櫻田精一展 ~気韻生動 刻 の 流れを みつめて~
会期: 2023-01-11 - 2023-05-28
参加クリエイター:
展覧会詳細
展覧会ジャンル:
アート
展覧会タグ:
油画
平面
絵画
開催内容
洋画壇の中心人物として第一線で活躍し、日本や欧州の風景を詩情豊かに描いた洋画家、櫻田精一の展覧会を開催致します。平成21年に千葉県立美術館で開催された『櫻田精一展生誕100 年ー響きあう光・水・風を描くー』から 14 年ぶりの開催となります。
1910年に熊本県上益城郡津森村に生まれ、その後、実父の勤務地であった韓国にて幼年期から青年期までを過ごしました。
17歳の春、修学旅行で偶然訪れた東京神保町の文房堂。ショーウィンドウに陳列された画材に魅せられ、小遣い銭の全てをはたいて無我夢中で購入した時の喜びが、画家櫻田精一の原点となったといいます。その逸話から、若き日の櫻田精一の真っ直ぐな情熱の一端が窺えます。
日本美術学校西洋画科を卒業後に韓国へ戻り、程なくして朝鮮美術展覧会で高い評価を得て、画家として鮮烈なデビューを果たしました。韓国での約6年の活 動を終え、 1939 年に本格的に画業に専念するため再帰国すると、文化勲章を受章した小絲源太郎に師事し、小絲の影響を受けながらも自身の画風を確立していきました。
1944年の疎開が縁で居を構えた野田の地で半世紀余りを過ごし、アトリエや個人美術館を創設、小林武雄や大野みつこなどの優れた門下生を輩出するなど後輩育成にも尽力し、地域の芸術文化振興に大きく寄与します。その功績を称えられ、地域文化功労者文部大臣表彰を受けました。また、日展参与、千葉県美術会名誉会員などの要職を歴任し、常に洋画壇を牽引する中心的存在となりま した。画家としての活躍も然ることながら、その端正な顔立ち 、 内面から放たれる雰囲気、人間力でも多くの人を惹きつけました。
本展覧会では、野田の地を描いた初期、1957 年に約 1 年渡欧したのち鳩に魅せられ鳩をモチーフに描いた中期、古都奈良やベルギーのブルージュを描いた晩年期など、その変遷を辿りながら二期構成で約 60 点の作品を紹介致します。
描く風景や画風の変遷を経ながらも、一貫して自身にとっての美を追求し、穏やかな眼差しをもって、歴史、文化、自然と対峙しながら、趣き深い色彩で描き続けました。画家 ・ 櫻田精一が捧げた 画業 70 年の足跡を、ぜひご高覧ください。
【前期】 ~3月19日(日) 【後期】 3月22日(水) ~