尾﨑 たまき 作品展 漁師犬タロウ 津波のあとより...

©Tamaki Ozaki
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    会 期
    20240830日 -  20240912
    開催時間
    11時00分 - 19時00分
    入場料
    無料
    この情報のお問合せ
    ソニーイメージングギャラリー 03-3571-7606
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    Sony Imaging Gallery
    住所
    〒104-0061 東京都
    中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階
    最寄り駅
    銀座
    電話番号
    03-3571-7606

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    岩手県田野畑村でミズダコ漁を営む漁師の佐々木公哉さん(愛称:キンちゃん)に初めてお会いしたのは2014年。 東日本大震災後、三陸での漁が復活する姿をカメラに収めようと、さまざまな魚種の漁師さんを訪ね歩き、船に同乗させてもらいました。
    キンちゃんのミズダコ漁は長引く不漁に加え、燃料費も高騰したことで、船を出すことさえ厳しい状態が続いていました。頭を抱えながら悩むキンちゃんを笑顔にしてくれていたのは愛犬タロウ。タロウは震災で津波に流されながら、9日目にして自力で家に帰還した奇跡のワンコです。
    タロウには”漁師犬”という、もうひとつの顔があります。キンちゃんと一緒に船に乗り、餌の魚を横取りしようと空から現れるカモメを追い払う仕事です。いやはや普通の犬ではありません。

    「大漁シーンが撮れたら、タロウくんの写真絵本を作りましょう」そう話したときのキンちゃんの嬉しそうな表情がいまでも脳裏に浮かびます。
    それから何年経ってもタコの不漁は続きました。タロウも少しずつ年を重ね、船に乗ることさえままならなくなり、2019年19歳で天寿を全うしました。

    (キンちゃんとの約束、守れなかったな)

    それからさらに3年が経ち、キンちゃんが病に倒れたとの一報を受けました。
    「何やってたんだ!私」と自分の尻を叩き、急ピッチで写真絵本の完成に向け動き始めました。残念ながら大漁シーンには出会えませんでしたが、出版社からゴーサインをもらうとすぐにキンちゃんに報告しました。
     本の完成を“生きる目標”と言って楽しみにしてくれていたキンちゃんは2023年、完成を待たずして帰らぬ人となりました。校正刷りだけでも見て頂けたことが何よりの救いです。
    この場をお借りしてご冥福をお祈り申し上げます。

    「漁師犬タロウの存在を知ることで、動物を愛する心優しい人間になってほしい」というキンちゃんの願いが、この写真展を通して、多くのみなさまに伝わることを心から願っています。

    尾﨑たまき

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