自然、あるいは風景 ♯2 異なる風景へ。|木岡 史/上坂 秀明/ 長谷川 悠太/ 池森 真生

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会 期
20231024日 -  20231029
開催時間
15時00分 - 19時00分
最終日18:00まで
入場料
無料
この情報のお問合せ
artspotkorin@gmail.com
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
Art Spot Korin
住所
〒605-0089 京都府
京都市東山区元町367-5
最寄り駅
三条
電話番号
075-746-3985

詳細

展覧会内容

展覧会タイトル:

自然、あるいは風景
♯2 異なる風景へ。
( ♯2 異なる風景へ。がサブタイトル)

期間:
2023年 10月24日(火)~29日(日)
15:00~19:00(最終日18:00まで)

作家名:
木岡 史 / Kioka Fumi
上坂 秀明 / Kosaka Hideaki
長谷川 悠太 / Hasegawa Yuta
池森 真生 / Ikemori Mau

作品:

本展は、2年前に開催した「自然、あるいは風景」のコンセプトをもとに、時を経た今、各々が紡ぐ『風景』を見つめるための展覧会である。同じ大学院で日本画を学び共通の課題を通して表現を探求してきた私たちは、修了後それぞれ異なる環境へと身を転じる。それは、わたしたちが見る『風景』に変化をもたらした。

 時間の流れの中で蓄積されゆく画家一人ひとりの絵画への思いや深みを、展覧会を通して感じ取っていただけると幸いである。

略歴:

【木岡 史 / Kioka Fumi】

1998年 兵庫県生まれ
2020年 京都市立芸術大学美術学部美術科日本画専攻 卒業
2022年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画 修了

⚫︎近年の主な活動

2016年 チャリティーオークション「SILENT @KCUA」(ギャラリー@KCUA/京都)
2018年 有志展「chAIn展」(愛知県立芸術大学/愛知)
4人展「かさねはじめ」(ギャラリーマロニエ/京都)
2019年 4人展「かさねはじめ~第二層~」(同時代ギャラリー/京都)
2021年 4人展「自然、あるいは風景」(galleryMain/京都)
2022年 「共同アトリエ「幾層」オープンアトリエ」(共同アトリエ「幾層」/京都)
2023年 京都芸大同窓会アートオークション2023「Hand On」(京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA/京都)
「ぼくらの森においでよ!」(森の風美術館/兵庫)
「共同アトリエ「幾層」オープンアトリエ」(共同アトリエ「幾層」/京都)

⚫︎賞歴
2015年 「第35回近畿高等学校総合文化祭」入選
2016年 「こうべ市民美術展」入選
2020年 「2019年度京都市立芸術大学作品展」山口賞受賞
     「2020年度京都銀行美術支援制度」購入作品選抜者

⚫︎その他
2018年 「二十五菩薩お練り供養法会」絵画制作 (御寺泉涌寺塔頭 即成院/京都)

⚫︎作品
曖昧な思考の余白は、心地の良いものだ。
輪郭の定まっていないそれは、自覚せず頭の外で生まれるもののように感じる。
それは、はじめ何気なく”みて”いたものがあったとしても、次第に焦点が定まらずに浮遊したり、そうなっていることにすら無意識になったりしているうちに生まれる。
ともすれば無意識の焦点の移動や深度変化によって、思考の余白に導かれるとも言えるのではないか。

炎には、それへと導く作用があると考える。
炎を対象物とすることで、鑑賞者と作品の間に関係性を築き、作品内に思考の余白を生み出すことを目指す。

【上坂 秀明 / Kosaka Hideaki】

1988 大阪府吹田市生まれ 滋賀県彦根市在住
2011 Sydney College of Arts [MSA] 交換留学
2012 京都市立芸術大学 大学院 美術研究科 絵画専攻 日本画領域 修了 

⚫︎個展
2011 「VIEW POINT」(SCA INSTALLATION ROOM/シドニー)
2015 「塵山」(ギャラリーモーニング/京都 三条)
2017 「TIME OUT」(ギャラリーモーニング/京都 三条)
2018 「SCREEN 」(ギャラリー412/東京 表参道)
2019 「SWITCH 」(ギャラリーMEISEI/ 京都 寺町)
2022 「ハイライト」(ギャラリー恵風/京都 丸太町)

⚫︎グループ展
2017 続「京都日本画新展」美術館(「えき」KYOTO/京都)
「第四回景聴園」 (ギャラリーMAIN/京都)
「第七回星野眞吾賞」 入選 豊橋市美術博物館
2019 「断片の誘惑」(サンセイドウギャラリー/神戸)
    「三溪園と日本画の作家たち」 (横浜三溪園)
2020 「描きひらく上方文化」(大阪暮らしの今昔館)
2021 「その建物は家を連想させる」 (nanao pottery/滋賀)
    「自然、あるいは風景」(ギャラリーMAIN /京都)
2022 「Know Arts vol.3 彼らのモチーフ」(東近江市立八日市文化芸術会館/滋賀)
   「第5回七艘展」(ギャラリーCreate洛/京都)
   「第10回櫂」(ギャラリーCreate洛/京都)
2023 「第6回景聴園」(盧花浅水荘 重要文化財/大津)

⚫︎受賞歴
2010 京都市立芸術大学 山口賞
2017 第4回続「京都日本画新展」大賞

⚫︎作品
「名付けのように物を捉えたい。」
名前の由来、
あだ名、
なまえは、そのものの奥に見えるものを表しているかもしれない。
または、その名前に惹きつけられて演じているかもしれない。いずれにしろ名前は太古より存在している文化の原型なのではないだろうか??

