開催時間 |
10時00分 - 17時00分
⼟曜・祝前⽇: 9時30分~19時00分、⽇曜・祝日: 9時30分~18時00分 最終⼊館は閉館時間の 30分前まで |
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休み |
月曜日
祝日の場合は翌平日 |
入場料 |
有料 一般:1,000( 800 )円 / 大高生・65 歳以上:800( 600 )円 ※( )内は 20 名以上の団体料金。 ※中学生以下無料・障がい者手帳をお持ちの方(または障害者手帳アプリ「ミライロID 」提示)とその介添者( 1 名)は無料 |
展覧会の撮影 |
可 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
市原湖畔美術館 TEL:0436-98-1525 E-mail:info@lsm-ichihara.jp
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒290-0554 千葉県
市原市不入75-1 |
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最寄り駅 | 高滝 |
電話番号 | 0436-98-1525 |
8人のアーティストが解き明かす、土地の記憶と風景
市原湖畔美術館がそのほとりに建つ高滝湖。その底には、ダムの建設とともに沈んだ 110戸の村の記憶が眠っています。市原市を南北に縦断し東京湾に注ぐ養老川は、「母なる川」として親しまれ、時に「暴れ川」として多大な被害をもたらしながら、豊かな土壌と独特の景観、生活文化を生み出しました。
本展は、養老川と高滝湖をめぐる地域の歴史、地勢、民俗を掘り下げ、土地をひとつの発想の源として、絵画、写真、映像、彫刻、インスタレーション、パフォーマンス、さまざまなメディアの8人のアーティストたちが美術館内外の空間に” サイトスペシフィック “ともいうべき作品を展開する展覧会です。アーティストの想像力と土地の力の化学反応により不可視の風景が現出し、新たな物語が始まります。
出展作家:岩崎貴宏/大岩オスカール/尾崎悟/加藤清市/菊地良太/南条嘉毅/松隈健太朗/椋本真理子
■高滝湖誕生の秘密を解き明かす――川はなぜ湖になったのか
高滝湖は、1990年、高滝ダムの建設によって誕生した人工湖です。高滝ダムは、度重なる氾濫で人々を苦しめた養老川の本格的改修と、市原市北部の工業化・人口増に伴う水源開発を目的に20年の歳月をかけて建設されました。しかし、それと引き換えに110戸の村が湖の底に沈みました。
その過程をつぶさにカメラにおさめていたのが、市原湖畔美術館の近隣に在住する加藤清市です。本展では、ダムによる新しい生活への希望と古を失う人々の寂たる思いを写した500枚を超える写真から選ばれた、30余点による《水没した村の痕跡》を展示します。
風景とその場所性をテーマにした作品で奥能登や瀬戸内の国際芸術祭等でも活躍著しい南条嘉毅は、地域の人々への取材や郷土資料のリサーチをベースに、川が運び湖に堆積し続ける土壌(ネト)、地域で収集された民具、映像、音によるインスタレーション《38m −ネトの湖− 》を展開。湖の底に消えていった風景を現出させます。
■養老川の時空を超えた風景が現出する
養老川は、房総半島の最高峰・清澄山に源を発し、市原市の中央部を南北に貫いて東京湾に注ぐ総長75km、千葉県を代表する河川です。全国的にも知られたその曲流は時に洪水による多大な被害をもたらしましたが、一方で肥沃な土壌を運び、豊かな菜の花栽培を可能とし、曲流を人工的に短絡し水田にする「川廻し」や、素掘りのトンネル、藤原式揚水機の発明など、人々の工夫による独特の景観を生み出しました。
ニューヨークを拠点に国際的に活躍し、「川」をテーマとした作品も多く手掛ける大岩オスカールは、養老渓谷から、小湊鉄道がのどかに走る住宅地、そしてコンビナートが林立する工場地帯へと流れる養老川のダイナミックに変化する風景を虚実入り混ぜながら、全幅12メートル、高さ3メートルの巨大な壁画に描き出します。
第57回ヴェネチア・ビエンナーレ日本代表、芸術選奨新人賞、タカシマヤ美術賞受賞など注目の集まる岩崎貴宏は、「房総」「千(の)葉」という名の由来でもある豊かな大地が育んだ菜の花を始めとする植物の花や葉、農産物、水車や橋、鉄塔など、川辺に点在する構造物に注目、河口から源流へと遡る養老川の風景を繊細で儚いインスタレーションによって表現します。
■二人の彫刻家が創出する生きものたちの世界
養老川が長い歳月をかけてつくりだしてきた渓谷や森。あるいは川や湖の底。そこに棲む生きもの全てを祝福する世界が、千葉県在住の二人の彫刻家・尾崎悟と松隈健太朗の初のコラボレーションにより表現されます。
ステンレスで自然を造形する尾崎は、川が刻む時の流れと空間の変質を想起させ、大地の声が聞こえてくるような空間を創出します。その磁場の中で、松隈の「魑魅魍魎(ちみもうりょう)」とも言える生きものたちの世界が息づきます。木の声を聴き、そこから愛らしくも怖さを感じさせる姿かたちを彫り出し、生きることへの得体の知れなさを問うてきた松隈は今年2月、膵臓癌により逝去しました。本作は松隈の遺作となります。
■湖畔全体が美術館?!
