関 智生 眼振 Nystagmus

Real/Red 128 眼振 平城京右京一条三坊 西大寺 112x162x3cm テンペラ、岩絵の具、水彩、キャンバス 2022 (c) tomoo seki

Real/Red 128 眼振 平城京右京一条三坊 西大寺 112x162x3cm テンペラ、岩絵の具、水彩、キャンバス 2022 (c) tomoo seki

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会 期
20221028日 -  20221204
開催時間
12時00分 - 19時00分
休み
月曜日,火曜日,水曜日
11月17日(木)〜 11月23日(水)は京都で開催されるフェア:アートコラボレーション京都に出展のため休廊となります。
入場料
無料
作品の販売有無
販売有
この情報のお問合せ
Gallery OUT OF PLACE
情報提供者/投稿者
開催場所
Gallery OUT of PLACE
住所
〒630-8243 奈良県
奈良市今辻子町32-2
最寄り駅
奈良
電話番号
0742-26-1001

詳細

参加クリエイター

展覧会内容

2003年、5年間のイギリスでの留学を終え日本に戻った関智生は、
東洋の絵画表現、特に日本の江戸期の南画を、コンテンポラリーアートの文脈で捉えなおし、
岩絵の具のカドミウム・レッドを主に用いたモノクロームペインティング:Real/Redを約20年にわたり制作し発表してきました。
ここ2年は、活動拠点を中部から関西に移し、故郷奈良で試行錯誤を重ねた結果、新しいコンセプトと技法を得ています。
従来続けてきた技法をそこに掛け合わせ完成させた新作群を「眼振 nystagmus」と名付け、今回3年ぶりの個展にて発表いたします。

個展「眼振 Nystagmus」によせて

長く名古屋で活動してきた私が2年前故郷奈良に戻ったのを機に、「奈良の歴史を特定の位置で一瞬に俯瞰する」という体験を自らに課し、
現代美術作品に昇華しようと試みたのが、今回のシリーズ「眼振」である。

もし同じ場所を「多層な時間軸(過去と現在など)」で眺めることができたなら、「眼振:眼球の不随意な振戦」という現象が身体に起こり、横への不随意往復運動として対象がぶれて認識されるのではないか。
そこで平城京の昔、碁盤目状に区画された「条・坊」と名のつく場所に敢えて赴き、その場所の写真画像をもとに絵画作品を制作している。
奈良時代から現代までを内包する場所で、過去と現在を同時にとらえた結果起こりうる眼振を「水平方向の絵の具のスキージー」として画面に表現している。

また、奈良の象徴ともいえる「鹿」は誰もが認識できる具象対象として、一方「西大寺の土壁」の表層については抽象イメージとして扱い、
「鹿」(具象)と「壁」(抽象)の異なるモチーフを対比させ、そこに発生する摩擦も一つの眼振としてとらえている。

ところで私は過去15年に渡って、描こうとするイメージ(写真)をプロジェクターでキャンヴァス上に投射し、表層を記号化(しかもモノクローム化)するという方法論で平面絵画を描いてきた。
「3次元」から「2次元」に変換された「光の風景」をスタジオ内のキャンヴァス上に図として再現しようとしているともいえる。
それはテンペラをメディウムとする岩絵の具や水彩などを用いて、モノクロームのテクスチャーに置き換える行為に他ならない。
制作の際の「プロジェクター」によるイメージのぶれと、多彩な対象をあえて強烈な赤色にしぼる「モノクローム」、両者は別の意味での眼振を内包した制作だったといえるだろう。

奈良の特定の場所であたかも井戸を穿つように、多層化している歴史を掘り下げ、それぞれの各時代の層(歴史)を、メタフィジカルな意味において同一の画面に置き並べたい。
会場では抽象と具象を同時に体験し、さらにテクニカルなオリジナリティ(スキージー、記号化、モノトーン化)が、畳みかけるようにフィジカルかつメタフィジカルな眼振を私たちにもたらすだろう。

関連イベント

レセプションパーティ:10月29日(土)18:00~19:30 
作家が在廊します。ぜひご来場ください。入場無料

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