開催時間 |
11時00分 - 19時00分
土・日・祝は10時00分~17時00分 |
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休み |
水曜日
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
展示のみ
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この情報のお問合せ |
武蔵野美術大学 美術館・図書館
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒187-8505 東京都
小平市小川町1-736 |
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最寄り駅 | 鷹の台 |
電話番号 | 042-342-6003 |
武蔵野美術大学 美術館・図書館では展覧会「若林奮 森のはずれ」を開催します。
本展の見どころ
1. 彫刻家・若林奮の1980年代の代表作《所有・雰囲気・振動̶森のはずれ》を3人の彫刻家が監修となり修復、約30年ぶりに展示。
2. 《 所有・雰囲気・振動̶森のはずれ》、《Daisy Ⅰ》全10点、《振動尺》Ⅰ~Ⅳ、《The First White Core》Ⅰ~Ⅲなどの1980~90年代の大型彫刻を、吹き抜け空間を中心に展開。
3. ドローイング、関連するマケットや小品、参考資料など約100点を合わせて展観し、若林に内在した思考の痕跡を探る。
(前略)自分の部屋の中に森をつくることを考えていた。
……どこか一ヶ所に立って自分の把握する空間、言いかえれば自分が所有できる空間の内部と、その大きさを知り、その範囲を示す境界をどのように決定していくかに多くの注意を向けていた。
現実的に植物や土などに関連しながらの作業でなくても、以前から私は自分が自然の一部であることを確実に知りたいと考えていた。その確認のために様々なものを観察し、彫刻や絵をつくることが必要であった。(後略)
1986年3月(若林奮)
若林奮「森のはずれで̶̶ 所有・雰囲気・振動」『へるめす』第7号1986年6月、岩波書店
自身と周縁世界との関わりをめぐる思索を内包した作品により、戦後日本の彫刻を牽引した若林奮(1936–2003)。その作品は一見すると寡黙で非情緒的な形態ではあるものの、自然や距離、時間、空間、表面、境界など、我々を取り巻く普遍的な事象を捉え、没後20年となる今もなお、私たちが考え、向き合うべき多くを語りかけてくれます。
本展では、若林が武蔵野美術大学在任時、学内にある工房の一部をそのまま彫刻化した「鉄の部屋」を含む《所有・雰囲気・振動̶森のはずれ》(1981–84年)を、約30年ぶりに再展示します。本作は若林が触知あるいは所有できる空間を「部屋」として作り出し、境界や範囲を具体的に示すことで、自身を軸とした周縁の自然への思索を深め、彫刻観を拡張した点で、極めて重要な作品です。
さらに《所有・雰囲気・振動̶森のはずれ》と《Daisy Ⅰ》A~J全10点(1993年)を一続きの空間に展開します。植物や自然の観察、考察をめぐり生まれたこの2作品が相対することで、活動中期から後期にかけて色濃く表れる、若林彫刻の核といえる自然や風景をめぐる諸相に改めて立ち返り、若林が世界をどのように知覚し、そこで見出した概念をいかに彫刻化したのかを考えます。
加えて、自身と世界との距離を計る尺度として、1970年代以降若林彫刻に通底する概念となる《振動尺》Ⅰ~Ⅳ(1979年)、80年代終わりから若林にとって重要な素
材のひとつとなる硫黄を用いた《The First White Core》Ⅰ~Ⅲ(1992年)や《Sulphur Drawing》シリーズ(1990年ほか)など、関連する作品も合わせて、当館の吹き抜け空間を中心に展示します。また、作家の夥しい思索の一端に触れるべく、ドローイングやマケット、小品、資料約100点を展観し、若林に内在した思考の痕跡を線や言葉、イメージの中に探ります。
自分自身を含めて、自然という存在を精緻に観察することにより、若林は世界をどう知覚し、思考したのか。若林が思索を重ねたここ武蔵野の地で、想像力の源泉ともいえる「森のはずれ」を端緒に、若林彫刻の意義を再考します。
[同時期開催]
MAU M&Lコレクション:絵画のアベセデール 6月1日(木)–7月2日(日)
三浦明範̶vanitas vanitatum 7月15日(土)–8月13日(日)
主催:武蔵野美術大学 美術館・図書館
特別協力:WAKABAYASHI STUDIO
助成:芸術文化振興基金
監修:伊藤誠(武蔵野美術大学 造形学部彫刻学科教授)、袴田京太朗(武蔵野美術大学 造形学部油絵学科教授)、戸田裕介(武蔵野美術大学 共通彫塑研究室教授)