高嶋英男 ソンザイノリンカクヲツクル

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会 期
20230429日 -  20230618
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
月曜日,火曜日
クリエイター在廊

5月7日、6月17日
入場料
無料
展覧会の撮影
作品の販売有無
販売有
子連れ
この情報のお問合せ
09092933115 (仲野)
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
京都場
住所
〒604-8412 京都府
京都市中京区西ノ京南聖町6-5
最寄り駅
二条
電話番号
090-9293-3115

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

◾高嶋英男「ソンザイノリンカクヲツクル」
2023年4月29日(土)~6月18日(日)
12:00~19:00 月・火曜日休館
◾主催 京都場
◾協力 椿や

花瓶や壺の形と人や動物などの身体が複合した、顔の部分に穴の空いた「からっぽに満たされる」という作品を展開する高嶋英男。焼き物を用い手皮練りで作り上げるその作品群は、どこかユーモラスでありながらシリアスでもあります。

そんな両極を行き来する作品が、今回、京都、二条にある大正時代の元染物工房をリノベーションし、ホテルとギャラリースペースを併設させたオルタナティブスペース「京都場」にて、空間と共鳴しながらダイナミックに展開されます。会期中にはトークショーやワークショップなども開催されます。作家の関西圏において初の個展です。どうぞご高覧ください。

「高嶋英男―領域を越境する壺頭たち」

 1873年(明治6年)日本は初めてオーストリアのウイーン万国博覧会に公式参加した。この時の記録を見ると「日本の伝統的な手工芸品が非常に売れた」とある。その2年前に1871年(明治4年)ウイーン万国博覧会の分類目録が翻訳されていた。

「墺国維府博覧会出品心得」をみると「第二十二区 美術〈西洋ニテ音楽、画学、像ヲ作ル術、詩学等ヲ美術ト云フ〉ノ博覧場ヲ工作ノ為ニ用フル事」とあって面白い。「美術」と言う言葉が翻訳された時は、今でいう「アート」「芸術」に近い意味で翻訳され、総合的な領域を包含していた。さらに「美術ノ博覧場ヲ工作ノ為ニ用フル事」とあり、これは今の展覧会の展示やデパートのウインドウディスプレイに繋がるようにも解釈できる。そして、この「美術」と言う言葉と同様に「工芸」という言葉も明治期に翻訳されていて領域が不鮮明な言葉となった。

現代の私たちは、かえって「美術」や「工芸」という翻訳された言葉があるために「表現領域」の分類と「自分の表現の欲求」との間に齟齬が生じているのではないだろうか。

 高嶋英男は「美術」や「工芸」という領域を平気で横断する人だと思う。

高嶋は頭部が壺になっている人体や動物たちを陶芸で作る。

彼は大学時代には絵画を専攻していたが、やがて陶製の立体を制作し始める。しかし絵画的な要素がなくなったわけではなく陶の表面に釉薬で描かれた絵紋様として再度現れた。青い釉薬で描かれた絵紋様はその絵画性の高さから「壺」の作品などを制作しているイギリスのアーティスト、グレイソン・ペリーを思わせるところもある。しかし、高嶋作品の植物紋様はペリーの自己的な物語世界よりも装飾性の高い紋様が、日本の伝統的な絵付けを想起させる。また、ペリーは「壺」という形態自体を重要視しているが、高嶋は「壺」が頭部にある人体や鳥、動物を作る。いわゆる顔や頭にあたる部位が「壺」なのである。人体や動物の頭部が「壺」であり、穴いわゆる空洞を抱えているのだ。

「壺」は本来、花などを生けるために穴を持つ。高嶋作品の「壺」の頭部は空洞であるため、離れてみると暗い闇を抱えているようにも見える。それはまるで私たち一人一人が孤独という闇を抱えているように。

京都場館長 仲野泰生

(元川崎市岡本太郎美術館学芸員)

関連イベント

<京都場イベント>

●ギャラリートーク「焼き物の向こう側」

2023年5月7日(日)14:00〜15:00

アーティスト:高嶋英男/司会:仲野泰生

参加費:無料/定員:30名

●ワークショップ「粘土の向こう側」

2023年6月17日(土)15:00〜16:00

内容:粘土を使ったワークショップ

参加費・材料費:無料/定員:10名

対象年齢:小学生以上の方(小学校1〜3年生は保護者同伴)

*汚れても良い服装でご参加ください。

*お申し込みはいずれもメール(info@kyoto-ba.jp)にてご予約ください。

(参加イベント名、代表者のお名前、参加人数をご記載ください)

主催・協賛・後援

◾主催 京都場
◾協力 椿や

平均:5.0 
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