永遠の都ローマ展

《カピトリーノのヴィーナス》 2 世紀 大理石 カピトリーノ美術館蔵 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolin

《カピトリーノのヴィーナス》 2 世紀 大理石 カピトリーノ美術館蔵 ©Roma, Sovrintendenza Capitolina ai Beni Culturali / Archivio Fotografico dei Musei Capitolin

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会 期
20230916日 -  20231210
開催時間
9時30分 - 17時30分
金曜日は9時30分~20時00分(入室は閉室の30分前まで)
休み
月曜日
9月19日(火)、10月10日(火)
※ただし、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室
入場料
有料
一般2200円(2000円)、大学生・専門学校生1300円(1100円)、65歳以上1500円(1300円)、高校生以下無料
※( )内は前売り ※身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料。 ※高校生、大学生・専門学校生、65歳以上の方、各種お手帳をお持ちの方は、いずれも証明できるものをご提示ください。 ※土日・祝日のみ日時指定予約制(当日の空きがあれば入場可)
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
050-5541-8600(ハローダイヤル)
情報提供者/投稿者
開催場所
東京都美術館
住所
〒110-0007 東京都
台東区上野公園8-36
最寄り駅
上野
電話番号
03-3823-6921

詳細

展覧会内容

永遠の都ローマ ― 二千年を超える栄えある歴史と比類なき文化は、古代には最高神をまつる神殿がおかれ、現在はローマ市庁舎のあるカピトリーノの丘を中心に築かれました。その丘に建つカピトリーノ美術館は、世界的にもっとも古い美術館の一つに数えられます。同館のはじまりは、ルネサンス時代の教皇シクストゥス4世がローマ市民に4点の古代彫刻を寄贈したことにさかのぼります。古代遺物やヴァチカンに由来する彫刻、またローマの名家からもたらされた絵画など、その多岐にわたる充実したコレクションは、古代ローマ帝国の栄光を礎に、ヨーロッパにおける政治、宗教、文化の中心地として発展したローマの歩みそのものにも重ねられます。

本展は、カピトリーノ美術館の所蔵品を中心に、建国から古代の栄光、教皇たちの時代から近代まで、約70点の彫刻、絵画、版画等を通じて、「永遠の都」と称されるローマの歴史と芸術を紹介します。

なお、2023年は、日本の明治政府が派遣した「岩倉使節団」がカピトリーノ美術館を訪ねて150年の節目にあたります。使節団の訪欧は、のちの日本の博物館施策に大きな影響を与えることになりました。この節目の年に、ローマの姉妹都市である東京、さらに福岡を会場として、同館のコレクションをまとめて日本で紹介する初めての機会となります。

カピトリーノのヴィーナス 奇跡の初来日
古代ギリシア最大の彫刻家プラクシテレスの女神像(前4世紀)に基づく2世紀の作品。ヴィーナス像に典型的な恥じらいのポーズをとる。ミロのヴィーナス(ルーヴル美術館)、メディチのヴィーナス(ウフィッツイ美術館)に並ぶ古代ヴィーナス像の傑作として知られています。カピトリーノ美術館以外では滅多に見ることができない門外不出の作品です。※東京展のみ展示

[展示構成]
1ローマ建国神話の創造

第1章では、ローマのシンボルともいえる作品「カピトリーノの牝狼」を出発点として、古代ローマの建国を伝える伝承や神話を紐解きます。
ローマ建国神話は、ウェルギリウスの叙事詩 『アエネアス』 のなかで、ギリシアのトロイアを脱出し、苦難の末にイタリアに上陸した勇者アイネイアスの子孫たちの歴史として語られています。そのエピソードの代表格といえるのが、軍神マルスと巫女レア・シルウィアの間に生まれた双子ロムルスとレムスを育てる牝狼の物語です。
本展では、乳を飲む双子の彫像が付け加えられた《カピトリーノの牝狼(複製)》を展示します。同作の修復をめぐる研究成果を踏まえつつ、建国神話を表わす古代彫刻やメダルなどを通して、その表現の伝統をたどります。

