開催時間 |
13時00分 - 19時00分
最終日18時00分まで |
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休み |
月曜日
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
ギャラリー花影抄
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒113-0031 東京都
文京区根津1-1-14 らーいん根津202 |
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最寄り駅 | 根津 |
電話番号 | 03-3827-1323 |
【ギャラリーより】
彫金、牙角彫刻、七宝など、様々な技法や素材に愛着を持って作品を生み出している若手作家の初個展です。AI、バーチャルリアリティ、3Dモデリングなど科学技術の発展の話題に事欠かない昨今ですが、磁佑さんを見ていると「人が自らの手で何かを作ることの喜び、本人にとっての意味」を感じます。工作ネイティブとも言えるような彼の初めての個展を是非、御高覧いただき、御感想などいただけましたら幸いです。自在置物的な表現の金属オブジェ作品、現代根付作品など10点あまりが並びます。
(花形抄/根津の根付屋 橋本達士)
【作家の言葉】
本日は私磁佑の初個展「空想現実」にお越しくださりありがとうございます.。
今回展示している作品達は私の好きな古代文明SF的世界観を元に、私にとっての「こういうの良いよなぁ…」を詰め込んだ作品です。これらの作品達をSNSやリアルの展示を通じて見てもらうのは、私から皆さんへの「こういうの良くない?」というごく軽い問いかけのようなもので、それに対して作品を観た人が「わかる~」と感じていただけたら、そのやりとりが今の私にとってのARTなのではないかなと考えながらこの展示の準備をしてきました。もし作品を見て「わかる~」と感じて頂けたならば、是非会場にいる作家本人に直接話したりツイートしたりしてお伝えくださると嬉しいです。(磁佑)
【作家の言葉2022年3月版】
私は作品制作という行為そのものが好きで、そこにまた自分の好きなイメージを載せることによって自分の「好き」のカタマリを作品として表現しております。私にとっての作品制作とはなんなのか。まずは私とものづくりの関係について少しばかりお話しさせていただきます。
私はこれまでの22年間の人生の大半においてものづくりに触れ続けてきました。両親曰く、2~3歳の頃には既にハサミを持ち紙工作をしていたそうです。それから小学校に進学し周囲の子供達が外で遊ぶ中も空き箱やストローを使った工作を続け、高学年になる頃ミニチュアに触れた事をきっかけに実材を用いた作品制作を始めます。その当時から工芸というものに興味を持っており、家具や楽器をはじめ中学校に上がる頃には日本刀までもミニチュアで制作していました。今となってはこの頃から掌に収まる小さなモノを作るのが好きだったように思います。そしてそれまで抱いてきた工芸というものへの憧れから高校は工芸に関する専門設備のある学校へ進学します。高校では工芸部(旧陶芸部)に所属し、主にろくろ技法を用いた陶芸作品を作りながら金属工芸における鎚起技法についても学び、高校生活の多くを工芸に費やしました。根付というものが存在する事を知ったのもこの頃です。そんな高校生活の中で金属工芸の奥深さや専門性の高さを知ったことをきっかけに、多摩美術大学工芸学科金属専攻という進路をとりました。
このような経緯で今に至るため、私は様々な技法や素材の扱い方について触れてきました。木工・金工・陶芸はもちろん、編み物や縫い物のような手芸、そこから派生するレザークラフト等も少し扱うことができます。このように色々な技法を使い様々な表現が可能になった私ですが、それまでミニチュアなど既に存在するモチーフをもとに正確な造形をする作品ばかり作ってきたことにより、大学に進学してから数年間、自分らしい表現とは何かについて悩みました。しかしその中で友人との話をきっかけ
に、私は何かを表現するために作品を作っているのではなく、ものを作る行為そのものが好きで作品を制作しているのだと自覚したことで、今の作品づくりが始まります。
そして作品のイメージの源となる私の好きなものは、いわゆるオタク文化と呼ばれるような日本のサブカルチャーです。アニメや音楽など様々なコンテンツが好きで、それらから得たインスピレーションをもとにオリジナルの古代文明的SFの世界観を構築し、自身の作品のモチーフとしています。
こうして私は自分の好きな工芸というものづくりに自分の好きなコンテンツ達から得たインスピレーションを載せて、自分の「好き」という気持ちを詰めこんだモノを作品として表現しています。
皆様には是非私の「好き」のカタマリをご覧頂き、そのどこかに同じような「好き」を感じていただければと思います。
2022年3月 磁佑