開催時間 |
12時00分 - 19時00分
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休み |
月曜日,火曜日,水曜日
10月23日(月)〜11月1日(水) |
入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
Gallery OUT OF PLACE
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒630-8243 奈良県
奈良市今辻子町32-2 |
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最寄り駅 | 奈良 |
電話番号 | 0742-26-1001 |
ある先人曰く、
「人生でおそらく一度しか起こらない出来事の記憶は、いつものことだと振り返りもしない数えきれない平凡なイメージの中に紛れ込んでいる」
さて、20代前半から旅を続けながら写真を撮り始めたパトリックだが、30代前半でシルヴィーと結婚し、それを境にレンズを主に家族に向け「親愛」を中心主題にした作風に変化していく。
しかし主観的なファミリー写真に陥る事無く、妻や子ども達にも常に客観的な眼差しを投げかけ、スナップとメーキングフォトとの狭間で絶妙なバランス感覚を取っている。近年では以前にも増して肩の力が抜けた軽妙かつ意味深長な作風に到達して来ている。
パトリックの写真の魅力は、不思議な効果を鑑賞者にもたらす点にある。パトリックの写真に写っているのは、彼自身の個人的な出来事・記憶であるにもかかわらず、
鑑賞者はなぜか彼ら自身の過去のある日ある時間に連れて行かれる。鑑賞者はパトリックの眼差しと入れ替わるように、彼ら自身の甘酸っぱい過去を追体験すること
になるのだ。
こうしてみるとパトリックの写真には、いわゆる【プルースト効果】(=無意志的記憶を人に喚起させる力)が備わっている様に思える。
いったいパトリックがどんなふうに風景や家族をファインダーの中で捉え、どのタイミングで彼の指がシャッターを押しているのか、
その瞬間をいつか覗いてみたいものだ。ただ探りを入れる私に彼はきっと「いつものことだよ」と嘯くに違いないのだが。
文:野村ヨシノリ(Gallery OUT of PLACE) 2023 年9月
artist profile
1964 年 サン=ジャン=ド=リュズ(フランス)生まれ 現在パリ在住。
20代前半から世界を旅しながら写真を撮り始める その後1987 年からパリに拠点を置き、写真クラブ「Les 30×40」に参加
Galerie Camera Obscura(パリ)の専属アーティスト 同ギャラリーの他、ヨーロッパ、日本にて個展、グループ展多数
受賞:2000 年フナック賞「Magnetic North」 2001 年フナック賞パリ「Nos Italies」 2004 年HSBC 写真賞「Au fil des jours」
コレクション:ヨーロッパ写真美術館 Pinault コレクション agnès b コレクション など多数
レセプションパーティ
11月4日(土)18:00~19:30
作家が来日し在廊します。ぜひご来場ください。入場無料