追悼 野見山暁治 野っ原との契約

《崖》 1961年 油彩・キャンバス 練馬区立美術館蔵 前期展示

《崖》 1961年 油彩・キャンバス 練馬区立美術館蔵 前期展示

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    会 期
    20241006日 -  20241225
    開催時間
    10時00分 - 18時00分
    入館は17時30分まで
    休み
    月曜日
    (ただし、10月14日(月・祝)、11月4日(月・休)は開館、10月15日(火)、11月5日(火)は休館)
    入場料
    有料
    一般500 円、高校・大学生および65~74 歳300 円、中学生以下および75 歳以上無料(その他各種割引制度あり)
    ※一般以外の方(無料・割引対象者)は、年齢等が確認できるものをお持ちください。 ※リピーター割引「:展覧会の半券をお持ちいただくと各種料金から割引となります。一般300 円、高校・大学生および65~74 歳200 円、中学生以下および75 歳以上無料(その他各種割引制度あり)
    作品の販売有無
    展示のみ
    この情報のお問合せ
    練馬区立美術館
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    練馬区立美術館
    住所
    〒176-0021 東京都
    練馬区貫井1-36-16
    最寄り駅
    中村橋
    電話番号
    03-3577-1821

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    練馬区内に長くアトリエを構え、名誉区民でもあった野見山暁治氏が、2023年6月逝去されました。練馬区立美術館では、画家・野見山暁治(1920-2023)の業績を、当館のコレクションを中心に振り返る展覧会を開催します。

    福岡県の炭坑経営者の家庭に育った野見山は、東京美術学校を繰り上げ卒業して旧満州に出征しました。終戦後、故郷での活動を経てフランスに留学。在仏中に安井賞を受賞し、その後、徐々に抽象的な表現へと変化します。また野見山は、母校の東京藝術大学教授として学生の指導と入試改革に力を注ぐとともに、自身の戦争体験から、戦没画学生の慰霊美術館である「無言館」の設立にも尽力しました。
     本展では、池袋モンパルナスで過ごした東京美術学校時代から、戦後の炭坑や骸骨といった具象的なイメージを描く時期を経てフランス留学にいたる[前期]と、帰国後、自然や身近な事物をモチーフに独自のイメージを展開させ追究し続けた晩年までの[後期]に分けて展観します。絶筆作品を含む油彩画や版画、ドローイングおよび関連資料等、前・後期を合わせた約80点を通じて、野見山の画業の軌跡を辿ります。
     併せて、野見山の暮らしと制作の拠点となったアトリエの風景にも焦点をあてます。野見山は、1971年に練馬区に、ついで1976年に福岡県糸島市に住居兼アトリエを構えました。
    ともに建築家の篠原一男(1925-2006)の設計によるものであり、柱のない広いアトリエ空間や開口部が切り取る風景、特徴的な階段などは、野見山の制作を支えただけではなく想像力を掻き立てるものであったと考えられます。本展覧会では、アトリエに残された制作の道具や愛用の品等を展示するとともに、アトリエでのインタビュー映像やこの度新たに撮影した練馬と糸島のアトリエ内部をご紹介いたします。

    野見山は子供の頃から「野っ原」のただなかで絵を描くことに喜びを感じていたといいます。「野っ原」とは野見山にとってアトリエの原風景というべき場所ですが、また同時に、「実のところ絵も風化しなくちゃいけない。それが野っ原との契約だ」とも述べています(※)。
    自然が体現する悠久の時間軸との対照において、ささやかな人間の営みとそのかけがえなさを噛み締めながら描き続けることこそ、野見山が「野っ原」=アトリエと取り結んだ契約だったのかもしれません。

    ※野見山暁治「アトリエ」、『署名のない風景』、平凡社、1997年

    [みどころ]
    当館では開館準備中から野見山の作品の収集を続けてまいりました。1996年と2007年には野見山の個展を開催、近年では、2021年・2024年に新たに作品を収蔵しコレクションを充実させてまいりました。本展覧会では、当館への収蔵後、初公開の作品を含む、油彩画、ドローイング、版画に加えて、練馬区のアトリエでの野見山の愛用品など、前後期を通じて約80点を展観いたします。2025年に開館40周年を迎える練馬区立美術館は同年より建て替えを予定します。建て替えを目前に控えた本展覧会は、2階のみの展示となりますが、1930年代の最初期から2020年代の最晩年までの野見山の画業をご覧いただくまたとない機会です。

    前期は、野見山の画業の最初期からフランス留学時代までの作品をご紹介します。第二次世界大戦への従軍の前後に、西洋への憧れをもって描いた暗い色調による構築的な風景画や静物画などから、渡仏後の自由な線描と明るい色面の組み合わせによるイメージへの展開をご覧いただきます。作風の変容から、野見山が時代の変化にさらされながら独自の制作方法を模索する姿に迫ります。

    後期は、日本への帰国後から晩年までの作品をご紹介します。野見山は、帰国後、山や海など自然のダイナミックな動きを、独自の視点で切り取り画布に定着させていきます。具象性は晩年まで制作意欲は衰えることなく、大胆な筆致と繊細でゆたかな色彩による、独自のイメージの世界の探求を続けました。

    野見山の生活と作品制作の拠点となったアトリエに焦点をあてます。2021年に撮影したアトリエでの野見山へのインタビュー映像の未公開部分を編集してご覧いただくほか、本展のために新たに撮り下ろした映像でもご紹介します。

    【前期】10月6日(日)~11月10日(日)
    【後期】11月12日(火)~12月25日(水)

    主催・協賛・後援

    主催:練馬区立美術館(公益財団法人練馬区文化振興協会)
    助成:芸術文化振興基金、タカシヤマ文化基金

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