小粥展
会期: 2023-02-25 - 2023-02-26
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
仏画
開催内容
九州初・小粥展 in 大宝山来迎院
イントロダクション
宮崎出身でありながら、これといった関わりを持つ機会のなかった熊本で、九州初となる個展をひらく巡り合わせが、奇しくも作家自身と仏教と絵画の三つ巴を紐解く端緒となった。
描くことは「祈りをかたちにする」こと、と語るその筆があらわすものは、浄土真宗の開祖とされる親鸞が「法身はいろもなし、かたちもましまさず」と伝えるもの、それ自体といえる。一方、6世紀前半の日本に仏教が伝来して以降、その儀礼や修行に欠かすことができないものとして発展し、生み出され続けたのがあらゆる仏教美術である。遥か2500年前のインドから東へ東へと海を越え、「今」この身に届く「よすが」を、小粥展から垣間見ることができるのではないだろうか。
小粥は、思春期に密教寺院で行われた断食行に繰り返し参加したり、脱サラ後に高野山で住み込みの給仕をしたりと、いわば修行的に自意識と対峙するなかで不動明王様との繋がりを感じる一方、生家の宗旨は浄土真宗で、常に共にあり、無条件に応援・庇護してくれる先祖の存在を、阿弥陀如来様に重ねている。そんな二尊との縁が、作品や信仰の土台となって人生の節目に入れかわり立ちかわり訪れる。本展では、二尊すなわち「自己の追求と一如としての自己」が貫く以下の4つの制作領域を見ることができる。
第一に、2014年から2022年10月にかけて8度ネパールに渡り、単身現地の画工の門を叩いて制作した《チベット仏画》の掛け軸。これは本来、仏僧が修行の一環として描くものである。釈尊誕生の聖地を抱くネパールで自身を追いつめ、画道修行がそのまま仏道世界への沈思へと繋がっていく。仏法と絵画の両道が修行のうえにリンクし、その道を歩む足取りがそのまま生業へと繋がる契機となっている。
第二に、神仏に帰依する修行者でもある小粥が、画布の上に降り立つ神仏を自らの筆致で顕現させる《絵師としての作品》。ミケランジェロが既に石の中にある像を彫り出したように、ミック・ジャガーが宙に浮かぶメロディを歌いあげたように、小粥が描く対象を自ら意図して選択することはなく、作品は自然(じねん)と縁によって定められ、可視化されてゆく。
第三に、《1000曼荼羅プロジェクト》と題しInstagramで発表を続けるオリジナル曼荼羅。DM等から依頼を受け、得た情報や受けた印象から対象を寿ぐ曼荼羅を制作している。幸福への祈りを描き出すことで、自身をも拯われていくことを経験するこの作品群は、現在150を越えている。
最後に、同じくInstagramで発表を続ける《ゆるく連載、【漫画で親しむ仏教】》シリーズの原画を展示する。主に仏尊を登場人物とした「株式会社涅槃」で繰り広げられる日常を描く本作について、小粥本人の言は「推し活を見せびらかしている」。仏道を歩むよろこびを伝える正道ともいえるアプローチである。
その他、これまでの展示でいつも好評を得ているネパールを中心とした旅の絵日記を展示する。ここでは小粥の人柄や生の声に触れることができる。
「人身受け難し、いますでに受く。仏法聞き難し、いますでに聞く」2500年前から変わらない、三帰依文の冒頭の句である。一切衆生をもらさず拯う阿弥陀如来様を御本尊と仰ぐ大宝山来迎院での今回の個展。そこから紡ぎ出される仏縁に、合掌。
====================
2023/2/25(土) 12–18時、26(日) 12−17時
※ 入場無料 (下記「記念イベント」開催時を除く)
※ イベントへのご参加をご希望の方は、以下の予約フォームをご記入の 上お申し込みください。尚、お支払いは当日会場にて現金でお願い致します。
▽ 記念イベント予約フォーム ▽
https://00m.in/fHoaz
▽ 大宝山来迎院 ▽
http://www.raikouin.or.jp/