藤崎了一 「 CRUSH 」
会期: 2023-05-09 - 2023-05-28
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
パフォーマンス
映像
写真
立体
開催内容
コートヤードHIROO ガロウにて藤崎了一 「 CRUSH 」を開催致します。
本展では「破壊する行為」をモチーフとしたCRUSH シリーズのみで構成される貴重な展示となっております。
「破壊と再生」を繰り返してきた人類の歴史を見る限り、「破壊」という行為は人間にとって本質的なものに感じます。人の日常には、いらないと判断されたものがあり、破壊という過程があり、それらが再生されてオブジェクトになる、という連鎖が繰り返されています。そんな社会の断片をアートに取り込むCRUSH シリーズは、ジャンクアートとも、ブリコラージュとも、アッサンブラージュアートとも、プロセスアートとも、パフォーマンスアートともカテゴライズしがたい、もっとより人間の本質に迫るようなアートのかたちとなっています。
淡々とした「CRUSH」の動作とその波紋の一部始終を、ぜひ見届けに足をお運びください。
― コートヤードHIROO
破壊に見る象徴性 予感
家電や家具など身の周りの不用品を次々とひたすら壊し続け、「破壊する行為」をモチーフとしてその壊れる様と音の美しさを執拗に追及する作品。
破壊衝動やバンダリズム的な感情はなく、淡々と制作している時のような音のリズムを刻む。
音が放たれると同時にエネルギーが解放され空間に音と共に広がっていく。
さまざまな現場で物を作るときに出す音が人の気をひくことがある。
ちょっと離れたところにいたり別の作業をしているにも関わらず、その作業が何であるか気にされることがあり、その中には物を捨てる際の小さくしたり細かくしたりという壊す作業もある。
気になってそれを見る、聞くという行動はその出来事とコミュニケーションが始まっていることを示すものであり、行動の主体と客体の間にコミュニケーションが成立しているということは作品として成立するのではないかというのがこの作品の始まりである。
私の制作の根底には素材が持つ均衡を保つしきい値を壊すことで作為と無作為の境界で生まれる造形を写真、映像、立体、パフォーマンス、を使って作品にしているが、CRUSH はそれに音が付随している。瞬間的に破壊される様は素材のありようを分解し、彫刻的な志向性を伴って破壊そのものが作品となる。彫刻とは空間に実在する素材のありようを示す物なのではないか。