開催時間 |
10時00分 - 18時00分
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休み |
月曜日
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入場料 |
無料 |
この情報のお問合せ |
トーキョーアーツアンドスペース(03-5242-1142)
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒135-0022 東京都
江東区三好4-1-1 |
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最寄り駅 | 清澄白河 |
電話番号 | 03-5245-4111 |
東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)は、2018年より中堅アーティストを対象に、受賞から複数年にわたる継続的支援によって更なる飛躍を促すことを目的とした現代美術の賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」を実施しています。
3回目の選考により、志賀理江子と竹内公太の2名を選出し、受賞者には賞金授与のほか、受賞翌年に海外活動支援を行いました。そしてこの度、3年目の支援となる「TCAA 2021-2023 受賞記念展」を、東京都現代美術館にて開催します。
本展は、受賞者それぞれの作品発表の場という枠組みを超え、展覧会タイトルの考案をはじめ、制作段階からの意見交換など、お互いに対話を重ねることで作り上げました。
また、本展開幕に合わせ、各受賞者の過去作や本展のための新作を掲載したモノグラフ作品集をバイリンガルで発行します。
[みどころ]
■対話から生まれた展示空間
本展は、TCAA受賞記念展として初めて、展覧会タイトルに「さばかれえぬ私へ/Waiting for the Wind」という言葉を冠しました。この言葉は、TCAA授賞式から始まった志賀と竹内の対話の中から生み出された、いわば本展で唯一の 2人の共同作品と言えるものであり、人々が抱える内面世界への呼びかけでもあります。東日本大震災の爪痕が大きく残された宮城、福島をそれぞれの拠点として活動する両者の作品は、その方向性は違えども、対話の中で見出された共通の認識を持ちつつ、ある部分では作品が重なり合うように展示空間を構成します。
■本賞の支援を経て制作された新作を中心とした作品構成
志賀は映像による新作を中心に、2011年の被災後から突如始まったあらゆる分野での復興計画に圧倒された経験を、人間が「歩く」営みとして捉え直しました。東京から三陸、青森の太平洋側先端までの沿岸部の地図を土台とし、写真や絵、メモなどが混在する大型のコラージュなど、震災後の12年間を、刻々と変化し続ける自身の内面や思考も含めて可視化することを試みます。
竹内は、リサーチを続けてきた第二次世界大戦末期の日本軍の兵器「風船爆弾」について、アメリカでの更なるリサーチを経て、風船が落ちた地面の写真を用いた、実寸大の風船による新作インスタレーションを発表します。また、2011年の震災の余波により、建物の保存が叶わなかったいわき市の劇場「三凾座(みはこざ)」が解体される様を作品とした《三凾座の解体》(2013)と合わせて展示することで、本展での鑑賞体験は、アーティストが過去の出来事に憑依することで作品が生まれ、鑑賞によりその作品に憑依することで作品が成立する、過去の出来事–アーティスト–鑑賞者の「憑依の連鎖」を成すものとなります。
展覧会へよせて ー志賀理江子
制作の土台として、この2年間、宮城県美里町にあるスタジオにてさまざまな方を招き、トーク、レクチャー、ワークショップを行ってきました。生活の場でもある制作場所を開くことで、実にさまざまな体験に恵まれ、想像すらしなかった新たな出会いが沢山ありました。その経験は、2011年の震災後、大きな資本と抗うことが困難な国家の計画に圧倒され続けた、この12年間の復興を、近代の抑圧としてだけ考えるのではなく、どこかではこれまでとは違う角度から考える発想や、さまざまな道、もしくは拮抗するような力が生まれ、それぞれが密につながることがあるという可能性を示唆する営みでもありました。この自らの体ひとつを鏡のようにして、この時間に起こった出来事の蓄積から、展示室へ照らし返すような展示ができればと思っています。
展覧会へよせて ー竹内公太
戦時中に日本がアメリカを攻撃するため放った「風船爆弾」について、昨年その着地点のひとつをグーグルマップと米軍の文書記録から特定できました。そして、TCAAの渡航支援でワシントン州ハンフォード・サイト近くのその場所へ行きました。2022年9月には、風船を放った場所のひとつである福島県いわき市で、美術館や博物館にお願いして市民の皆さんと歴史を探る散策会をしてもらいました。海を隔てた人たちとのコミュニケーション手段が発達しても、人類は兵士や爆弾を送ることを止めないことが、連日の報道で伝えられています。いま、かつて風船が飛来した地面を想像して絵を描いています。
■アーティスト・トーク 入場無料・要事前申込・先着順 日英同時通訳あり
日時:3月 19日(日) 14:00-15:30(開場 13:30)
出演:志賀理江子、竹内公太 、キャロル・インハ・ルー (北京中間美術館 ディレクター/ TCAA 2021-2023選考委員)
モデレーター:塩見有子(特定非営利活動法人アーツイニシアティヴトウキョウ ディレクター/ TCAA選考会運営事務局)
会場:東京都現代美術館 地下 2階講堂 (江東区三好 4-1-1)
その他、各種イベントを開催予定です。
詳細は後日、ウェブサイトにてお知らせします。
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