黒坂 祐 「眺めと見分け」

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会 期
20230204日 -  20230226
開催時間
11時00分 - 19時00分
休み
月曜日,火曜日
クリエイター在廊
展覧会の撮影
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
TEL 03-5726-9985
Mail info@katsuya-susuki-gallery.com
イベントURL
情報提供者/投稿者
開催場所
KATSUYA SUSUKI GALLERY
住所
〒152-0022 東京都
東京都目黒区柿の木坂1-32-17
最寄り駅
都立大学
電話番号
0357269985

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

この度KATSUYA SUSUKI GALLERYでは2023年2月4日(土)より、黒坂 祐による個展「眺めと見分け」を開催致します。
2017年に東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻を卒業し、2019年に同大学大学院美術研究科絵画専攻を修了した黒坂は、自身のD型色覚(2型2色覚)という、いわゆる色弱であるという境遇から、「見る」という事を様々な視点から考察した作品を発表してきました。

今回の個展「眺めと見分け」に向けて制作をする上で、黒坂はまず「見る」ということを「眺め」と「見分け」という言葉に分割し、再定義しました。
そしてそこからさらに深掘りすることで、色覚者と色弱者の境界を超えた、よりプリミティブな視点へと辿り着きました。
それは外からの介入を受けることのない孤高の領域。

今回の黒坂が到達した「眺め」を、是非その目で直接ご覧下さい。

《ステートメント》

「紅葉を楽しむ」ときにはなにを楽しんでいるのだろう。
こんな話題を多数派色覚者と「色弱者」の両方に出してみて話を聞いた結果、多数派色覚者は主に鮮やかに色づいた葉の「普段との違い」を楽しんでいるようだ。
つまりこれは「見分け」の楽しみといえるだろう。
対照的に私を含めた「色弱」はそもそも紅葉などなにもおもしろくないという意見や、紅葉を「普段との違い」で楽しむのではなく、普段と変わらず「緑を見て癒される」ような楽しみ方をするのだ。
こちらは「眺め」の楽しみとしたい。

紅葉を例に挙げたが、その他の「見る」こと全般も「眺め」と「見分け」に大別することができる。
もちろんこのふたつは完璧に分かれている訳ではなく、無限のグラデーションの中でゆるやかに繋がっている。
しかしあえて「眺め」と「見分け」に分けてみることで「色弱の絵画」とはどういうものかというテーマにアプローチしたいと考えている。
まずは「見分け」の問題点について挙げてみたい。

私が日常において「色弱」を意識して嫌になるときは常に「見分け」るときだ。
例えば駐車場の「空き」を示すランプが緑、「満車」を示すランプが赤と色分けされているのを私はほぼ「見分け」られない。
色による「見分け」は社会(「色弱」を除いた)に深く入り込み、もはや取り除くことが不可能なところまできている。
それはいわば「見分け」に依存した状態だともいえる。
危険な場面においても「見分け」は非常に有用だが、それ故に「見分け」に依存することを問題視するべきだろう。

「眺め」というのはどういう状態かというと、見ることに意味や目的を求めないものの見方だ。
空を眺める、山を眺める、海を眺める...これらは対象を見たいから見ているというよりはただなんとなく見てしまっているといったほうがいいだろう。
目を開けているときはなにかを見なければいけない。
その目の置きどころを求めるように、ものを「眺め」る。

あそこの色が赤で、あそこが緑で...なんてことは考えず、ただ全体/細部を見つめている。
この状態をなにも意味がないと捉えることもできるが、「色弱」の私にとってはなににも代え難い価値を持つ。
「眺め」ているときは「見分け」が行われない故に他人と比較されることがなく、自分が「色弱」でもなんでもないただひとりの人間でいられる。
現代では得がたくなってしまった孤独、絶対的な自分でいられる時間を与えてくれるのが「眺め」なのだ。

今回展示する作品は生活する中での観察や制作の中で培ってきた「眺め」の条件を絵画として表現したものだ。
この条件はあえて言葉にしないので、実際に体感してもらいたい。
「色弱の絵画」は「見分け」に依存した状態から解放し、「眺め」という孤独で幸福な時間をつくりだすのだ。

黒坂 祐 / Yu Kurosaka

1991年 千葉県生まれ 2017年 東京藝術大学絵画科油画専攻卒業 2019年 東京藝術大学美術研究科油画専攻第3研究室修了 [主な個展]
2016 「ここからできるだけ遠くへ」, 作家実家, 千葉
2016 「ひとつのところにいる」, space dike, 東京
2017 「Weak Value」, itadakiBLDG., 東京
2017 「きょうまでいきてこられてよかった」, 野方の空白, 東京
2020 「いくつかのリズム、不活性な場所」, 四谷未確認スタジオ, 東京
2022 「project N 87 黒坂祐」,東京オペラシティ アートギャラリー 4Fコリドール, 東京
2022 「光受容器の夢」 , MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY , 東京

[主なグループ展]
2014 「ストレンジャーによろしく」, 太田駅なか文化館, 群馬
2015 「ストレンジャーによろしく」, 名古屋市民ギャラリー矢田, 愛知
2017 「アタミアートウィーク2017」, ツイキレンタルスペース, 静岡
2018 「絵画運動(ラフ次元)」, 四谷未確認スタジオ, 東京
2019 「荒れ地のアレロパシー」, Mitsukoshi Contemporary Gallery, 東京
2021 「Young Okazaki vol.01」, MtK Contemporary Art, 京都
2021 「Emerging Artists」, 札幌大通地下ギャラリー500m美術館, 北海道
2021 「Collectors’ Collective vol.5」, biscuit gallery, 東京
2022 「Grid」, biscuit gallery, 東京
2022 「MEET YOUR ART FESTIVAL 2022 ‘New Soil’」,恵比寿ガーデンプレイス, 東京
2022 「e to oto to…2022 ‐ART×MUSIC-」, +ART GALLERY , 東京

[受賞]
2019 シェル美術賞2019 グランプリ

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