の旅―」を開催いたします。
京都に生まれ、京都を拠点に活躍した黒田辰秋は、昭和45(1970)年に木工芸の技術において初めてとなる重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された日本を代表する木漆工芸家です。その制作は、当時一般的であった分業制に疑問を持ち、図案制作、素地作りから加飾までを一貫して自身で行うもので、実用性と装飾性、素材の特性を一体化させたところに生命感にあふれた独自の創作世界を切り開きました。古典に根差したその活動は、民藝運動と関係づけて語られることが多いものの、黒田はあくまでも自身を「個人作家」としてみなしており、自身が生み出した作品ひとつが「地球と代えられる」だけの価値を有しているかということを常に問いかけていました。
本展は、黒田辰秋の生誕120年を記念して開催するもので、初期から晩年までの代表作を通じて日本工芸史に確かな足跡を残した作家の生涯および造形思考を紹介いたします。
みどころ
代表作が一堂にならぶ、黒田辰秋の生涯をたどる回顧展
1972年に白洲正子が音頭を取って編集した黒田初の作品集『黒田辰秋 人と作品』が刊行されました。最初期からの代表作を一堂に集めたこの作品集は、黒田自身が創作者としての自己の歩みを振り返ることのできる書物であると語っています。本展では、この作品集に掲載されている作品84件のうち49点を紹介します。
北海道に残る黒田の優品を京都で初公開
北海道立旭川美術館所蔵の黒田晩年の代表作で1974年に制作された《神代欅彫文飾棚》(第22回日本伝統工芸展)は同館が収蔵後これまで北海道内だけで紹介されてきたものですが、今回初めて海を渡って京都で紹介。また、北海道博物館所蔵の黒田が指導して制作された《樺テーブルセット》も北海道外では初公開となります。
初期の代表作を限定公開
螺鈿を全面に張り付けた《螺鈿総貼小棚》(1941年)は黒田の代表作として『黒田辰秋 人と作品』にも掲載されており、本作は京都会場のみでの展示となります。
[展示構成]
第1部:黒田辰秋の軌跡 『黒田辰秋 人と作品』より
白洲正子が企画し、代表作の数々を掲載した作品集『黒田辰秋 人と作品』は黒田にとって作家活動の軌跡を紹介する重要なものとなりましたが、この作品集に掲載されている作品及び類品を通じて黒田の創作活動を概観します。
第2部:用と美の邂逅
1 上加茂民藝協團の時代
2年程度の短い期間で解散しましたが、黒田にとってその後の創作活動の基礎を形成する時期となった上加茂民藝協團時代。最初期の黒田がどのように自身の仕事を模索していたのか、当時の作品からひも解きます。
2 木の匠
黒田は素材を生かすことを制作の根幹に置いていましたが、ここでは主に黒田が重要無形文化財保持者の認定を受けた「木工芸」の技術による作品を紹介します。その多くは拭漆によるもので、シンプルですが非常に手間のかかるこの技術は、木材個々の特性を引き立てています。
3 漆の匠
黒田の生家は漆の下塗りを行う塗師であり、黒田も身近に漆がある環境の中で塗りの技術を身に付けていきました。黒田の塗りの作品は朱漆に代表される華やかなものが多くあります。ここでは初期の朝鮮王朝時代の家具に影響を受けた作品から、彫り、乾漆による動的な形状のものまで、木理を生かした木の仕事とは異なる塗りの仕事の数々に焦点をあてます。
4 螺鈿の匠
黒田は貝の持つ美しさに幼少期よりあこがれを持っていました。作品は現存していませんが、1923年に京都市主催の展覧会に出品し京都市が買い上げたとされる黒田の最初の作品にも螺鈿が使われていました。黒田の螺鈿でよく知られているものにメキシコ鮑を用いた燿貝の作品があります。その重厚な輝きから「燿貝」と名付けたのは板画家の棟方志功でした。ここでは黒田がどのように貝の異なる質感を引き出し作品化したのかを、様々な螺鈿による作品を通じてたどります。
主催:京都国立近代美術館