蔡國強 宇宙遊 -<原初火球>から始まる

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    会 期
    20230629日 -  20230821
    開催時間
    10時00分 - 18時00分
    毎週金・土曜日は20時00分まで
    ※入場は閉館の30分前まで
    休み
    火曜日
    入場料
    有料
    一般1500円、大学生1000円
    ※高校生、18歳未満の方(学生証または年齢のわかるものが必要)は入場無料。 ※障がい者手帳をご持参の方(付き添いの方1名を含む)は入場無料。
    作品の販売有無
    展示のみ
    この情報のお問合せ
    050-5541-8600(ハローダイヤル)
    情報提供者/投稿者
    開催場所
    国立新美術館
    住所
    〒106-8558 東京都
    港区六本木7-22-2
    最寄り駅
    乃木坂
    電話番号
    050-5541-8600(ハローダイヤル)

    詳細

    参加クリエイター

    展覧会内容

    2023年6月29日より、国立新美術館とサンローランは国際的に大きな注目を集めてきた現代美術家、蔡國強(ツアイ・グオチャン/さい・こっきょう、1957年生)の大規模な個展「蔡國強 宇宙遊 -〈原初火球〉から始まる」を逢坂恵理子(国立新美術館長)の企画によって開催します。アンソニー・ヴァカレロがリードするサンローランにとって、本展を開催することは、同ブランドの使命ともいえる、ビジュアルアートや映画、音楽など、様々なクリエイティビティヘのサポートの最も新しい機会となります。

    蔡は数十年にわたり、東洋古来の哲学や思想に立脚しつつ、風水や占星術にもつながる宇宙、そして目に見えない世界に魅了されてきました。同時に、そうした果てしない世界への現代的アプローチとしての科学技術への興味や、現代の社会問題への感受性と省察を原動力に制作しています。蔡の芸術の大きな特徴は、火薬を創造的に用いて作品を生み出してきたことです。神話的で人類学的な壮大な世界観を表明した火薬ドローイングやインスタレーション、屋外爆発ブロジェクトなど、スケールの大きな制作は国際的に高く評価されてきました。
    占星術と風水に彩られた古都、福建省泉州で育った蔡は、1986年末に日本に移り住み、1995年にアメリカに渡るまでの約9年の間に、火薬を用いた独自のスタイルを開拓しました。また、1980年代から続く福島県いわき市の人々との友情と協働は今なお続き、蔡の創作に精神的な奥行きや温もりを与えています。

    1991年に東京のP3 art and environentで開催した個展「原初火球-The Project for Projects」は、日本で活動した時代の最初の、そして彼のアーティストとしての生涯のマイルストーンとなる重要な展覧会でした。展示の中心となった同名のインスタレーションでは、火薬で描いた7つの屏風ドローイングが爆発的に放射状に広がるように配置され、彼が「外星人のため」と「人類のため」に実現しようとするプロジェクトを表現しています。「原初火球」という言葉は、蔡國強が宇宙物理学と老子の宇宙起源論に基づいて提示したもので、宇宙の始まりを表します。
    本展覧会「宇宙遊 -〈原初火球〉から始まる」は、蔡國強が30年前に発表した展覧会「原初火球」を彼の芸術における「ビッグバン」の原点と捉え、そして、この爆発を引き起こしたものは何であり、その後今日まで何が起こったかを探求します。

    宇宙と見えない世界との対話を主軸に、作家として歩み始めた中国時代、芸術家としての重要な形成期である日本時代、そしてアメリカや世界を舞台に活躍する現在までの創作活動と思考を遡る本展覧会は、宇宙が膨張するかのように拡大してきた蔡の活動をたどる壮大な旅路のような個展です。

    国立新美術館の柱も壁もない2000㎡の大きな企画展示室1Eの、広場のような悠々とした空間で、一方には、歴史的なインスタレーション〈原初火球〉が再現され、その中には、ガラスと鏡を使った新作の火薬絵画3作品も含まれます。隣り合ったもうひとつの核は、LEDを使った大規模なキネティック・ライト・インスタレーション《未知との遭遇》であり、観客は作品の中を自由に歩きながら体感することができます。本展覧会では、国内の国公立美術館の所蔵作品と、日本初公開のガラスや鏡に焼き付けた新作を含む作家所有の約50件の作品が展示され、知られざる多数の貴重なアーカイブ資料や記録映像、そしてアーティスト自身による一人称の説明が掲示されています。

    展示宗全体がまるでひとつのインスタレーションのような展示を通じて、蔡の深遠かつ軽やかな思考と実践の旅路を追体験していただければ幸いです。

    展覧会の開幕に先立ち蔡國強は、福島県いわき市で三十年前に地元の友人達と協働で実現した爆発プロジェクト《地平線:外星人のためのプロジェクトNo.14》と同じ海岸で、サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロからのコミッションワークである昼花火《満天の桜が咲く日》を、プロジェクト実行委員会の主催により実施します。

    [見どころ]
    芸術的「ビッグバン」一起点としての日本
    1986年末から日本で過ごした約9年問は、蔡のキャリアにおいて重要な時期にあたります。日本にいることで、彼はより素材と形式の美に注力し、脆くも丈夫な日本の手漉き和紙に様々な手法を施した火薬ドローイングや野外の爆発プロジェクトなどで、〈外星人のためのプロジェクト〉と名付けたシリーズをスタートさせました。日本において蔡は、火薬作品の展示を通して見えない世界への関心を表明しながら、たくさんの支後者や友人と知り合い、多くの文化機関との結びつきを築きました。

    1995年にニューヨークに渡った後も蔡は、世界各地で活躍しなから日本との親密な関係を保ち続けました。2007年に第7回「ヒロシマ賞」、2009年に第20回「福岡アジア文化賞」、そして2012年に第24回「高松宮殿下記念世界文化賞」(絵画部門)を受賞したほか、国内の主要な美術館に数多くの作品が収蔵され、展示も活発に行ってきました。2013年には、1980年代から続くいわき市の人々との親交と協働を基盤として、蔡は地元で「いわき回廊美術館」を開設、2015年には横浜美術館で個展「蔡國強展:帰去来」を開催しました。本展覧会は、彼のおよそ30年前の芸術的「ビッグバン」の「誕生前」とその後につづく「展開」を辿りつつ、また、そのキャリアの重要な形成期を支え、育んでくれた日本の人々への感謝の気持ちを映し出しています。

    壮大なインスタレーション:宇宙や見えない世界との会話ー〈原初火球〉と《未知との遭遇》
    本展覧会の展示構成は、蔡自らが考案したものです。会場となる2000㎡の企当展示室1Eからは壁がすべて取り払われ、中央部にふたつの大規模なインスタレーション〈原初火球〉と《未知との遭遇》が並んで展示されます。それを取り囲むのが、1980年代、泉州と日本で過ごしたアーティストとしての成長期から、アメリカに拠点を移した1995年から今日までに制作された人小さまざまな作品でありその中には、近年のデジタル化やインテリジェント化を取り入れたAIや「メタバース」への探求なども含まれています。この斬新な構成には、宇宙への憧れに導かれて蔡が過ごしてきた時間と空間が凝縮されています。作家が自らの言葉で展開を語る展示は、展覧会全休でひとつのインスタレーションのようにも見える、壮大な旅路でもあります。

    主催・協賛・後援

    主催:国立新美術館、サンローラン

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