開催時間 |
13時00分 - 18時00分
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休み |
日曜日,月曜日,祝日
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入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
TEL:03-3239-1258
MAIL:info@f-r-gallery.tokyo 担当:フラットリバーギャラリー(広報担当) |
イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒102-0093 東京都
千代田区平河町2丁目4番7号 スタンプスタンダードショールーム内 |
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最寄り駅 | 麹町 |
電話番号 | 03-3239-1258 |
【展覧会概要】
この度フラットリバーギャラリーでは2024年10月1日より吉雄介展を開催いたします。
吉雄介は学生時代にトタン板という素材と出会い、以降トタンにこだわって彫刻作品を制作してきました。主に建築や道具類といった人工物の形から想を得て大き過ぎず、小さ過ぎることない彫刻作品を生み出します。それらはちょっとユーモラスな形状でありながらエッジが鋭く、時に雄弁に自己主張しつつ、且つまた日常の延長線上にあるかのように慎ましく存在します。
「形」に強くこだわる彫刻家にとって具象か抽象かというフォルムの問題は古くて新しく、作品を制作する上での基本であり本質でもあるといっても過言ではないでしょう。今展覧会で吉は、その「具象」と「抽象」表現の境目について果敢に考察しながら「形」を探求します。この機会に是非ご高覧ください。
------------------------- Flat River Gallery
【作家ステートメント】
「具」象展の具は道具、文房具、用具などの人が使う身近な日常品のこと。
建築、建造物などの大きなものから日常品や用途を持った工業製品などの小さなものまで人によってデザインされ造られた人工物の形に強く惹かれる。そんな物達の形を基に工業製品であるトタン板という素材で「形」をテーマに彫刻作品を作っている。
人工物の形をそのまま再現することはなく記憶の中では解体されているようで、バラバラになっている形の断片を混ぜたり組み合わせたりしながら一つの「形」に作り上げていく。すると形そのものはどんどん抽象的になっていくのだが、その「形」は彫刻として生きているだろうかと問うとき全体の形の中に具体的に作り込んだ部分が必要になることがある。もっと言えば具体的な細部こそが「形」を生き生きとしたものにする。
今回のフラットリバー展では身近にある人工物、身近にありすぎてじっくり見たことのない日常品などをその物の形、つまり具象彫刻として作ることにした。
モチーフに選んだ物の寸法を測ったり素材を確認したり、その形の成り立ちを調べる「物の観察作業」はとても楽しいものであり、作り手としてシンプルなデザイン、形の中にしっかりとある機能性に感心することもしばしばあった。
そしてもちろん選んだモチーフを彫刻として作る作業もトタン板での制作とは違って新鮮でこちらも大いに楽しんでしまったが何点かの作品を作るうちに気づいたことが実に興味深いものだった。今回は選んだモチーフを具象化するのに細部まで作る具体的表現が必要にも関わらずその「形」を彫刻として生きたものにするには抽象的な部分を残すことも同じように必要なのであった。
だから使う素材や形としての作り込み、彫刻としてのたたずまいの中にその物の姿、形とは少しずらした曖昧な部分を残すことにした。
さてすっかり「具」象展に向けての作品作りを楽しんでしまったが最後にこのことについて考えた。
具象と抽象の境目はあるのだろうか。少なくとも自分の「形」の中にはあると思う。でもそれはいつも同じところにはないようで、真っ直ぐになったり折れ曲がったりしながら動いているし薄くなったり濃くなったりもしているようだ。具と抽のバランスを取りながら彫刻家として自分だけの「形」を探求し作る、ただそれだけのことを随分熱心にやってきたわけだ。でもそれが面白いのだからやめられないでいる。
------------------------- 吉雄介
Flat River Gallery