Gallery Den Collection
会期: 2023-04-15 - 2024-03-15
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
南山城村
contemporaryart
京都
Painting
art
水彩
油彩
現代美術
立体
絵画
現代アート
開催内容
誰かのコレクションがみんなのコレクションになるということ
兵庫県立美術館 学芸員 遊免寛子
Gallery Den(ギャラリーデン)は手島美智子さんが1995年に大阪市北区扇町に開設したギャラリーです。2002年に大阪市西区京町堀に場所を移し、2010年に距離にして約60km離れた京都府相楽郡南山城村にGallery Den mymとしてプレオープン、2011年4月にGallery Den mym(ギャラリーデン南山城村 本館)が開廊しました。翌2012年には、本館から徒歩7分の場所に滞在制作と展示ができる別館「AIR南山城村"青い家"」を設立。ペインターを中心とした多くの若い作家を紹介し続けてきました。手島さんが80歳を迎えられる前年の2020年11月、惜しまれつつも、その25年にわたるギャラリーの歴史を閉じることとなりました。
驚くべきは、都会のギャラリーが、公共の交通機関で辿り着くことが困難なほど豊かな自然に囲まれた里山の中で、これまでにも増して活発な活動を約10年も続けてこられたということです。「作品の制作」「作品の披露」「作品の鑑賞」が自然にリンクすることを目指した南山城村では、定期的に名物企画「ギャラリー選抜合同展《VISUAL SENSATION》」が開催され、新進気鋭の平面作家を数多く紹介してきました。手島さんが一貫してこだわったこと、それは若いアーティストを紹介するということです。キャリアを重ねた作家は、個人差はあれ、自身の思考や表現というものをある程度確立しています。しかし、若い作家たちはまさに発展途上にあり、揺らぎつつも、その目は未来に向かい輝いています。その中でも特に「未来に向かう目線」を感じる作品を手島さんは収集してきました。30年にわたるそのコレクションは100点を超えます。それらの作品を里山で公開し、多くの人にふれてほしい。それが閉廊後の手島さんの目標となりました。
喜ばしいことに、この度、それが実現することになりました。ギャラリーにほど近い場所にある、今は地域のコミュニティスペースとして活用されている古い小学校がその舞台となります。人間の生活の原点ともいうべき里山の中で、あの作家やこの作家の若かりし頃の作品を一緒にながめてみませんか。