生誕100年 山下清展ー百年目の大回想

《長岡の花火》 1950(昭和25)年 貼絵 53×75cm 山下清作品管理事務所蔵

《長岡の花火》 1950(昭和25)年 貼絵 53×75cm 山下清作品管理事務所蔵

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会 期
20230624日 -  20230910
開催時間
10時00分 - 18時00分
入館は閉館の30分前まで
休み
月曜日
7月17日は開館
入場料
有料
一般1,400(1,300)円、大学生1,100(1,000)円、高校生以下無料
※( )内は事前購入料金、事前購入券は4月27日(木)より販売予定、公式電子チケット「アソビュー!」、ローソンチケット、イープラス、チケットぴあなどでお買い求めいただけます。詳細は美術館ホームページをご確認ください。 ※身体障がい者手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳を提示のご本人とその介助者1名は無料。被爆者健康手帳を提示の方はご本人のみ無料。
作品の販売有無
展示のみ
子連れ
この情報のお問合せ
050-5541-8600(ハローダイヤル)
情報提供者/投稿者
開催場所
SOMPO美術館
住所
〒160-8338  東京都
新宿区西新宿1-26-1
最寄り駅
新宿
電話番号
050-5541-8600(ハローダイヤル)

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

 山下清(1922-1971〔大正11-昭和46〕年)は放浪の天才画家として知られており、懐かしい日本の原風景や名所を貼絵で表し、多くの人々の心を捉えました。生誕100年を記念する本展では、代表的な貼絵の作品に加えて、子供時代の鉛筆画や後年の油彩、陶磁器、ペン画などを展示し、山下清の生涯と画業をご紹介します。
 日本各地を自由気ままに旅する生活を好んだ清は、驚異的な記憶力をもち、スケッチやメモを取らずとも、旅先で見た風景を細部まで正確に思い出すことができました。ときおり旅から戻ると、高い集中力を発揮して、手で細かくちぎった紙片を緻密に貼り合わせることで、超絶技巧的とも言える貼絵を制作しました。そこに見られる丁寧な細部描写と豊かな色調という魅力は、油彩やペン画、水彩画など他の作品にもよく表れています。このような多彩な作品約190点、そして旅に持参したリュックや浴衣、所蔵していた画集などの関連資料を間近に鑑賞することで、49歳で逝去するまで個性的な創作活動を続けた山下清の世界をご堪能いただければ幸いです。

[みどころ]

山下清の生誕100年を記念する大回顧展
昭和の時代に「日本のゴッホ」とも呼ばれた放浪の天才画家、山下清の画業と人生を振り返る大規模な展覧会です。

芸術家、山下清の真の姿に迫る
気ままな旅に持参したリュックや着ていた浴衣などの関連資料と併せて、緻密で繊細な表現、そして職人技といえる高い技術を示す貼絵など約190点の作品によって、その人物像と制作活動をご紹介します。

旅の風景を鋭い観察眼で捉えた山下清の世界
驚異的な記憶力と集中力を併せもつ清は、旅先で見た風景を細部まで正確に思い出し、手で細かくちぎった紙片を緻密に貼り合わせることで、超絶技巧的な貼絵を生み出しました。手の込んだ細部描写と豊かな色調を特徴とする山下清の世界をご堪能ください。

[展示構成]
第1章 山下清の誕生 ー昆虫そして絵との出合い
1922(大正11)年に東京、浅草に生まれた清は、3歳の時に高熱を伴う重い消化不良を患い、後遺症と思われる吃音が残った。小学校では吃音のためにイジメられ、独りで昆虫を採り、絵を描くことに楽しみを見出した。9歳の時に父が他界して母子家庭となり、清は母の旧姓「山下」を名乗るようになった。次第に清の発達障害が目に留まるようになり、周囲からのイジメが増したため、千葉県にある養護施設「八幡学園」に入園した。ここで生活する中で、清は画家としての才能を開花させることになる。

第2章 学園生活と放浪への旅立ち
八幡学園の授業で「ちぎり絵」に出合ったことは、清にとって大きな転機となった。清は、色紙をより細かくちぎって貼り合わせるテクニックを磨き、独自の「貼絵」の手法を確立した。一方で、学園での生活に飽きた清は、1940(昭和15)年、突然出奔して放浪を始めた。その後10年以上に渡って日本各地を巡る中で、ときおり自宅や学園に戻っては、驚異的な記憶力を頼りに、旅先で見た風景を貼絵で表現した。1954(昭和29)年、清は放浪の画家として新聞記事で大きく報道され、広く知られるようになったため、自由気ままに旅することが難しくなり、制作活動に専念するようになった。

第3章 画家・山下清のはじまり ―多彩な芸術への試み
1956(昭和31)年、一躍有名となった清の展覧会が東京、大丸百貨店で開催されると、26日間で約80万人が来場するという盛況ぶりとなった。その後も全国各地で展覧会が開催され、その好評に伴って、テレビや雑誌の取材が増えると、その話の内容や独特の話し方にも注目が集まり、人気となった。この頃からペン画を多く制作するようになり、展覧会開催に併せて訪れた土地で、風景や季節の行事を題材にした作品を残している。数は少ないものの、油彩にも着手し、点描のような独特な表現を試みた。

第4章 ヨーロッパにて ―清がみた風景
外国に行くことを強く希望した清は、1961(昭和36)年、39歳の時にヨーロッパを中心とする12 ヶ国を約40日間で巡る取材旅行に飛び立った。かつての放浪とは異なり、画家としてスケッチブックを持参した清は、各地の風景をスケッチに描き、帰国後、本格的な制作に取り組んだ。この旅行を題材とする貼絵やペン画は、さらに緻密さを増し、街並みや建築はより写実的に捉えられている。とくに細かい紙片やこよりを用いた貼絵は、技術と表現の両面で大きな進展を見せており、清の画業の中でも際立った作品群である。

第5章 円熟期の創作活動
1956(昭和31)年以降、清は日本各地で展覧会が開催される際、その土地の窯元を訪ねて陶磁器の絵付けを行った。この頃には、目の不調のために細かい作業を要する貼絵制作を控え、ペン画など他の手法の作品を多く手がけた。さらに、清は新たなテーマとして「東海道五十三次」を選び、約4年間の取材を経て、ペン画に着手した。しかし眼底出血により作業中断を余儀なくされ、約2年後の1971(昭和46)年に脳溢血により逝去。没後、療養中も密かに制作を続け、「東海道五十三次」全55点のペン画を完成させていたことが判明した。ペン画は散逸したが、それを基にした版画により、その全体像は今に伝えられている。

主催・協賛・後援

主催:SOMPO美術館、朝日新聞社
協賛:SOMPOホールディングス
後援:TOKYO MX、新宿区
協力:山下清作品管理事務所
企画協力:ステップ・イースト

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