深澤 修 展 水鏡考2024「MIZUMO」

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会 期
20240513日 -  20240518
開催時間
11時30分 - 19時00分
最終日は17:00まで
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
g-hinoki@axel.ocn.ne.jp
情報提供者/投稿者
開催場所
ギャラリー檜B・C
住所
〒104-0031 東京都
中央区京橋3-9-9 ウインド京橋ビル2F
最寄り駅
宝町
電話番号
03-6228-6361

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

特殊技法による手漉き和紙の、「漉く」と「描く」とを合体した平面作品とインスタレーションなど約10点展示。今回は特に、和紙、白砂、ガラスなどを使った、「映る」を意識したインスタレーションで、架空の「水影」を表現してみました。他に、和紙をタブローの枠から外した幕状の平面作品も展示。
ギャラリー檜Cでの展覧会です。

作家のコメント
 私は長い間、水や植物の記憶をイメージしながら、和紙を特殊技法で漉き、一枚の和紙自体を作品化する創作をしてきました。和紙は植物の繊維が水を媒介として漉き上がってきます。水の感触を伴いながら、紙となる植物の繊維に対峙していると、和紙という素材に秘められた物質の記憶の様なものが、私の心の水鏡に映し出されてくるのです。私の心と和紙という物質の生命記憶とがシンクロするその時を待つのです。それは和紙が漉き上がる一瞬の出来事ですが、植物と水と私の精神との共同作業となります。和紙を漉くことも創作の糧(一部分)としている私にとっての「水鏡」は、白い和紙の表面でもあるのです。
 こうして私の創作活動は和紙を作るところから始まります。和紙という素材は、それ自体で実に日本の美意識を醸し出す素材です。だから、私にとっての紙漉きは、日本の美意識を創出するためのイマジナルな基底材(絵を描くための紙)を作る大切な作業でもあるのです。
 印象派のクロード・モネは、水面(水鏡)をキャンバスに移しとるように『睡蓮の池』を描きました。私は紙漉きによって水面(水鏡)を掬い上げ、水面の変貌としての平面(和紙)を作ります。それと共にドローイング(描く行為)によってイメージの息吹が吹き込まれた和紙の表層部分を作り合体させます。いわば「漉く行為」と「描く行為」とが複合した創作平面を作るわけです。「水鏡考」シリーズは、こうして創作された和紙の面を、水鏡、すなわち〈虚と実〉の境界(ハザマ)とみたて、和紙の面(表層)と絵画の成立との関係を検証するための創作活動です。和紙という素材を使って“存在の儚さ”を表現できたらと思っています。
 今回は「漉く」と「描く」とを合体した平面作品と共に、和紙と白砂、ガラスなどを使って架空の「水影」を創り、「映る」を意識したインスタレーション展示や、和紙をタブロー(パネル)から外した幕(スクリーン)状の平面作品の展示を試みました。
 絵画的平面とは、「見るもの」と「見られるもの」とのお互いの創造力がぶつかり合う場(トポス)です。人が絵と向き合い対峙(鑑賞)することは、己の生命が絵画の表層でシンクロすることでもあります。その“絵画という水面(みずも)”に己の心を映し、浸し、身体に潜む美意識を目覚めさせるような水鏡。絵画は、そんな水鏡であってほしいと私は考えています。

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