開催時間 |
10時00分 - 18時00分
金曜日と会期最終週平日、第2水曜は20時00分まで開館します。 ※入館は閉館の30分前まで |
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休み |
月曜日
12/31、1/1、ただし、【トークフリーデー:11/25、12/30】、1/13、1/20は開館 |
入場料 |
有料 一般:2,300円/大学生:1,300円/高校生:1,000円 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
050-5541-8600(ハローダイヤル)
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒100-0005 東京都
千代田区丸の内2-6-2 |
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最寄り駅 | 東京 |
電話番号 | 050-5541-8600(ハローダイヤル) |
三菱一号館美術館は2010年4月の開館以降、40本の企画展を開催してきました。2023年4月からは設備メンテナンスのために長期休館していましたが、2024年11月23日に再開館いたします。これまでの活動を踏まえ、今後も東京・丸の内のランドマークとして、人々が集い、語り合い、新たな発見があるような魅力ある展覧会を継続して開催していきます。
美術館は、時代の変化に応じて、常にその活勣を見直す必要があります。そのために、時代を映す鋭敏なアーティストの感性を借りることが、ひとつの最善策であると考え、2020年の開館10周年記念展として企画された「1894 Visionsルドン、ロートレック」の開催に際し、現代フランスを代表するアーティストのソフィ・カル(1953-)氏を招聘する予定でした。しかし、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により、ソフィ・カル氏は来日を見送らざるをえず、現代アーティストとの協働というブロジェクトは再開館後に持ち越されることになりました。
リニューアル・オーブン最初の展覧会となる「再開館記念『不在』-トゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル」では、同館のコレクションそして展覧会活動の核をなすアンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864-1901)の作品を改めて展示し、そこにソフィ・カル氏を招聘し協働することで、同館の美術館活動に新たな視点を取り込み、今後の発展に繋げていくことを目指します。
ソフィ・カル氏は長年にわたり、「喪失」や「不在」について考察を巡らせていることから、今回の協働にあたり、「不在」という主題を提案されました。一方、トゥールーズ=ロートエレックは、「不在」と表裏一体の関係にある「存在」について興味深い言葉を残しています。
「人間だけが存在する。風景は添え物に過ぎないし、それ以上のものではない。」
1897年の旅行中、アンボワーズの風景に感動していた同行者に対して発せられたこの言葉に象徴されるように、トゥールーズ=ロートレックは、生涯にわたって人間を凝視し、その心理にまで踏み込んで、「存在」それ自体に迫る作品を描き続けました。
トゥールーズ=ロートレックも彼が描いた人々も「不在」となり、今ではその作品のみが「存在」しています。ソフィ・カル氏から投げかけられた「不在」という主題を通して、私たちは改めて、当事者が関わることができない展覧会や美術館活動の「存在」について考えていきたいと思います。
1864年、中世に遡る名門伯爵家に生まれたアンリ・ド・トウールーズ=ロートレック(1864-1901)は、1891年に初めててがけたポスター《ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ》で成功を収めます。彼はポスター制作を通して習得したリトグラクの技法を用いた多彩な版画作品や油彩画なども数多く残していますが、ポスター画家としての評価のみが先行し、フランスの国公立美術館はロートレックの没後も、彼の油彩作品を受け入れませんでした。美術史におけるロートレック「不在」のこの時期に、彼の存在全体を評価する契機を作ったひとりが、友人で画商でもあったモーリス・ジョワイヤン(1864-1930)です。彼は遺族と協力しながら、1902年のフランス国立図書館へのロートレック版画作品の寄贈と、1922年のアルビのロートレック美術館開館に尽力しました。
三菱一号館美術館は、ジョワイヤンが守り伝えてきた作家の遺産を含む作品群(モーリス・ジョワイヤン・コレクション)のうち、ヴァージョン違いを含むポスター32点のみならず、刷りの異なる2点の《ロイ・フラー嬢》(1893年)をはじめとする主要版画作品、そしてアンリ=ガブリエル・イベルス(1867-1914)と共作した『カフエ・コンセール』(1893年)や、『彼女たち』(1897年)といった代表的版画集を所蔵しています。これらすべてとともに本展では、フランス国立図書館から借用した版画作品11点を加えた136点により、「時代の記録者」ロートレックの作品を、「不在」とその表裏の関係にある「存在」という視点から、見直してみたいと考えています。