今回、作品が展開されるのは展示室内にとどまりません。
彫刻家・椋本真理子は、ダムや水門、噴水や花壇といった、人の手によって造られ整備・管理されていくなかで自然環境に溶け込んでいく人工物をモチーフに作品を制作しています。本展では、市原湖畔美術館のコンクリートの壁や柱が「ダム」そのもののように見え、外壁のアートウォールの折板が「水面」のように見えたことから着想を得た作品群が、美術館内外に展開されます。
アーティスト・菊地良太は、「フリークライミング」の手法で自らの身体を用いて風景に介入し、そのパフォーマンスの様子を写真や映像に記録しています。今回、舞台となるのは高滝湖畔、養老川流域に存在する建造物やモニュメントです。本展では、高滝湖を一望できる大きな窓のある展示室を拠点に、美術館周辺の外の空間にも作品が展開されます。湖畔(ストリート)を散歩してみると、菊地がのこした痕跡に出会えるかもしれません。
■夏休みの自由研究は市原湖畔美術館へ!
「湖の秘密」を解き明かそうとアーティストが様々な手法で作品をつくる過程は、驚きと発見に満ちています。美術(図画工作)だけではありません。社会、理科、国語、体育、音楽……そこには自由研究の種が沢山あります。
市原湖畔美術館では会期中、ユニークなイベント、ワークショップを開催するとともに、美術館1階の多目的ホールに「夏休みの自由研究ルーム」を開設します。養老川や高滝湖の資料のほか、アーティストが作品をつくるプロセスや素材を紹介するコーナーを設けます。今年の夏休みは、市原湖畔美術館で見たこと、感じたことを、自由研究にしてみませんか?
※「夏休みの自由研究ルーム」には、工作材料の用意はありません。
■設立から10年――地域と協働する美術館へ
市原湖畔美術館は、1995年に開館した観光・文化施設「市原市水と彫刻の丘」のリニューアルにより、市原市の市制施行50周年を記念して2013年に誕生しました。「里山の地に足でしっかり立ち、眼は広く世界を眺める」を志として、地域に根差し、子どもたちにとって楽しく新鮮な体験ができる、首都圏のオアシスでもあるようにありたいという思いで運営してきました。
本展は、そうした思いを新たに、より深く、広く地域と繋がりながら、世界に開かれたいとの願いのもとに企画いたしました。昨年11月にオープンした市原歴史博物館をはじめ、高滝湖や養老川、養老渓谷に関わる多数の団体や企業、住民の方たちの協力を得て実現するものです。
アーティストが光を当てる私たちの地域の宝を、ぜひご高覧ください。
□南条嘉毅ワークショップ「見えないものを見るために」
ボートに乗って、湖に消えた世界を見てみよう
日時 :7月16日(日)10:00~12:30
定員 :6組12名(小学生以上のお子様と保護者)
参加費:1組1,000円(別途要入館料)
□菊地良太ワークショップ「ARTISTWALKTOUR@高滝湖」
アーティストの視点で湖をめぐろう
日時 :ルート①8月20日(日)10:00~12:30
ルート②9月9日(土)10:00~12:30
定員 :各回20名
参加費:500円(別途要入館料)
□「ダム×アート」対談
ダムの魅力にとりつかれたアーティストと、ダムカード発案者による「ダム・トーク」
出演 :椋本真理子(出展アーティスト)、
三橋さゆり(ダムマイスター/日本建設情報総合センター審議役)
日時 :7月29日(土)13:00~14:30
定員 :50名(別途要入館料)
□フォーラム「湖の記憶、川の思い出」
出演 :加藤清市(出展アーティスト)、芝﨑浩平(市原歴史博物館)他
日時 :8月11日(金・祝)13:00~14:30
定員 :50名 参加無料(別途要入館料)
※要事前申込み。
※お申し込みは美術館HPからお願いいたします。定員に達し次第、申込み受付を終了いたします。
※イベントの詳細は美術館HPをご確認ください。
主催:市原湖畔美術館[指定管理者:(株)アートフロントギャラリー]
後援:市原市教育委員会
協力:一般社団法人市原市観光協会、市原 DMO、市原歴史博物館、小湊鐵道株式会社、高滝湖観光企業組合、高滝湖企業連携 PJT、千葉県高滝ダム管理事務所、有限会社 元木養鶏、養老川漁業協同組合、養老渓谷観光協会
同時期開催 常設展 「深沢幸雄と見るダンテの世界」
当館常設展示室では、日本を代表する銅版画家であり、市原市名誉市民である深沢幸雄の作品を主に、市原市にゆかりのある作家の作品を、年に4回の展示替えを行い、紹介しています。
深沢の媒酌人であった詩人・川路柳虹(かわじりゅうこう)から勧められ読んだダンテの『神曲』〈地獄篇〉は、様々な罪で地獄へ落ちた者たちのおぞましい世界を描いたもので、それを深沢は形象化し、版に刻みました。1954年から、完全なる独学で銅版画を制作してきた深沢ですが、この『神曲』シリーズ内の作品で日本版画協会賞を受賞し、以降、相次いで受賞を重ね、銅版画界の新生として躍り出ました。本展は、深沢幸雄のダンテ『神曲』〈地獄篇〉シリーズ9点と初期作品、あわせて22点の作品をご紹介します。
会期 2023 年 4 月6日[木]–2023 年6月25日[日]
会場 市原湖畔美術館 常設展示室
企画展のチケットで、同日に限り、常設展示もご覧いただけます。
※ただし 4 月 6(木)~ 4 月 14 日(金)は、企画展示入れ替え期間のため、常設展示のみの開催となります。
(入館料:一般:200( 160 )円、大高生・シニア (65 歳以上 ):100( 80 )円、中学生以下無料