国立新美術館開館15周年記念 李禹煥

展覧会ポスター

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会 期
20220810日 -  20221107
開催時間
10時00分 - 18時00分
※毎週金・土曜日は20時00分まで ※入場は閉館の30分前まで
入場料
有料
一般1,700円、大学生1,200円、高校生800 円
※中学生以下は入場無料。 ※障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は入場無料。
作品の販売有無
展示のみ
この情報のお問合せ
国立新美術館
情報提供者/投稿者
開催場所
国立新美術館
住所
〒106-8558 東京都
港区六本木7-22-2
最寄り駅
乃木坂
電話番号
050-5541-8600(ハローダイヤル)

詳細

展覧会内容

自己は有限でも外部との関係で無限があらわれる。表現は無限の次元の開示である。
  ―――― 李禹煥

国立新美術館では開館15周年を記念して、国際的にも大きな注目を集めてきた「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン、1936年生)の東京では初めてとなる大規模な回顧展を開催中です。東洋と西洋のさまざまな思想や文学を貪欲に吸収した李は、1960年代から現代美術に関心を深め、60年代後半に入って本格的に制作を開始しました。視覚の不確かさを乗り越えようとした李は、自然や人工の素材を節制の姿勢で組み合わせ提示する「もの派」と呼ばれる動向を牽引しました。また、すべては相互関係のもとにあるという世界観を、視覚芸術だけでなく、著述においても展開しました。
李の作品は、芸術をイメージや主題、意味の世界から解放し、ものともの、ものと人との関係を問いかけます。それは、世界のすべてが共時的に存在し、相互に関連しあっていることの証なのです。奇しくも私たちは、新型コロナウィルスの脅威に晒され、人間中心主義の世界観に変更を迫られています。李の思想と実践は、未曾有の危機を脱するための啓示に満ちた導きでもあります。
本展では、「もの派」にいたる前の視覚の問題を問う初期作品から、彫刻の概念を変えた〈関係項〉シリーズ、そして、静謐なリズムを奏でる精神性の高い絵画など、代表作が一堂に会しています。また、李の創造の軌跡をたどる過去の作品とともに、新たな境地を示す新作も出品されています。

展覧会のみどころ

本展は、李禹煥が自ら展示構成を考案しました。1960年代の最初期の作品から最新作まで、李の仕事と経過と性格を網羅的に浮き彫りにするものです。本展は、彫刻と絵画の2つのセクションに大きく分かれています。彫刻と絵画の展間の過程が、それぞれ時系列的に理解できるように展示されています。また、野外展示場には石とステンレスを用いた大型作品が設営されています。

展覧会冒頭に展示されているカンヴァスにピンクの蛍光塗料を用いた三連画《風景I》、《風景Ⅱ》、《風景Ⅲ》(すべて1968年)は、東京国立近代美術館で開催された「韓国現代絵画」展(1968年)に出品された李の初期の代表作です。蛍光塗料を用いたレリ-フ作品《第四の構成A》と《第四の構成B》(ともに1968年)と同様、視覚を攪乱させるような錯視効果を強く喚起する作品です。トリッキーな視覚効果を引き起こすこれらの作品は、1960年代末の日本に興隆していた傾向を反映しています。

1968年頃から制作された〈関係項〉は、主に石、鉄、ガラスを組み合わせた立体作品のシリーズです。これらの素材には殆ど手が加えられていません。李は、観念や意味よりも、ものと場所、ものと空間、ものともの、ものとイメージの関係に着目したのです。1990年代以降、李はものの力学や環境に対しても強く意識を向けるようになり、石の形と鉄の形が相関する〈関係項〉も制作しています。より近年の作品では、環境に依存するサイトスペシフィックな傾向が強まっており、フランスのラ・トゥーレット修造院で発表された《関係項一棲処(B)》(2017年)はその典型です。

李は2014年にフランスのヴェルサイユ宮殿を舞台に個展を開催しました。そこでは2つの石が両脇を瓦えるように配された、ステンレスの巨大なアーチ状の野外彩刻《関係項-ヴェルサイユのアーチ》が設営され、大きな話題となりました。ひとたび巨大なアーチを通り抜けた観者は、周囲の空間に新鮮な印象を受ける経験をすることになるでしょう。2019年には香川県の直島町に、《無限門》が恒久設置されました。本展では、国立新美術館の野外展示場でアーチ状の野外彫刻の新作が展示されています。

1971年にニューヨーク近代美術館でのバーネット・ニューマンの個展に刺激を受けた李は、幼年期に学んでいた書道の記憶を思い起こし、絵画における時間の表現に関心を強めました。1970年初頭から描き始めた〈点より〉と〈線より〉のシリーズは、色彩の濃さが次第に淡くなっていく過程を表しています。行為の痕跡によって時間の経過を示すこのシステマティックなシリーズは、10年ほど続けられます。

1980年代に入ると、〈風より〉と〈風と共に〉のシリーズに顕著なように、画面は荒々しい筆遣いによる混沌とした様相を呈してきます。80年代終わり頃からはストロークの数は少なくなり、画面は次第に何も描かれていない空白が目立つようになります。2000年代になると、〈照応〉と〈対話〉のシリーズか示すように、描く行為は極端に限定され、ほんの憧かのストロークによる筆跡と、描かれていない空白との反応か試されます。〈点より〉や〈線より〉と対照的にこれらは空間的な絵画のシリーズと言えます。

主催・協賛・後援

主催:国立新美術館、朝日新聞社、独立行政法人日本芸術文化振興会、文化庁
協力:SCAI THE BATHHOUSE

関連情報

巡回情報
兵庫県立美術館:2022.12.13( 火)– 2023.2.12(日)
※各会場によって一部展示作品が異なります 

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