開催時間 |
11時00分 - 19時00分
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休み |
月曜日,火曜日
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クリエイター在廊 |
有
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入場料 |
無料 |
展覧会の撮影 |
可 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com |
イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒152-0022 東京都
東京都目黒区柿の木坂1-32-17 |
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最寄り駅 | 都立大学 |
電話番号 | 0357269985 |
この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは12月2日(土)より、弊廊では初となります青木悠太朗による個展「他山の石」を開催いたします。
自分が実際に目にした風景や空間、現象を解釈し、木材や金属などの身近な素材を使いミニマルな造形作品を生み出す青木悠太朗。
自身を取り巻く環境が大きく変わった事により、今まで以上に様々な事を感じ、そして考える機会が増えたと青木は言います。
そんな日々は、自身の制作にどのような影響を与えてきたのでしょうか。
その答えが、今回の個展と言えるでしょう。
新たな一歩を踏み出した青木悠太朗の新作の数々を、この機会に是非ご高覧下さい。
[ステートメント]
家庭内や親族間、あるいは親しい男女間であっても、当事者たちだけでは解決しえない揉め事が生じてしまうことはよくある。自分自身もまた生活環境の変化によって、親族間の関係性の歪さや気持ち悪さなど、表に出ない裏の面に気付くことが多くなった。
今回展示するのは、そのような環境下での日常に対する価値観や、純粋な美しさへの反応に基づく作品群である。個展タイトルの「他山の石」とは故事成語の一つで、「他山の石以て玉を攻むべし」という意から、「よその山から出た粗悪な石でも自分の玉を磨くのに利用できる」という意味で利用されるたとえである。
私の親族間では実際に、祖母が誘拐されたり、自宅に不法侵入されたりすることがあった。言い方を変えれば誘拐ではなく「お出かけ」、不法侵入ではなく「実家に帰っただけ」というように、解釈次第で事件とも日常とも受け取れてしまう。
そうした落ち着かない生活環境の中で、何気ない会話やコミュニケーションに敏感になってしまうようになった。一方で、ささいな気づきや瞬間的なものの動きの美しさがより目にとまるようになる。ある時、人の手からコインが転がり落ちる瞬間に出くわした。落ちた音に反射的に振り返ったとき、弧を描いて転がるコインの様子が美しく見えた。それは後から思えば、コインを貨幣として認識することから解放されて、その素材や形の特徴が見えたことに感動したのだと思う。物を落とすという小さな出来事も事件であり、それ自体が日常の一部とも言える。
私の周りの出来事においても事件と日常の区別が曖昧で、それらすべてを日常として考えられるのかは疑わしい。なぜならば、起きた事柄を振り返ると十分に事件と言えるからだ。人間関係に亀裂が生じるような事態が起きたとしても、自分に近い存在の場合は「身内のことだから」と言われると、気持ちが有耶無耶になってしまう自分がいる。
そしてその出来事を「他山の石」としていけるのか、私自身が誰かの砥石にされてしまうのかは定かではない。
青木 悠太朗