2古代ローマ帝国の栄光
古代ローマ帝国は、紀元前1世紀、ユリウス・カエサルとその遺志を継いだオクタウィアヌス(後のアウグストゥス)が礎を築き、続く数々の皇帝たちによって繁栄しました。本章では、歴代ローマ皇帝の肖像をはじめ、ローマ帝国ゆかりの女性たちの肖像など、それぞれの「時代の顔」を通じて栄光の時代をたどります。加えて、帝国の栄華を象徴する、《コンスタンティヌス帝の巨像》の一部を原寸大複製で展示します。頭部だけで高さ約1.8メートルのスケールをもつ巨像は、カピトリーノ美術館誕生のきっかけにもなった重要な彫像の一つです。本展では、巨像の頭部、足、球体を持つ手、さらにルーヴル美術館で近年発見された人差し指の複製をあわせて展示します。

3美術館の誕生からミケランジェロによる広場構想
1471年、時の教皇シクストゥス4世は、教皇宮殿前に置かれていた《カピトリーノの牝狼》や《コンスタンティヌス帝の巨像》を含む古代ブロンズ彫刻4点を、ローマ市民に返還するという名目で寄贈し、カピトリーノの丘の中庭に設置しました。 これが現在のカピトリーノ美術館コレクションの前身です。その後、16世紀に巨匠ミケランジェロがカピトリーノの丘の頂にカンピドリオ広場を建設するプロジェクトを手がけました。こうして広場と建築群からなる現在の美術館複合体は、都市ローマの壮麗さを体現する現在の姿にいたりました。本章では、美術館の起源からミケランジェロの都市計画までの展開を絵画、版画等を通してご紹介します。

4絵画館コレクション
1734年、教皇クレメンス12世により、それまでカピトリーノの建物群におさめられていた膨大なコレクションが一般公開され、公立美術館としての歴史が始まりました。その後、1748年から1750年にかけて、教皇ベネディクトゥス14世の尽力により、サッケッティ家とピオ・ディ・サヴォイア家というイタリア名家旧蔵の絵画コレクションが収集され、絵画館が設立されました。本章では、絵画館コレクションより、 16世紀から18世紀に活躍した画家たちの作品を中心に紹介します。当時の芸術のパトロンたちがどのような絵画を好み、収集していたのか、また、当時のイタリアではどのような画家たちが活躍し、どのような画題や表現が主流だったかを知る貴重な機会となるでしょう。

5芸術の都ローマへの憧れ―空想と現実のあわい
古代遺跡の宝庫である都市ローマは、17世紀以降、「グランドツアー」などを介してイタリア内外の芸術家たちの芸術的霊感源となりました。古代建築やその装飾は、彼らの自由な発想によって、はるかな時を越えてよみがえり、多くの傑作を生みだしました。本章では、古代記念碑「トラヤヌス帝記念柱」をモティーフとする版画や模型、ピラネージ、ファン・ウィッテル、カノーヴァらの名品を紹介します。ヨーロッパの歴史、文化の源泉として、外国人芸術家やナポレオン皇帝をはじめとする時の為政者を魅了したローマ美術の再解釈をめぐって、鑑賞者もまた思索や夢想へと誘われることでしょう。

特別展示 カピトリーノ美術館と日本
カピトリーノ美術館は実は日本とゆかりの深い美術館です。ちょうど150年前にあたる1873年、明治政府が欧米に派遣した岩倉使節団がカピトリーノ美術館を訪れました。欧米の本格的な博物館を視察した彼らの経験は、日本の博物館政策や美術教育にも影響を与えることになります。1876年に日本最初の美術教育機関として工部美術学校が設置され、国外から指導者たちが招聘されると、イタリア各地の施設が所有していた古代彫刻にもとづく石膏像が指導教材として日本に持ち込まれました。そのなかにはカピトリーノ美術館の石膏像も含まれていました。特集展示では、カピトリーノ美術館と日本の交流を、版画やパネル、石膏像を通じて紹介します。
 
 
 
※画像は東京会場限定展示です。

主催・協賛・後援

主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都美術館、 毎日新聞社、NHK、NHKプロモーション
共催:ローマ市、ローマ市文化政策局、ローマ市文化財監督局
後援:駐日イタリア大使館
協賛:JR東日本、大和ハウス工業、DNP大日本印刷
協力:ITAエアウェイズ、日本貨物航空

平均:3.0 
レビューした人:1 人

評価サマリ

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    • ローマ建国から始まって、ローマ帝国時代、教皇の時代・・・と、ローマの繁栄を物語る展示の数々でしたが、あまりにも膨大な年月に、ちょっと疲れました。 ただ岩倉使節団がカピトリーノ美術館を見学して、その影響が明治の美術教育にすぐに反映されているということに驚きました。ちょっとだけローマを身近に感じました。欲を言うと、もう少し写真撮影可能だと嬉しかったです。

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