開催時間 |
11時00分 - 19時00分
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休み |
月曜日,火曜日
※ 6/5(月)、6/6(火)は営業致します。 |
クリエイター在廊 |
有
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入場料 |
無料 |
展覧会の撮影 |
可 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com |
イベントURL | |
情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒152-0022 東京都
東京都目黒区柿の木坂1-32-17 |
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最寄り駅 | 都立大学 |
電話番号 | 0357269985 |
この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2023年5月17日(水)より、稲垣美侑による個展「 めをあける 」を開催致します。
家や空き地、庭先、縁をもった土地といった身近な住環境や自然への繰り返しの観察行為によって、個人や場所に内包される記憶や諸感覚を捨いあげ、描く行為を通じて、私たちの生きる場所やそこに広がるイメージについて問い続けている稲垣は、近年は主に、人々の生活の傍らに位置する「庭」をモチーフに、人間と動植物、自然と人工、日常と非日常、生と死といったような様々な二項対立化する存在の中間領域を探るような作品シリーズを展開しています。
今回の個展のタイトルである「めをあける」について、稲垣は大別して二つの意味をかけています。
ひとつめは、人が「目をあける」といった動的な行為。これには、対象を「見る」という人間に潜在している欲求や、意志への考察が込められています。その一方で、私たちは日常や自分たちの置かれた環境をはたしてどれだけ見ることができているのだろうか、と稲垣は問いかけます。
ふたつめに、「芽をあける」という動植物の生のエネルギーを示唆するイメージ。それは、例えば春の訪れとともに地下から地上へと顔をだす土中に隠れていた生物たちのように、こちら側からは見えない領域で生まれる生命の息吹、そして自然の持つ圧倒的な生の力強さや神秘に、稲垣自身が触れたことからあらわれた言葉です。
私たちが目にしているものは世界のほんの一瞬の切り取りに過ぎず、「めをあける」=「世界がうつしだされる/接触すること」だとすれば、世界との繋ぎ目(接点)として絵画(絵を描く行為)が存在しているのではないか、と稲垣は考えます。それと同時に、真っさらな画布の向こう側には、土中の芽のように、こちら側にはまだ見えていないだけの何かが潜在していて、絵を描く行為とは、その待機する存在を見えるこちら側へと掬い上げる行為なのではないかとも。
見落とされ、忘れ去られていくような他愛もない風景とその断片。日常に眼差しを向け、ゆっくりと眺めてみること。稲垣はそのような他愛もない繰り返しの関係性のなかから、私たちが生きる世界を味わい、創造的な感性を再発見するための手立てを探しているのです。
これまで個展や美術館を始めとする様々なグループ展、自然環境を問うプロジェクトに参加するなど、精力的に作品を発表している稲垣ですが、今回の個展では、これまでとは違った素地を取り入れるなど、新たな変化が感じられる油彩作品、陶器、ドローイングなどの新作を中心に展示致します。
稲垣美侑の新たな挑戦となる今回の個展、この機会に是非ご高覧下さい。
《ステートメント》
めをとじる
地中に種がうずくまって準備をしている。
めをとじる
この暗い穴のなか
眼裏に微かな明るさを感じはじめる。
雨水を吸収し成長する幼木、
堆積する枝葉に土中の根、
茂みの湿度に潜むもの、
水影を揺らす雨の粒、
花弁の蜜を吸う虫、
虫を食らう鳥、
風を知る、
背面の声
めをあける
遠く空の果てから降り注ぐ光に照らされた綿埃、
布越しに緑の粒がちらちらと反射し、
飛び交う鳥たちの鳴き声によって夜明けが訪れる。
めをあける
世界は数えきれない細胞の接触を介して映しだされ、
瞬くまに記憶のなかへと保管されてゆく。
身体とふたつの硝子球、地中から顔をだすいくつものめ。
ここにはそれぞれに生きる速度があり、見えるものも見えないものも同じ地平で一緒くたに存在しながら、互いを認めたり、貶したり、分かち合ったり遠ざけたり、異なるいくつものリズムを生成しながら、なにか線をひき点で結ぶには困難なほどに、絡まり合って豊かな営みのかたちを息づかせている。
世界はどのような姿をしているか。
絵はこの場所に広がっていて、小さな呼び声とともに画布の向こうで待機している。
稲垣美侑
稲垣 美侑 / Miyuki Inagaki
2014 東京藝術大学 美術学部絵画科 油画専攻 卒業
2015 石橋財団 短期派遣プログラム奨学生 (短期欧州研修渡航)
2015-2016 ナント美術大学(フランス) 半期交換留学
2017 東京藝術大学 大学院美術研究科修士課程絵画専攻油画 修了
2021.3 東京藝術大学 大学院美術研究科 博士後期課程 美術専攻油画 博士号取得
[主な個展]
2022 「草むらの音素」 経堂アトリエ plum gallery, 経堂, 東京
2022 「息をする Spirare」 Gallery Gigi, 江ノ島, 神奈川
2021 「初夏の旋律」 経堂アトリエ plum gallery, 経堂, 東京
2021 「ぐぜり Subsong」 CLEAR GALLERY TOKYO, 六本木, 東京
2020 「風のあしどり」 経堂アトリエ plum gallery, 経堂, 東京
[主なグループ展, 参加企画]
2023 「海女がつなぐ13人のART」鳥羽市立海の博物館,三重
2022 「亀山トリエンナーレ 2022」市指定文化財 旧舘, 亀山, 三重
2022 「桃源郷通行許可証 」 埼玉県立近代美術館, 埼玉
2022 「A-Lab Artist Gate NEXT STEP 」 A-Lab, 尼崎, 兵庫
2021 「HOLBEIN ART FAIR 2021」+ART Gallery 渋谷スクランブルスクエア 14F, 東京
2021 「自然とともに生きる 海女とアーティスト 昔と今。石鏡町と神保町にダイブ! 」
石鏡町内/鳥羽市立海の博物館/三重,神保町/原書房 他
2020 「東京藝術大学 大学院美術研究科 博士審査展 」 東京藝術大学 大学美術館, 上野, 東京
2020 「The Noisy Garden, The White Crypt うるさい庭, 白い地下室 」 Art Trace Gallery, 両国, 東京
2020 「自然とともに生きる 海女とアーティスト 昔と今。石鏡町と神保町にダイブ! 」
石鏡町 旅館内各所(2020.07.18-2021.03.31.), 鳥羽, 三重
2020 「1RA ONE ROOM ART 」 オンライギャラリー 一般財団法人東京アートアクセラレーション
2020 「AFT Art Hunting」 オンライギャラリーモール ART FAIR TOKYO
[助成]
2017 「第32回 ホルベインスカラシップ」 奨学生
2015 「石橋財団 短期派遣プログラム」 奨学生 (研修渡航先:フランス,ベルギー,オランダ,イギリス,スペイン)
[収蔵]
2022 「Beauty&Youth UNITED ARROWS|ららぽーと福岡」博多, 福岡
2021 「SUMUFUMU TERRACE 錦糸町|積水ハウス」錦糸町, 東京
2021 「The MODULE Roppongi」六本木, 東京
2021 「石鏡第一ホテル 神倶良」石鏡, 三重
2021 「公益財団法人 東海水産科学協会」鳥羽市立海の博物館, 三重
2019 「HOTEL KARAE」 コミッションワーク, 唐津, 佐賀
2017 「みなかみコレクション」 みなかみ町, 群馬