糸で描く物語 刺繍と、絵と、ファッションと。
会期: 2023-07-25 - 2023-09-18
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
ファッション
刺繍
絵画
開催内容
一針一針を縫い進めていくことで無限のイメージを作り出す刺繍は、伝統的な装飾品から身近な雑貨まで、時代と地域を越えて発展してきた表現技法です。本企画展は、独特の美しさと温もりで今も多くの人に愛されるこの技法の魅力を、約230点の出品作を通してご紹介するものです。
東欧の交差路スロヴァキアやトランシルヴァニアの伝統的な衣装やテキスタイル、独特の造形とあざやかな色彩が様々なアーティストに影響を与えているイヌイットの壁掛け、さらには、絵本の挿絵として制作されたのびやかな作品から精緻なオートクチュール刺繍まで、さまざまな分野を横断する多彩な作品をご紹介いたします。
素材が持つ”温かみ”や柔らかな”質感”、針で糸を縫い込んでいく”力強さ”といった刺繍が元来持つ魅力とともに、さまざまな地域・時代の文化を背景に生み出された作品を通して、この技法の多様性と可能性を感じていただけたら幸いです。
[展示構成]
第1章 刺繍と民俗衣装
第1章では、中・東欧の民俗衣装をご紹介します。ルーマニア中部に住むハンガリー系の人々が生んだ力強く素朴なイーラーショシュ、ザクセン系の人々による整然としたクロスステッチ、さらには、スロヴァキア各地域の華やかで技巧性に富む多様な刺繍の数々をご覧ください。
第2章 イヌイットの壁掛け
第2章では、カナダの先住民族イヌイットの人々が、20世紀後半に制作した布絵の壁掛けが登場します。イヌイット固有の文化に根差したイメージが、大胆な色彩と、ときにユーモラスな造形感覚によって表現された、迫力の作品群です。
第3章 刺繍と絵
つづいて、近現代のアーティストによる様々な糸の表現をご覧いただきます。童画家・武井武雄の図案の刺繍による再現、チェコの刺繍絵本の挿絵、現代アートもあれば、日本の伝統刺繍に、ファッション誌掲載のポップなビーズ刺繍まで。刺繍表現の無限の可能性を感じてください。
第4章 刺繍とファッション
最後にご紹介するのは、フランス、パリで育まれた華やかな刺繍です。オートクチュールの世界には、高級服メゾンの様々な注文に応える専門の刺繍工房があります。名門工房メゾン・ヴェルモンが所蔵するヴィンテージ刺繍や、刺繍サンプルを通して、多種多様なテクニックをお楽しみください。