八割れ、三毛、黒は、何れもウチにやってきた猫たちの呼称で、猫を見た感想が端的に言い表されており、おもわずそう呼んでいた。
なんなら三色の毛だから三毛なんだと気が付いたほどだった。
また、メダカを眺めているとその大きな目にひきつけられて、音もいいし、「メダル」と名付けた。
黄色い金魚は、その優雅な游泳姿に、黄色を意味する中国語から「ファンくん」と呼んでいる。
名前をつけるのは、相手をよく見て、責任を持ってつけるべきだと思う。
絵を描くときも、相手を必死で見ようとするけど、動き回って残像を頼りに繋ぎ止めている。その凝視の中にふと名前がとびたしてくる。ウチの人のおばあちゃんが飼っていた犬は黒くて小さな豆柴で、「九郎義経のクロウ」なのとよく教えてもらった。とても凛々しく精悍な犬だった。会ったこともない九郎義経を想ってみたほどである。
時空を越えて、書物より、音となって、イメージになってそれぞれの頭の中で独自の網を張りながら広がった繋がりの形こそ文化の正体なのかも知れない。

【長谷川 悠太 / Hasegawa Yuta】

1997年 兵庫県生まれ
2020年 京都市立芸術大学美術学部美術科日本画専攻 卒業
2022年 京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻日本画 修了
現在 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程日本画領域 在籍中

⚫︎近年の主な活動
2021年 個展「山のフォルム」(京都市立芸術大学小ギャラリー/京都)
2021年 個展「遠望、」(スタジオ・ツキミソウ/京都)
2021年 企画展「山怪~異世界への誘い~」(瑞雲庵/京都)
2021年 4人展「自然、あるいは風景」(galleryMain/京都)
2023年 企画展「山怪~異世界への誘い~」(日本美術・技術博物館Manggha/ポーランド・クラクフ)

⚫︎賞歴
2019年 「第45回京都春期創画展」入選
2021年 「第6回石本正日本画大賞展」入選
2022年 「京都 日本画新展2022」入選

⚫︎作品
2018年10月、兵庫県朝来市の高台での出来事。夜明けの盆地の深い霧に柔らかな光が差し込むと、一帯に雲海が現れ黄金に染まる山の帯が浮かぶ。その光景は足元から地平線の向こうまで果てしなく続いており、私を幻想的かつ壮大な世界へと誘ったのである。そのイメージは、尺度を超えた空間の広がりを感じさせ、忘れがたい高揚感を与えた。 
 以来、私は地形が織り成す幻想世界に惹かれ続ける。けれども、山から発せられた広大を絵画で語ることは、極めて漠然としていて雲をつかむような試みであった。それでも描くことを通して、画面の中に深い渓谷や、果てしない空の存在を想起する空間が見える瞬間がある。制作を通して垣間見える様々な要因が、何らかの繋がりや関係を形作ることによって初めてそれは創出される。そしてその造形は、画面の四隅の大きさを忘れさせるイメージの強さがあったのである。
 近頃、私は巨大な鍾乳洞の空間に興味を持った。洞穴に入った瞬間から周辺の空気に緊張が走り、懐中電灯に照らされた空洞や奇怪な鍾乳石の幽玄さに息を呑んだ。鍾乳洞に点在した穴や溝は、その深さから無限へと繋がり、自身の体や意識を吸収して異世界へと誘う開き口のようだ。鍾乳洞を描くことを通して、画面に穴を開け、地形が我々を何処に連れ去ってくれることを望む。

【池森 真生 / Ikemori Mau】

1998年 京都府生まれ
2020年 京都市立芸術大学美術学部美術科日本画専攻 卒業
2022年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画 卒業

⚫︎近年の主な活動
2021年 4人展「自然、あるいは風景」(galleryMain/京都)

⚫︎作品
電話が鳴る。電話を取る。ミーティングのための資料を集める。メールを送る。気づけば夜になっている。流れるように日々を過ごしていたら、気づけば美大を卒業してから約1年半の年月が経っていた。
美術と距離を取りたくて、美術とは関係のない職に就いた。けれど、例えば相手に自分の意見を伝えるとき、頭の中にある思いを、意味が通じるようパズルのように組み立てていくその行為は、感じたことを表現するために絵と向き合い、必要な面や線を見極める行為と重なることがある。言葉を通して上手く相手に思いが伝わった喜びは、画面の要素がまとまり、1つの絵になった瞬間と少し似ている。そんな風に考えると、毎日がちょっとだけ楽しくなる。
私の何気ない日々に風穴を開けてくれたのもまた、美術だった。

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