開催時間 |
11時30分 - 19時00分
最終日は17:00まで |
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入場料 |
無料 |
作品の販売有無 |
販売有
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この情報のお問合せ |
g-hinoki@axel.ocn.ne.jp
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情報提供者/投稿者 |
住所 |
〒104-0031 東京都
中央区京橋3-9-2 宝国ビル4F |
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最寄り駅 | 宝町 |
電話番号 | 03-6228-6361 |
特殊技法による手漉き和紙の平面オブジェと、木炭、顔料などでドローイングした合体作品のインスタレーションを中心に約10点展示。
和紙の表層における、極薄和紙の影と描かれた影―。異なる光と影とのイリュージョンのハザマから、何が見えてくるかを試みました。
ギャラリー檜Fでの展覧会です。
作家のコメント
★見る者の心を映す〈水鏡〉
数年前に始まったHAZAMAシリーズの「漉く行為」と「描く行為」との合体作品は、内部と外部の境界である和紙、その平面、あるいは表層における視覚(絵画)のゲシュタルト性を検証するものです。「水鏡考」は、そのHAZAMAのコンセプトを発展させたものです。また、私の水鏡体験の記憶をもとにした、絵画の平面性に関わる〈見ること〉への新たな創造作業への試みでもあります。
私の心に刻まれた水鏡体験の記憶はいくつもあります。古くは薬師寺の西塔の心礎の窪みに溜まった水、その水面に映った東塔の水煙の美しさです。それはいつまでも私の心の泉となって今日の創作の原基ともなっています。
古来、水鏡には、洋の東西を問わず多くの神話伝説が語られてきました。己の姿に倒錯するナルシス、生死の境界を乗り越え冥府に下りるオルフェウス。また能の謡曲『野守』の池や「井筒」の水鏡。さらには神事の銅鏡や仏教における鏡。特に道元の『古鏡』(『正法眼蔵』)は、虚像でなく真の姿(源存在)が映し出されるのだと考えられています。これらの水鏡をめぐる物語には、「見る」という行為に潜む数々のディスクールが内在しているように思います。
「水鏡考」は、水面を掬い上げる行為、即ち「紙漉き」によって生まれる、水面(ミズモ)の変貌としての平面(和紙)と、ドローイング(描く行為)によってイマージュの息吹を吹き込まれた和紙の表層。いわば「漉く行為」と「描く行為」が合体した創作平面です。
絵画的平面とは、<見るもの>と<見られるもの>とのお互いの創造力がぶつかり合う場(トポス)です。人が(絵画の)平面に対峙することは、己の生命が絵画的表層でシンクロすることであり、己の心を映し、浸す水鏡であってほしいと考えます。