足立篤史個展「はじまりとおわり、そしてはじまり。」
会期: 2023-06-24 - 2023-07-09
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
足立篤史
歴史
紙
彫刻
開催内容
この度、Gallery FBIでは足立篤史 個展「はじまりとおわり、そしてはじまり。」を開催いたします。
これまで「記憶を記録する」を根幹に、当時実際に存在した兵器や生き物などのモチーフに、そのモチーフが存在した時代の新聞や雑誌を素材にし、そのモチーフ、時代に存在した「記憶」を落とし込んできた足立篤史氏。
作り出された作品は、過去の記憶と現代に蘇った記録が混じり合い、新しいオブジェクトとして独自の存在感を放ちます。
今回は現在の世界情勢、そしてその行方を考えるため何を見つめ直すべきか、その問を、具現化した記憶の存在を通して見るものに問いかけます。
是非ご高覧ください。
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「はじまりとおわり、そしてはじまり。」
この世に存在するあらゆる物には、その”モノ”が存在した時代、歴史、そして人々の生活や記憶が刻まれていると考えています。
人類は自分たちの知恵、経験、教訓、そして自分が存在した記憶を残すために言葉を産み出し、文字を発明し、本を作り、そして多くの人に広めるために印刷技術を発明し、紙も保存だけでなく、安価かつ大量生産できるよう進化させ、そして新聞として日々の情報を伝えていきました。
私は過去の記憶を、モチーフが存在した当時の資料(印刷媒体)をもとに、今まで形がなかったものを”実体化”させ、目に見えないものとして存在していただけの記憶を”記録”として残すこに意味があると考えています。
当時存在した物を表面に刻み付けることで、その時代の空気、リアリティを表現でき、ただの記録資料というだけでなく、その記憶の存在自体をリアルに感じることができ、その時代、出来事を考えるきっかけを作ることができると思っています。
そしてこれは未来へ向け記録を残していくのと同時に、過去の記憶を新たに垣間見ることができる瞬間であるのです。
今回の「はじまりとおわり、そしてはじまり。」で私は、多くの芸術家たちが行ってきたように藝術を使い、改めてこの国による出来事の「はじまり」と「おわり」を見つめ直すことができないかと考え、その記憶を具現化を試みました。
もちろん「最初と最後」だけではダメであり、数多くの出来事、記憶を垣間見、その上で考えていかねばなりません。
しかしまず、過去の歴史上「何を行い、結果としてどうなったか」を入り口として再度直視する事も必要である。
これは、新たな「はじまり」を考え、起こさぬための重要なプロセスなのです。
足立篤史